Archive for 13 December 2006

13 December

#173.身近になって −振り返れば2006?−

今年の漢字という例年のイベントでは、「命」が選出された。命の大切さが話題になるという極めて異常な年だったと思える。特に、幼いの命や若い命が蔑ろされ、理不尽な奪われ方や短絡的な喪失状況の報道には、こころを痛めた人も多かったと思える。

今まで、命は大切と漠然とは感じていたが、これほど命についての事件が起きると、さすがに無関心ではいられなくなる。機会があれば、何かの力にでもなろうかという気持ちさえ湧いてきた。

だが、何と言っても今年は、自分自身に降りかかる命の事件が起きた。
10月に心臓の手術をしたことだ。以前から心雑音があったのだが、自覚症状のないのをいいことに放っておいたら、ついに具合がわるくなってしまった。慌てて病院へ飛び込んだわけだが、丁寧な検査と慎重な診断の結果、1個の心臓に5か所も手術を行なうことになった。
10時間に及ぶ大手術だったが無事完了し、開始14時間後に目が覚めたときは、何が起きたのだろうという意識だった。見れば、身体全体チューブや電極に包まれ、生きているというより、生かされている状況だった。集中治療室から病室に運ばれ、チューブやドレンなどの付属物が減ってくると、やっと生きている感触を覚えるようになった。

そして、術後2か月が過ぎた。ありがたいことに、術後の回復も順調で、手術の効果も少しずつだが感じられるようにさえなった。まさに命の大切さを感じているのだが、感じてはいるものの考えるのは意外と難しい。命の大切さとは、漠然とではなく具体的にはどんなことで、どうすればいいのかを、考えてはみたが簡単に結論が得られるものではなかった。60年間も考えたこともなかったことなので、余計難しくなっているのだろう。もっと早く考えておくべきだった。


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