Archive for 14 December 2008

14 December

#497.今年の野球は楽しかった −2008年を振り返って?−

12月になると今年を振り返りたくなる。だが残り少ないとは言え、今年はまだ残っているので、もう少し様子を見ないことには振り返れない分野もあるだろう。そこで、もう大丈夫というところはというと、プロ野球が該当しそうだ。そこで今年のプロ野球だが、かなりおもしろかったといえる。巨人の劇的な追い込みも見事だったし、西武の溌剌とした快進撃も目を楽しませてくれた。だが、楽しくはなかったが北京オリンピックは、日本プロ野球の妙な体質を露呈した重要な問題を提起したと思える。

まずは日本一になった西武だ。一年生監督の渡辺久信の前評判だが、それは極端に低いものだった。西武のBクラスが固定化されるのではないかという心配も浮かんだ。だが、これも杞憂だった訳だが、杞憂を超えておつりがくるほどの見事な優勝だった。デーブ大久保コーチの指導も見事で、12球団で最大の破壊力を持つ打線が出来上がった。中島、片岡、GG佐藤、中村らのノビノビとしたスイングは、バットでボールを打つという野球の原点を教えてもらったようだった。最初は勢いと思っていたが、日本シリーズでの追い込まれてからの2連勝は優勝争い常任メンバーの認定と思える。来年も十分いけそうな気がする。
パリーグではソフトバンクの低迷、ロッテはモタつき、日ハムは故障者も多かったが一年を通じて日ハムらしさが出ずじまいだった。善戦したのが楽天とオリックスだ。楽天は戦力の層が薄く終盤の息切れになってしまったが、沢村賞の岩隈の存在はチームに希望を与えたことだろう。
さて、今年のパリーグでの特記事項はオリックスの急躍進だろう。開幕前から最下位が定位置のように思われていたオリックスだが、開幕してからも期待通りの最下位を独走していた。夏にはコリンズ監督が更迭され、大石大二郎が後任に座った。正直、貧乏くじに思えた人事だったが、大石はその責務を見事に果たし、終わってみれば堂々2位の成績を収めた。住友平を始めとする周囲も大石を良く支えたが、思わず唸ってしまうほどの成績だ。
渡辺久信と大石大二郎はもう一度でも結果を出せば、名監督の仲間入りも架空の話ではなくなりそうだ。

セリーグは巨人が戦力の大きさを発揮して優勝したが、力があっても簡単に出るものではないので、原監監督の手腕も評価しなくてはならないだろう。その逆が阪神だ。優勝の2文字がチラついてから失速した。戦力は十分だったはずなので慢心か。これは監督の責任だろう。中日は戦力に減価償却がきている。今年の成績が上限とお思えるので、大幅な入れ替えをしないと来年は大変な結果になりそうだ。
横浜は論外、ヤクルトもつまらないシーズンだったが、善戦は広島だ。とくに栗原を褒めたい。新井が抜け急遽4番の重責を担うハメになったが、見事にこなしたといえる内容だった。若い戦力も育ち、来年が楽しみだ。

北京とWBCは今のプロ野球の根幹の問題があるが、少々疲れてきた。この件は、稿を改めてのこととさせていただく。


01:14:31 | datesui | No comments |