Archive for 17 April 2008

17 April

#386.力の差より展開と雨

三冠レースの第一弾、皐月賞の始まりだ。本家英国での三冠第一弾は2000ギニーで、最も速い馬が勝つと言われている。芝の1マイル、1600mで争われるので速い馬が好条件なのだろう。日本の場合は少し様子が異なって、芝2000mだ。そのため、単に速いだけではなく競走馬としての幅広い素質が要求されているようで、皐月賞の勝ち馬からは種牡馬としても成功事例も多い。

本命不在、中心馬不透明などと言われたクラシックだが、時が来てしまえば皐月賞も仕方なく始まってしまう。不思議と言えば不思議だが、混戦は混戦なりに序列はできてきて、◎や▲などが例年通り並ぶことになる。データベースも相対評価によるWscを事務的に弾きだしてきている。

ただ、残念なことが起きた。データベースが秘かに推奨していた惑星馬、アドマイヤコマンドが最後の抽選で負けてしまったようで出走できないことだ。2頭に1頭の抽選に負けるとは運のない馬だが、今後にあとを引かないことを祈るばかりである。
だが、そこはデータベース、アドマイヤコマンドのことは忘れ去って以下の18頭のスコアを提示してきた。

【 Wscランキング:皐月賞 】
◆Wsc: 63.4 マイネルチャールズ R= 71、 RR= 68、 RT= 32、 D= 0.5、 A= 0.9、 H= 3.1
◆Wsc: 61.7 キャプテントゥーレ R= 54、 RR= 68、 RT= 45、 D= -0.9、 A= 1.0、 H= 0.6
◆Wsc: 60.3 スマイルジャック  R= 50、 RR= 68、 RT= 42、 D= 0.1、 A= 1.1、 H= 3.0
◆Wsc: 60.2 タケミカヅチ    R= 50、 RR= 68、 RT= 45、 D= -0.7、 A= 0.0、 H= 3.0
◆Wsc: 58.4 ショウナンアルパ  R= 53、 RR= 63、 RT= 42、 D= -0.3、 A= 2.9、 H= 0.9
◆Wsc: 56.0 ドリームシグナル   R= 45、 RR= 63、 RT= 46、 D= -1.3、 A= 0、 H= 1.8
以上がWsc55以上の推奨馬。
◇Wsc: 54.4 レインボーペガサス R= 45、 RR= 56、 RT= 43、 D= -0.7、 A= -0.2、 H= 4.3
◇Wsc: 54.0 ブラックシェル    R= 56、 RR= 56、 RT= 39、 D= -0.4、 A= -1.4、 H= 5.4
◇Wsc: 52.0 ノットアローン    R= 47、 RR= 54、 RT= 46、 D= -1.6、 A= 1.5、 H= 1.4
◇Wsc: 51.9 ダンツウィニング  R= 52、 RR= 59、 RT= 40、 D= -1.1、 A= -0.1、 H= 0.7
◇Wsc: 50.5 スズジュピター   R= 47、 RR= 58、 RT= 45、 D= -3.1、 A= -0.5、 H= 1.7
◇Wsc: 48.7 レッツゴーキリシマ R= 36、 RR= 57、 RT= 43、 D= -2.2、 A= 0.7、 H= 1.2
◇Wsc: 43.2 フサイチアソート  R= 41、 RR= 45、 RT= 41、 D= -2.4、 A= -1.1、 H= 4.5
◇Wsc: 41.8 スマートファルコン R= 34、 RR= 47、 RT= 49、 D= -3.6、 A= -1.1、 H= 5.9
◇Wsc: 41.4 ベンチャーナイン  R= 44、 RR= 48、 RT= 35、 D= -3.3、 A= -1.3、 H= 4.9
◇Wsc: 41.1 フローテーション  R= 46、 RR= 50、 RT= 28、 D= -2.9、 A= -0.5、 H= 1.3
◇Wsc: 37.5 サブジェクト    R= 41、 RR= 45、 RT= 34、 D= -3.8、 A= 0.3、 H= -0.6
◇Wsc: 23.6 オリエンタルロック R= 36、 RR= 31、 RT= 29、 D= -6.0、 A= -1.6、 H= -0.2

   ・Wsc  :ウィニング・スコア→上位入着の可能性を示す総合指標で以下の指標から算出
   ・Rsc  :レースの実績→過去1年6か月を遡ったレースの実績を示す
   ・RRsc :最近の実績→6か月以内の直近3レースの実績を示す
   ・RTsc :タイム→最近のレースでの走破タイムを示すスコア
   ・DfWL :勝っぷり→勝った馬はどれだけ突き放したか、負けた馬はどこまで粘ったかを示す
   ・Asc :先行力→先行した実績を示すスコアで、高いほど先行している
   ・Hsc  :末脚→上り3ハロンの馬群の中で相対的に前に出たか後退したかを示す


【 展望 】
王道を勝ち進むヒーローが出ないまま、ついに皐月賞の本番になってしまった。最後の伏兵馬として期待されたアドマイヤコマンドも抽選に負けてゲートインすらできなくなってしまった。こうなると、ここまでたどりついたメンバーの実績をつぶさに吟味して、丁寧に比較検討していくしかあるまい。
すると実績と安定性からマイネルチャールズが最有力となる。もっとも中山の芝2000mを3連勝しているので、この評価は当然でもっと早い時点で当確情報が出ても良かったはずである。これに次ぐ2番手勢力がキャプテントゥーレ、スマイルジャック、タケミカヅチの3頭になる。3番手勢力としてはショウナンアルパ、ドリームシグナルの2頭で、ここへ来て不安面もあるが圏内にいることは確かだ。

上位の6頭は、対戦はあるものの勝ったり負けたりの状態で、連勝がない。また、戦績の良いマイネルチャールズはタイムが悪く、タイムに見込みのあるキャプテントゥーレは戦績に弱みがある。このように内容的にもデータの取捨選択が難しく、ここでは総合的な指標Wscでの判断に委ねるのが妥当だろう。


【 展開 】
枠順が微妙だ。先行集団を形成しそうなショウナンアルパ、ノットアローンが外枠になった。この2頭が内枠を引けば、スンナリ逃げ、先行を形成したろう。
そこで、先頭集団として4頭をあげる。ショウナンアルパ、ノットアローン、スマイルジャック、キャプテントゥーレだ。枠順とスタートの具合で位置取りが少しずつかわるだろうが、この4頭が前を行くことは間違いないだろう。
続いて中段の前の方にはマイネルチャールズ、レッツゴーキリシマ、中段の中ごろにサブジェクト、ドリームシグナル、タケミカヅチ、ダンツウィニング、レインボーペガサス、中段の後ろの方にフローテーション、スズジュピター、スマートファルコンが進むことになる。
後方に控えるのはフサイチアソート、ベンチャーナイン、ブラックシェル、オリエンタルロックだ。

強力な先行馬が不在で、各馬とも様子を見ての先行になると思われるのでペースは遅くなるだろう。また、先週、今週の雨で中山の馬場は相当程度に渋っているので、後ろから行く馬はどうしても早めに動かざるをえなくなるだろう。すると3コーナー、4コーナーでのゴチャツキが意外な結果をもたらすかもしれないので、優勝馬は中段の前の方を無理せずに進めた馬ということになると思われる。
推奨馬の6頭のいずれかがこの恩恵に浸りそうだが、マイネルチャールズ、キャプテントゥーレはこの点からも有力馬だ。


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