Archive for August 2007

10 August

#257.長い過去に短い歴史

今週はサマースプリントシリーズの第3戦、北九州記念だ。正しくは、テレビ西日本賞北九州記念というらしい。何でも昭和41年(1966年)に創設されたとのことで大変古いレースだ。だからと言って由緒あるレースかと思うとそうとは言い難い。

最初のレース名は北九州記念だったが、創設の4年後にテレビ西日本が賞を贈り現在の名前になった。また、レースの条件もJRAにありがちな退屈な変遷を辿っている。創設当初はお決まりの2000mのハンデ戦だが、わずか3年で1800mに変更され、さらに3年後の47年から別定戦になった。その後、別定の1800mを長いこと経て、平成18年と言うから去年、突然1200mに短縮されたレースで、夏の短距離戦としての歴史はわずか1年ということになる。

よくやっと様になってきた学術分野を卑下して「長い過去、短い歴史」というが、そんな感じのレースだ。
さて、出走は16頭、データベースはどんな評価だろうか。

             Wsc   Rsc RRs RTs MxT DfWL   Asc  Hsc  L3T 
◎ メイショウトッパー  69.6   48  57  56  70   2.8   1.9  1.0  61
○ アストンマーチャン  65.9   54  63  52  72  −0.3   2.3  0.5  48
▲ カノヤザクラ     59.0   48  57  51  67  −1.5   1.3  0.6  51
△ スピニングノアール  58.6   51  51  62  76  −2.8  −1.2  2.9  66
△ シルヴァーゼット   55.3   44  47  57  76  −2.7   2.3 −0.9  48
△ タニノローゼ     55.2   37  45  53  71  −0.8   3.3 −3.2  48
  ワイキューブ     54.1   34  45  52  66  −0.5   1.7  0.2  39
  サンアディユ     49.7   37  43  54  79  −4.0   2.9 −2.1  39
  キョウワロアリング  48.9   42  46  47  67  −3.7  −1.2  3.5  61
  アルーリングボイス  45.6   40  42  54  62  −4.7  −0.9  1.2  42
  ゴールデンキャスト  44.2   46 30  56  71  −5.1  −0.4  1.2  62
  テイエムチュラサン  42.1   36  31  55  71  −4.8   3.4 −5.6  48
  ニホンピロブリュレ  41.2   34  33  54  63  −5.1   1.2 −0.3  48
  エムエスワールド   40.5   34  30  51  68  −4.9  −0.2 −0.3  47
  モンローブロンド   36.9   36  31  49  73  −7.3   0.9 −2.5  51
  ギャラントアロー   33.2   38  29  36  62  −6.6   4.1 −6.8  47

   ・Wsc  :ウィニング・スコア→上位入着の可能性を示す総合指標で以下の指標から算出
   ・Rsc  :実績→過去3年間の実績を示す
   ・RRsc :最近の実績→6か月以内の直近3レースの実績を示す
   ・RTsc :タイム→最近のレースでの走破タイムを示すスコア
   ・MxTsc :最高タイム→過去3年間でのタイム偏差値の最高を示す
   ・DfWL :勝っぷり→勝った馬はどれだけ突き放したか、負けた馬はどこまで粘ったかを示す
   ・Asc  :先行力→先行した実績を示すスコアで、高いほど先行している
   ・Hsc  :末脚→上り3ハロンの馬群の中で相対的に前に出たか後退したかを示す
   ・L3Tsc:末脚?→上り3ハロンタイムの偏差値


◎メイショウトッパーと○アストンマーチャンが抜けた存在のようだ。タイムと勝負強さのメイショウトッパーに対し、3歳だがクラシックの実績が光るアストンマーチャンという位置づけになる。これに続くのが3歳牝馬の▲カノヤザクラで、G?では届かなかったがオープン特別の葵Sを勝って、意気上がるところだ。このあとは古豪の△スピニングノアールと△シルヴァーゼットだが、前走のアイビスサマーDではともにイマイチだったので、巻き返しが期待される。残りの△タニノローゼも前々走まで好調だったのに前走ミソをつけているので、ここはがんばりどころだ。


展開は、ギャラントアローが先手を取りたいところだが、往年の先行力に衰えがみえる。そこで、テイエムチュラサン、タニノローゼ、あたりもハナを切ることが想定できる。このあとに、サンアディユがつけて先頭集団になる。
2番手集団は、シルヴァーゼット、アストンマーチャン、メイショウトッパー、ワイキューブ、の4頭がかたまることになる。
中段は、カノヤザクラ、ニホンピロブリュレ、モンローブロンド、が前の方につけて、後ろの方は、エムエスワール、ゴールデンキャスト、となる。
後方には、アルーリングボイス、スピニングノアール、キョウワロアリング、が控える展開が考えられる。

短距離戦でもあるので展開の妙は薄いが、小倉ならではの展開も期待したいところだ。小倉を知り尽くした佐藤哲三ならモンローブロンドで3角からの大マクリを見せてくれると嬉しいのだが。


21:33:36 | datesui | No comments |

04 August

#256.今年は馬場で荒れそう

今週は新潟のマイル戦、関屋記念を検討する。関屋記念も新潟を特徴付ける名物レースだ。記念と銘打ったレースであるから競馬場を示すものだ。しかも現在の競馬場名ではないので、昔の競馬場の名残ということになる。宝塚記念を筆頭に、目黒記念、鳴尾記念、という記念のつくレースに根岸ステークスと、レースの名前が挙げられるが、あちらこちらに競馬場があったことが偲ばれる。関屋もそのひとつなのだ。その関谷は新潟市の西に位置し、海水浴場としても有名なところである。
現在の新潟競馬場は新潟市北区にある。実は、去年までは東隣の豊栄(とよさか)市にあった。では、競馬場が新潟市に移動してきたのかというと、新潟市が日本海側初の政令指定都市になったとき、東隣の豊栄(とよさか)市が新潟市に抱き込まれ、そのとき豊栄市が消滅し新潟市北区になったわけだ。関屋は新潟市の西寄りになるが、新潟競馬場は東端に位置することになる。

夏競馬の真っ最中でもあることから、秋へのつながりが半端で参加してくるメンバーはひとつ小粒だ。そのせいか、結構荒れる。単勝が4桁なんてことも相当な頻度で見られるから、その気持ちの方も十分楽しめそうだ。気になるのは、新潟の特長である芝コースが良くないのだ。開催間際の雨で傷んだ馬場は回復されることなく4週目に入るわけだが、内は相当掘れたように凸凹だ。この1週間も雨が多かったので、あまり期待はできない。31秒台の期待はとても無理で、32秒台も後半か、33秒台ということも考えられそうだ。馬場とともに馬券も荒れそうという関屋記念になりそうだ。


              Wsc   RRsc RTsc  DfWL   Asc  Hsc L3Tsc

◎ アンブロワーズ     69.3  58.6 63.5   0.6   0.3 −1.1 44.7
○ シンボリグラン     65.8  63.0 54.5  −2.5   0.2  1.4 50.7
▲ マイケルバローズ    61.9  48.8 65.3  −1.3  −1.0  2.2 52.5
△ インセンティブガイ   58.9  47.8 63.7  −3.0   1.5 −2.0 52.9
△ カンファーベスト    58.0  48.9 53.4  −2.5   0.3 −2.4 48.1

  ニシノナースコール   54.0  46.4 52.9  −2.5  −1.0  4.9 51.2
  アポロノサトリ     52.4  49.8 52.1  −3.7   0.1  2.0 50.7
  グレイトジャーニー   51.9  42.2 52.2  −3.7  −1.0  2.0 55.3
  センカク        50.2  47.2 54.4  −2.4  −0.4  0.8 35.7
  カンパニー       49.9  48.1 42.5  −3.3  −0.8  0.3 42.8
  ピサノパテック     49.1  48.2 52.0  −2.9  −0.2  2.2 41.4

  ヤマニンアラバスタ   44.9  32.5 44.8  −3.5  −0.6  1.5 59.6
  ツルマルヨカニセ    44.7  39.2 53.5  −4.5   0.3 −0.9 43.9
  ダイワバンディット   41.7  30.7 56.1  −4.7   2.1 −1.9 45.5
  ストーミーカフェ    40.6  46.0 53.9  −5.1   2.7 −5.2 25.9
  スクールボーイ     39.6  30.1 45.2  −4.7   0.8 −0.7 55.2
  ゴールドアグリ     35.1  32.1 48.5  −6.0  −0.4  0.5 49.7
  ロードフラッグ     32.1  32.9 44.8  −5.9   1.1 −2.8 40.6

   ・Wsc  :ウィニング・スコア→上位入着の可能性を示す総合指標で以下の指標から算出
   ・RRsc :最近の実績→6か月以内の直近3レースの実績を示す
   ・RTsc :タイム→最近のレースでの走破タイムを示すスコア
   ・DfWL :勝っぷり→勝った馬はどれだけ突き放したか、負けた馬はどこまで粘ったかを示す
   ・Asc  :先行力→先行した実績を示すスコアで、高いほど先行している
   ・Hsc  :末脚→上り3ハロンの馬群の中で相対的に前に出たか後退したかを示す
   ・L3Tsc:末脚?→上り3ハロンタイムのスコア


牝馬、好調ということで、格下だが牝5歳関東馬のアンブロワーズが◎になった。○は格からシンボリグランとなったが、格だけで押し切れるかどうかが注目だ。最近のタイムなど、内容が伴っていない。
▲のマイケルバローズは前走でケチをつけてしまったが、それまでは日の出の勢いだった。建て直しがきけば、かなりの勝負になるだろう。△のインセンティブガイは、逆に成績が上がらなかったが、前走は復調と見ていいのかもしれない。タイムも優秀で、マイル戦には好都合な状況だ。去年、単勝6830円の覇者カンファーベストは△だが、その後は下降気味でそのままの久々になる。2連覇になったらかなりの好配当になるかもしれない。


展開は極めて微妙で考えにくい。強力な逃げ馬が見当たらないが、ストーミーカフェ、ダイワバンディット、インセンティブガイ、が先行しそうだ。これに、ロードフラッグ、スクールボーイ、を加えた5頭が先行集団を形成しそうだ。
中段は、アンブロワーズ、カンファーベスト、ツルマルヨカニセ、シンボリグラン、アポロノサトリ、ピサノパッテク、センカク、ゴールドアグリ、の8頭が緩やかな集団つくる。
後方だが、ヤマニンアラバスタ、カンパニー、マイケルバローズ、ニシノナースコール、グレイトジャーイー、が控える位置取りになるだろう。

新潟のマイルは前半に長い直線がある。逃げ馬不在なのでスローペースになるが、コーナーのない単調なコースでの神経戦の様相になる。難しい手綱さばきが要求されるが、3年前のブルーイレブンのように性格に欠点のある馬でも勝つことができるのだから、このような展開は逆に作用することも考えられる。
馬場の回復を願いつつ、秋の活躍を期待できそうな好レースになることを祈る次第である。


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