Archive for 07 September 2006

07 September

#143.汎化と分化

先日の「#137.虫視的ということば」に対して、仙台のA先生から素晴らしいご教授を賜りました。「汎化と分化」ということです。学習心理学でのことばで、梅も桜もともに花とするのが汎化、同じ花でも梅と桜の区別がつくようになるのが分化ということです。
小学校以来、汎化と分化は何度も繰り返し習ってきたのですが、汎化はくどいように教わった記憶がありますが、それに引き換え分化は分化を意識して教わった記憶がありません。先日も書いたのですが、「ナシ、モモ、リンゴ」というと、「くだもの」と直されたり、「クマ、イヌ、サル」といえば「どうぶつ」とか「けもの」と直された記憶が甦ります。
ところが、花の名前、動物の名前などを教わることは何度もあったのですが、分化ということを意識して教わってはいなかったようです。単に知識を増やすということで終ってしまって、汎化の反対の概念であるということはないままでした。逆に、汎化は現在の知識がそのまま使えないということもあり、汎化ということばとは別に、煩わしいこととして身についたようです。
学校のお勉強の良くできた方々は汎化が得意です。このような人たちはお役所に多くいるせいか、お役所の文章は汎化に満ちています。童話の『さるかに合戦』も、「さるがかにの柿を食べた」というところを、「ある哺乳類が、ある甲殻類の果実を食べた」となるのかも知れません。


06:00:00 | datesui | 1 comment |