Complete text -- "#116.嬉しい顔"

26 July

#116.嬉しい顔

北京オリンピックを目標にしたU−21日本代表が反町康治監督から発表された。中国代表との親善試合が8月7日に中国で行なわれるためだが、カレン・ロバートや増島竜也など注目選手はほぼ選ばれと思われる。反町監督はオリンピック本選に出場した選手の半数以上がワールドカップの代表に選出されていることを数字で上げ、オリンピックがワールドカップに直結していることの印象付けに腐心していたようだった。そして、代表監督のオシムからは助言をいただいたことを誇らしげに話し、さらに「オシムさん同じベクトルを目指す」などとA代表との一体感を強調していた。そして、なんと言っても終始嬉しそうなのである。

反町康治がアルビレックス新潟の監督時代、「走る」ことを何よりも大切なことにあげていた。試合後のインタビューでも自軍の走りについては必ず出てくる最重要事項だった。去年の磐田に負けた試合では「今日のウチの選手は相手の1.5倍走りました。褒めてやってください」という調子だった。このように走り一本槍で田舎チームを育ててきたものの、やはりその先のもの足りなさは反町監督自身が感じていたに違いない。新潟の監督時代からオシムのジェフ千葉には相当な関心があって、「ジェフの練習は金を払ってでも見てみたい」などとオシム礼賛の言葉まで吐いていた。

その反町が念願叶って、オシムの一番弟子になれたのだ。しかも金を払ってではなく報酬までついてくる。オシムの就任には紆余曲折があり、就任会見などではオシムは周囲に気を遣ってか、それとも生来のことか終始控えめあったが、川渕協会会長の隣りで嬉しさを堪えきれない様子の反町監督が妙に可愛かった。あの嬉しさに匹敵する顔は、最近の日本では見たことがない。強いてあげれば、ホームセンターにあるペット用カートに乗せてもらったワン公の嬉しそうな顔ぐらいかもしれない。


06:00:00 | datesui | |
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