Archive for 28 June 2006

28 June

#95.変わってきた

この数年間の月課として美術館と映画館へ足を運ぶことにしている。この2つの施設は近年、改革というか、良い方向に変化してきている。

映画館の変容は言わずと知れたことで、スクリーン自体が増えたそうだが、まず座席の改良に眼が行く。前に異常に座高の高い人や極端に頭の大きい人が来てもスクリーンが見えなくなる心配はほとんどなくなった。以前のような座席のときは、頭が重ならないように後方の端っこの座席を確保したものだったが、もうそんなことはしなくて済みそうだ。
だが、一度ついた性癖はちょっと考えたくらいの簡単ことでは変わることがなく、相変わらず後方の端っこをめがけて座ってしまう。指定席のときでも後方の端っこを探してしまうのが何とも悲しいことなのだ。だいたい端っこはペア席なので、知らないで指で差したりすると、「ペア席です」なんて言われて気まずい思いをする。首尾よく後方の端っこがとれても、ガラガラの状態だったりすると、何でこんな席を選んだのだろうと、我ながら変り者を褒めてあげたくなる。
もうひとつは定員入替制で、立ち見になることがなく安心して鑑賞できるのはありがたい。この方式になって少し遠くの小屋にも足を運ぶ気になれ、鑑賞の幅も広がった。映画館の評価もこの定員入替制をとらずに、お客を廊下に並ばしているところはネットでの評価が極めて低くなっている。

次は美術館だ。美術館は素晴らしい所蔵品が増えることが一番嬉しいが、それは一番難しいことなのだろう。副二次的だが、レストランとショップが充実してきた。レストランの評判が有名になったのは世田谷美術館が東京圏では最初のような気がするが、いやいやどこもかしこも力を入れてきた。それも国立系の美術館が眼を見張る変化を見せているのだ。
上野の西洋美術館はモネの所蔵が自慢なのか、「すいれん」という名のレストランは美術鑑賞をしなくても利用できる。中庭のケヤキとイチョウの大樹を見ながらのオススメは、800円の生ハムサンドウィッチだ。芸大美術館はホテルオークラ系なので、上野で多い精養軒系とは味が少し違う。カレーライスを食べ比べるのが早いと思う。竹橋の近代美術館もメニューが少し良くなった。おまけに近所の如水会館もチラシを配ってランチの案内をしている。私立系では、東京駅八重洲口のブリジストン美術館のティールームも喫食だけの利用ができる。少し高めだが、2時間ほど粘ってみたが居心地はとても良かった。渋谷のbunkamuraミュージアムは、隣りにサルトルも通ったパリの有名なカフェのデュマゴがある。バゲットのサンドウィッチなどいかがだろうか。
レストランと並んでショップもおもしろくなった。まずはポストカードで、実際に見たものをもう一度確認でき、買って帰れば3回楽しめることになる。たくさん貯まってくれば、手元に美術館ができることになるし、自分で企画展も開ける。企画案内などを作って、悦に入ってみるのはお金も掛からないし、高尚な趣味だと思うが、でもちょっとみみっちいのが嫌だね。
もうひとつは一筆箋。メモ代わりにするが、一言伝言をしたいときなど、ポストイットよりはオシャレと思っている。だた、芸術作品であるので、中には不向きなものもある。ピカソなんかは気をつけた方が良いと思う。海外では、オルセー美術館のマネの『オランピア』のチョーカーが有名だが、日本の美術館もこのような名物を早く排出して欲しい。


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