Archive for 22 May 2006
22 May
#68.ザルツブルク?
御一行様の市内観光は解散になり、自由行動になった。この日のザルツブルクは雨で、傘を持つのがめんどうだった。ガイドブックを見るとき、写真を撮るとき、なにかと邪魔になった。だが、ザルツブルクの旧市街の街並みは、雨の不便はあっても、濡れてなお一層輝きを増していた。その中心がゲトライデ小路で、中ほどにモーツアルトの生家がある。通りは昔のながらのお店がある一方で、現在の生活を支える店も同居している。建物から張り出た伝統的な意匠の看板が店の職種を示していた。日本の杉の葉を束ねたものが酒屋を表すような趣向である。ザルツブルクはこじんまりとしているので、通りはやがて終りになる。引き返すのが少しも億劫にはならないほど、歩いて飽きない通りだ。また、来た道を逆に歩く。2日に一度は雨がふるザルツブルクだそうだ。今、モーツアルトと同じ雨に打たれたいる。右側の写真の左の奥、黄色い建物がモーツアルトの生家。オーストリアの国旗模様の長い垂れ幕が降りている。
ゲトライデ小路のお店の看板は時代に鍛えられた美しさがある。マックでさえこの通り。
その、ゲトライデ小路から瀟洒な通りに入ると、ジグムント・ハフナー通りだ。通りの名前を聞いてドキドキした。モーツアルトのパトロンで、ザルツブルクの市長まで務めた名士ジグムント・ハフナーだ。早速、聞いたことのあるメロディーが浮かんできた。35番ではなく、ハフナーセレナーデの第7楽章のメヌエットが耳の奥に響いてきた。いつかどこかで合奏したことがあるような錯覚に陥るメロディーだ。ちょうど良いぐあいのヘタクソ同士で合奏しても楽しくなれる曲だ。良い気持に浸りながら歩くと、この通りは高級ブティックが軒を連ねている。フェラガモの入っている店がザルツブルク名物のレインコートの有名店だそうだ。名物の話を日本で出発する前に聞いていれば、購入計画やフトコロの用立てもしてきたのにと悔やまれる。しかも、雨はまだ降り続いている。
ジグムント・ハフナー通り。とても瀟洒だ。オトナのハプスブルグを感じる。
ザルツブルクは小さな街なので、少し歩くと同じところに何度も出る。レジデンスの横を抜け、しばらく歩くとサンクトペーター教会へ着いた。ここに、サウンド・オブ・ミュージックに出てきたきれいな墓地がある。西洋の墓地は見ても楽しいので、パリなどでも墓地へは結構足を運ぶ。どうやら、このお墓が一番かななどと思いつつ墓地を後にした。
大聖堂の脇を通って、全然似ていないモーツアルト像のあるモーツアルト広場から引き返して、レジデンツ広場の隅にあるお菓子の名店「フュルスト」に入る。元祖モーツアルト・クーゲルは、1890年来の格式を保っているそうだが、もうひとつの名物のトルテをいただく。ついでに飲み物は、ウィーンまでとっておこうと思っていたが、ウィンナーコーヒー、アインシュペンナーを所望した。飲んでいると家内が誰かに挨拶をしている。ツアーの仲間だ、彼らも一服入れに来たようだ。しばらくすると、もう一組仲間が現われた。入口近くの席に座っていたものだから、外から私どもを見つけて、入ってきたらしい。○○さんも2階にいますよ、なんて言っていたら、さらにもう一組が加わった。今日は再集合がないが、するとしたら最適のお店だったようだ。
広場の一角で縁台将棋ならぬ、街頭チェス。こちらの建設現場もモーツアルト生誕250年かと思ったら、7月下旬のザルツブルグ音楽祭の野外開場の設営だそうだ。
サウンド・オブ・ミュージックでマリアたちが逃げ込んだ墓地。狭くてすぐ見つかりそうだ。そこで見たイチオシのお墓。
さしずめ一行の連絡所になったフュルスト。雨でなかったら白い椅子で外で、それこそ一行のインフォメーション・センターになっただろう。
06:00:00 |
datesui |
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