Complete text -- "#5.オヤジの芸道"

20 February

#5.オヤジの芸道

先日、久しぶりにカラオケに興じました。オヤジのカラオケはボックスではなくて、スナックでとなりますが、これが妙な雰囲気があって良いんですね。
スナックでのカラオケは、居合わせたお客と何となく趣向を合わせて歌い継いでいくという、実に日本的なお遊びに見えます。歌った歌のジャンルだけではなく、お見かけの年代や話題からも次に歌う歌を決めるのは、実は歌を歌う以上に楽しいことなのです。その場の空気に相応しい歌を選べたときは、もう歌わなくても良いような気分になることさえあります。そして、少しばかりヘンな優越感とも、勝利感のようなものを感じるときもあるのです。だからと言って、「これなら、どうだ!」とばかりに相手を追い詰めるようなことをしては元も子もありません。また、不得意な分野になってしまったり、雰囲気に乗り切れなかったり、情勢が不利になったりしても、卑屈にならず、楽しそうに振舞うのがオトナの礼儀でしょう。そして、しっかり聴いて拍手を送るのは当然として、何と言っても相手を立てる、これこそが「粋と言うものよ!」ということになるのでしょう。
この心意気は、連歌や茶道、華道にも通ずるものがあるように思えて、芸道として確立してくれたらなと願っています。早来の妄想は、日本史の年表に「このころカラオケ道成立」という一行が加わることです。

00:15:00 | datesui | |
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