Archive for 21 June 2008

21 June

#415.牝馬の季節

21日からの競馬は夏モードだ。函館にも開催が移り、3か月あまりの北海道競馬が始まることになる。また、福島競馬も開催され、このあとは新潟、小倉そして北海道の2会場が夏の主戦場になる。一方、宝塚記念のある阪神の1開催を除いて中央場所は長い休みに入る。

この夏競馬の始まりを告げる重賞レースが今週のマーメイドステークスなのだが少々影が薄い。来週が宝塚記念ということもあろうが、夏はオフシーズンという感覚や牝馬限定ということもあり、関心がイマイチなのだろうか。
マーメイドSは1996年に創設された比較的新しいレースだ。芝の2000mに、前述したように3歳以上の牝馬によるハンデキャップ戦だ。開設当初は別定戦だったが、2年前からハンデキャップ戦に変更され、格下の馬の挑戦もしやすくなったものと思われる。逆に言えば、夏期の重賞の出走頭数減対策かも知れない。

だが、本来は出走ラッシュがあってもおかしくないはずで、なんとなれば夏は牝馬の季節なのだ。「牝馬は夏に強い」という俗説もあるが、データを辿ると、6〜8月、3か月の牝馬の勝率は通年の勝率と比べて高くなっていて、特に8月は統計的有意差の出るほど顕著な結果になっているのだ。この事実を競馬関係者がとらえていれば、この時期に牝馬のレースで出走頭数減など心配する方が不思議なことなのだが、競馬界での「牝馬と夏」についてはどんな認識なのだろうか。

さて、G?の余韻がまだ残っている気持ちでのハンデ戦の検討は調子が出にくいのだが、ハンデの影響が出る出ないの判断が難しい。概してハンデの重い方はマイネスとして出るようだが、軽い方がはっきりしない。特に、極端に軽い方は、いくら軽くしてもらってもそれ以上速く走れる訳がないのだから、当然と言えば当然だ。ただ、この辺りはデータを精緻に検討して申し上げることがらなので、データ分析をして場を改めてお知らせしたい。

【 Wscランキング : マーメイドS 】<阪神10レース>
◆Wsc: 60.7 ベッラレイア     R= 57、 RR= 62、 RT= 51、 D= -2.7、 A= -.4、 H= 3.9
◆Wsc: 60.2 ザレマ        R= 44、 RR= 64、 RT= 53、 D= -1.6、 A= 1.4、 H= .6
◆Wsc: 59.2 ブローオブサンダー R= 30、 RR= 41、 RT= 48、 D= 4.1、 A= 2.8、 H= 0
◆Wsc: 58.6 サンレイジャスパー R= 48、 RR= 52、 RT= 48、 D= -.7、 A= -.7、 H= 3.4
◆Wsc: 55.9 ウインシンシア   R= 47、 RR= 49、 RT= 48、 D= .1、 A= -1.5、 H= 5.5
以上が、Wsc55以上のデータベースの推奨馬。
◇Wsc: 54.7 ソリッドプラチナム R= 41、 RR= 47、 RT= 52、 D= -1、 A= -1、 H= 3.3
◇Wsc: 52.7 ブリトマルティス  R= 41、 RR= 50、 RT= 47、 D= -1、 A= .7、 H= -.4
◇Wsc: 51.0 ホウショウループ  R= 37、 RR= 50、 RT= 47、 D= -.6、 A= -.4、 H= 2.4
◇Wsc: 42.6 トウカイルナ    R= 29、  RR= 37、 RT= 50、 D= -2.4、 A= -.8、 H= 4.2
◇Wsc: 37.3 ピースオブラヴ   R= 36、 RR= 41、 RT= 51、 D= -5.3、 A= 1.7、 H= -.5
◇Wsc: 34.6 トーホウシャイン  R= 35、 RR= 40、 RT= 44、 D= -5.7、 A= -1.9、 H= 3.7
◇Wsc: 32.5 レインダンス    R= 43、 RR= 33、 RT= 42、 D= -6.5、 A= .7、 H= .7

   ・Wsc  :ウィニング・スコア→上位入着の可能性を示す総合指標で以下の指標から算出
   ・Rsc  :レースの実績→過去1年6か月を遡ったレースの実績を示す
   ・RRsc :最近の実績→6か月以内の直近3レースの実績を示す
   ・RTsc :タイム→最近のレースでの走破タイムを示すスコア
   ・DfWL :勝っぷり→勝った馬はどれだけ突き放したか、負けた馬はどこまで粘ったかを示す
   ・Asc :先行力→先行した実績を示すスコアで、高いほど先行している
   ・Hsc  :末脚→上り3ハロンの馬群の中で相対的に前に出たか後退したかを示す


【 展望 】
実績からベッラレイアがイチオシだ。去年のクラシック戦線での活躍から大いに期待できそうだ。前走はヴィクトリアCで8着という結果だったが、これは去年の秋以来の久々だったので、このレースでは力が発揮できそうだ。2番手はザレマというにしたい。牝馬路線での堅実な好走が光るので、ここでも牝馬内での安定性が望めそうだ。3番手に抜擢がブローオブサンダーだ。現在2連勝。いずれも500万下だが、完勝、圧勝の内容だ。だが、ダート戦だったことを考えるとハンデを貰っても一抹の不安はある。
以下、サンンレイジャスパーは、前走は小倉記念勝ちだが、約1年の久々であること、またウインシンシアも前走は1000万下の有松特別快勝だが戦績は乱高下状態で安定を欠き、両馬とも注目はしたいが中心には据えられない。
Wsc下位の中からはブリトマルティスが2連勝で要注意かも知れない。だが、勝負に脆いところがあり、負けると着にも残らないので相手探しに向かないと思われる。

【 展開 】
逃げるのはブローオブサンダーだろう。次いでの追走組は、ピースオブラヴ、ザレマ、の2頭だろう。
中段は、レインダンス、ブリトマルティス、ベッラレイア、ホウショウループの4頭が占めると思われる。
そして、後方は、サンレイジャスパー、トウカイルナ、ソリッドプラチナム、ウインシンシア、トーホウシャインが控えることになるだろう。
12頭と頭数も手ごろなので、まとまった集団で動くことになり、決め手勝負というレースになりそうだ。


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