Archive for January 2008
31 January
#346.可処分時間
風邪気味の日が2、3日続いていたが、ついに具合が悪くなった。とは言っても寝込むほどではないので、ゴロっとしてみた。意外と気持ちがいい。これならもっと早くゴロっとしてみるのだった。こうして3、40分経っただろうか。さて、起きてやることもあるし、やりたいこともある。いや、もう少し居心地の良い状態でいてみよう。そうだ、今日は思いっきりゴロっとしてい続けてみよう。こんなことはめったにない、めずらしいことだから、飽きるまでゴロっとしてみるのだ。
という訳で、今日は何もしないでゴロっとして1日が終わろうとしている。実に贅沢な気分だ。
16:20:28 |
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28 January
#345.無力の中で
今日は渋谷のシナマライズへ出掛けてフランス映画『ペルセポリス』を観てきた。ペルセポリスとは古代ペルシャ、アケメネス王朝の首都だ。だが、ペルセポリスが出てくる訳でもなく、イランでのお話という意味での使用だろう。いわゆるイスラム革命からイイ戦争、そして今の政権に至るイランの混乱の中で成長する少女の身の回りで起きる理不尽な事件を通して政治の不可解を問いかけている作品と思えた。帝政時代に政治犯だった少女の叔父はイスラム革命で釈放されるが、再び新政府に政治犯で捕まってしまうというような不思議な事が起きる。革命が起きても政治は変わらず、抑圧と密告が続くのだ。という暗澹たる内容なのだが、救いは少女のおばあさんが素晴らしかったことだ。知的で信念があり、しかもおしゃれだった。おばあさんが良い匂いするのは毎朝ジャスミンの花を摘んでブラジャーに忍ばせているとのことだ。こんな混乱のときでも自分を失わず、しかも毎日のおしゃれを欠かさないのは本当にデキの良い人間なのだろう。
最後に成長した少女は国を出るが、両親から「ここはおまえのいるところではない」とまで言われてしまうのだが、イランの人はどう思ったのだろう。制作したのはフランス人だから何とでも言えるが、当のイランの人なら国を棄てた逃散より戦う方を選ぶのではなかろうか。
この作品のように力の及びようもない形で国が変ってしまうのは不幸なことだ。だが、ひょっとして私たちの国も見かけは穏やかだが、実はとんでもないことになってはいないだろうか。
22:50:18 |
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25 January
#344.早、1か月
先回、細江純子を褒めた。細江と言えば牧原由貴子を忘れてはなるまい。結婚して増沢姓になったが、今も堂々現役だ。パドックでカラ馬が周回しているとき、増沢由貴子の乗る馬には赤いサドルが載っていて、見る眼を楽しませてくれる。先週も成田特別でナスケンウインドに騎乗して、16頭立て16番人気だったが、後方から追い込み7着に食い込んだ。善戦と言えば善戦だ。好成績を挙げるには大変だろうが、ぜひとも現役を続けて欲しいと願っている。さて、早いもので年が明けてから最初の月の競馬が終わろうとしている。中山は最終週に入り、伝統のアメリカ・ジョッキー・クラブ・カップ、略してAJCだ。競馬を始めた40年ほど前のAJCは有馬記念の再戦というような豪華メンバーでレースをしていたような記憶がある。もっとも当時はG?などという言葉もなく、一流馬が一流馬として扱われてなかったようで、彼らでも出走回数はやたら多かった。内国産種牡馬の需要が弱く、引退後の種牡馬への期待など極めて低かったことによるのだろうか、一流馬でも30戦以上戦歴がザラだったのである。今が良いのかどうかわからないが、大物は暖かくなるまで休みに入ってしまうので小粒であることは否めない。
【 AJCC 】
◆67.0 エアシェイディ 抜群の実績、タイム
◆66.8 トウカイトリック 抜群の実績、タイム
◆63.4 ダブルティンパニー 勝負強さ、先行力
◆58.2 ブラックアルタイル 先行力
◆56.8 シルクネクサス 持ちタイム
以上がWsc55以上の推奨馬、下は50以上の参考馬。
◇53.8 ドリームパスポート
◇51.1 メイショウレガーロ
【展望】
準一線級のメンバーによるG?戦で、勝てればお得という感じである。生きの良い4歳馬も見当たらないので、ここへ来て力をつけてきたダブルティンパニーやブラックアルタイルがどんなレースをするかが見どころになる。迎え撃つ、といってもG?ホースでもないのだが、比較的成績安定のエアシェイディ、トウカイトリック、シルクネクサスが相手だろう。中でも、エアシェイディ、トウカイトリックは大崩れせず、ここでは安定勢力に近い存在といえそうだ。
【展開】
先行しそうなメンバーは、アドマイヤメイン、ゴーウィズウィンド、ブラックアルタイル、ダブルティンパニー、トウショウナイト、メイショウレガーロ、シルクフェイマスあたりだが、先頭を切りそうなのは先行の実績からはアドマイヤメイン、もしくは最近逃げて実績を上げているダブルティンパニーだろう。ただ、2頭ともここは勝ちに来ているので、無理をしてまで逃げることはしないだろう。
中段は、チェストウイング、メテオバースト、シルクネクサス、ドリーミーオペラが並び、後方は、ドリームパスポート、トウカイトリック、エアシェイディ、サンバレンティン、ブリットレーンというぐあいか。
15:54:05 |
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22 January
#343.クマグスとアース
今年最初のシネマ鑑賞は昨日観た『アース』だ。今年はCO2の年と思っているので少しは真面目な作品にしてみた。生きることが不器用なホッキョクグマ、ザトウクジラ、ゾウに焦点を当て、温暖化の逼迫した状況をお知らせしているのはよくわかった。環境が悪化しても小さな生き物はしたたかに生き延びる術を承知しているようだが、しわ寄せをまともに食らうのはむしろ大型動物なのだ。「生き残るのは強いものでも賢いものでもない、変化できるものだ」というダーウィンの言葉は、進化論や環境学の現場ではなく、CO2を吐き出している元凶である経営の現場で有名になっているのは何とも不思議だ。今日は『クマグスの森展』に出掛けた。クマグスとは南方熊楠(みなかたくまぐす)、博物学者であり、日本の民俗学を柳田国男とともに立ち上げた人物だ。これも今年最初のミュージアム行きだが、神宮前のワタリウム美術館へ散歩の延長というノリだ。多芸の熊楠だが、明治政府の神社合祀令に反対して鎮守の森を守ったことは初耳だった。小さな神社が潰され、鎮守の森が伐採されてしまうことへの阻止に奔走したそうだ。こうして鎮守の森は守られたそうだが、熊楠はエコロジーという言葉も日本に最初に紹介したそうだ。日本や海外で3000万本の植林をして「一番木を植えた男」として知られている宮脇昭が提唱している鎮守も森からのエコロジーの先駆が熊楠ではないかと思われたのである。
20:32:54 |
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21 January
#342.品格の山
本屋に行くと、藤原正彦の『国家の品格』が世に出てから、『〜の品格』という本がやたら眼につく。坂東眞理子の『女性の品格』などが出たときは、なーるほどと思ったが、次いで坂東眞理子が『親の品格』を出すに至っては調子の乗り過ぎではないかと思った。国家のことなら不特定多数が対象であるが、女性とか親になると自分のことで心配になったりしないのだろうか。それとも、よほど自分自身に自信があるのだろう。その他にも『会社の品格』、『日本人の品格』、『ハケンの品格』などが眼につき、品格関係の本はどれくらいあるのだろうか。そこで、アマゾンのサイトで「品格」で検索してみた。
止めておけばよかった。『ナントカの品格』という本だけでも、10や20は下らない。最初の2ページだけで21件も出てきた。先ほどの続きのような、『男の品格』、『父親の品格』があり、これは立場上あまり読みたくない。さらに『子供の品格』などという本もあり、今の子供は大変だと思う次第である。
『ハケンの品格』というヒットドラマがあったそうだが、同名のコミックもある。この広がりという訳でもないだろうが、『上司の品格』、『社長の品格』があるが、このへんは書きやすい本だろう。また、どういう加減か『腐女子の品格』という本も出ているが、誰に向かって何を伝えたいのか理解に苦しむ標題だ。
この先になると、『人間の品格』という恐れ入りましたというような題名になり、また『日本人の品格』は渡部昇一と岬龍一郎の2人の著者から出ていて、さぞかし修身めいた偉そうな内容なのだろう。これで人に対しては、行きつくところまでの感があるが、固有名詞も飛び出してくる。『池田大作の品格』というのも出ているようだが、内容はともかく大物の証だろう。
品格を求められるのは人間だけではなく、『会社の品格』、『企業の品格』という当然というような本もある。また、この固有名詞化されたものでは『トヨタの品格』があって、これは当然という気がするが、『ヤマダ電機の品格』に至ってはヤマダ電機も出世したものだという印象だ。
その他では『話し方の品格』、『恋の品格』はなんやらハウツー本の雰囲気だ。また、『江戸の品格』は山本一力の世界が描かれているようで、このへんなら気楽に読めそうだ。
品格は辞書によれば、「その人やその物に感じられる気高さや上品さ」のことである。最初にも書いたが、書いている本人が対象になっている場合は、不遜や傲慢に対する後ろめたさみたいなものが湧いてきて、書きにくいと思われるのだがどうだろう。自分を完全無欠と勘違いしているか、それとも棚に上げて平気の平左でいられるお方としか思えないのだ。
23:57:05 |
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