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25 July

#430.渋めのレースを味わおう

夏の北海道競馬の前半のヤマ場が早くも来た。函館のメインイベント函館記念、芝2000mだ。その函館記念といえばサッカーボーイが思い浮かぶ。1988年のことになるが、当時4歳(現在でいえば3歳)のサッカーボーイは、クラシックは蹄の不調で皐月賞が不出走、ダービーが15着に終った。だが、7月の中日スポーツ杯で皐月賞馬ヤエノムテキに勝ち光明を見出し、その勢いを駆って函館記念に挑んだ。

8月21日、そのサッカーボーイを待ち受けていたのは、前年のダービー馬メリーナイス、その前の前のダービー馬シリウスシンボリ、前年の桜花賞・オークス連覇のマックスビューティという錚々たる古馬一級線の一連だった。
意気込みが買われたか、一番人気の7枠13番河内洋騎乗のサッカーボーイは敢然と好位を進み、3角では先頭に並びかける勢いで、4角で先頭に立つや後続を突き放し、メリーナイスに5馬身の大圧勝となった。タイムは、1分57秒8のレコードだが、1986年にサクラユタカオーが秋の天皇賞でマークした1分58秒3の日本レコードも更新した。

このあとサッカーボーイは、マイルチャンピオンシップ優勝、有馬記念はオグリキャップ、タマモクロスに続く3着と好成績を残した。種牡馬になってからは、ヒシミラクル、ナリタトップロードのG?ホースに加え、アイポッパーなど、現役時代のスピード馬のイメージとは異なる長距離での活躍馬が多く、内国産種牡馬では優秀かつ特異な存在になっている。

さて、今年の函館記念は夏のこの時期にしてはメンバーが揃った。実力上位の馬は成績も安定していて、大きく崩れそうもないが、見どころのある濃いレースが期待できそうだ。

【 Wscランキング:函館記念 】
◆Wsc: 66.7 フィールドベアー   R= 43、 RR= 68、 RT= 55、 D= .2、 A= .2、 H= 1.9
◆Wsc: 64.0 マヤノライジン    R= 48、 RR= 66、 RT= 53、 D= -.5、 A= .9、 H= .5
◆Wsc: 61.1 ピサノパテック    R= 41、 RR= 64、 RT= 58、 D= -1.2、 A= -.2、 H= 1.4
◆Wsc: 58.9 マンハッタンスカイ  R= 39、 RR= 68、 RT= 55、 D= -1.1、 A= 1.7、 H= -.7
以上がWsc55以上の推奨馬
◇Wsc: 54.4 センカク       R= 43、 RR= 59、 RT= 57、 D= -2.9、 A= -.1、 H= 1.2
◇Wsc: 51.8 ミストラルクルーズ  R= 42、 RR= 58、 RT= 43、 D= -.4、 A= .8、 H= 2.1
◇Wsc: 50.5 タスカータソルテ   R= 45、 RR= 53、 RT= 55、 D= -3.2、 A= -.4、 H= .3
◇Wsc: 48.7 トーセンキャプテン  R= 44、 RR= 57、 RT= 53、 D= -3.7、 A= -.5、 H= 1.7
◇Wsc: 48.1 ブレーヴハート    R= 37、 RR= 46、 RT= 66、 D= -2.7、 A= -1.1、 H= 5.3
◇Wsc: 47.0 トウショウシロッコ  R= 44、 RR= 48、 RT= 40、 D= -1.8、 A= .5、 H= .8
◇Wsc: 40.2 コンラッド      R= 28、 RR= 45、 RT= 38、 D= -1.4、 A= -1、 H= 3.5
◇Wsc: 38.4 エリモハリアー    R= 47、 RR= 42、 RT= 46、 D= -5.4、 A= -.9、 H= -.3
◇Wsc: 36.3 メイショウレガーロ  R= 50、 RR= 39、 RT= 42、 D= -4.6、 A= 1.6、 H= -.8
◇Wsc: 33.8 コーナーストーン   R= 43、 RR= 40、 RT= 48、 D= -5、 A= .9、 H= .3

   ・Wsc  :ウィニング・スコア→上位入着の可能性を示す総合指標で以下の指標から算出
   ・Rsc  :レースの実績→過去1年6か月を遡ったレースの実績を示す
   ・RRsc :最近の実績→6か月以内の直近3レースの実績を示す
   ・RTsc :タイム→最近のレースでの走破タイムを示すスコア
   ・DfWL :勝っぷり→勝った馬はどれだけ突き放したか、負けた馬はどこまで粘ったかを示す
   ・Asc :先行力→先行した実績を示すスコアで、高いほど先行している
   ・Hsc  :末脚→上り3ハロンの馬群の中で相対的に前に出たか後退したかを示す


【 展望 】
フィールドベアー、マヤノライジン、ピサノパテック、マンハッタンスカイの4強の争いという構図だ。その中では、フィールドベアー、マヤノライジンが一歩先んじているようだが、ピサノパテックとマンハッタンスカイも差は僅かだ。最近の成績も波もなく4頭揃って好調であり、どの馬にも勝機は十分だが、勝ちっぷりの良さからフィールドベアーを中心とみたい。この4強を崩す勢力は見つけにくいが、手堅い走りのセンカクもしくは前回好走のミストラルクルーズか。


【 展開 】
個性的な逃げ馬や強力な先行馬が見当たらず、手探りの展開になり、スローペースが予想される。
先行集団としては、マンハッタンスカイ、メイショウレガーロ、のどちらかが先頭を切り、コーナーストーン、マヤノライジン、ミストラルクルーズがこれに続く形勢か。
中段は、トウショウシロッコ、フィールドベアーが前の方で、後の方は、センカク、ピサノパテック、タスカータソルテ、トーセンキャプテンで構成する。
後方は、エリモハリアー、コンラッド、ブレーヴハートが控えて進むだろう。

多少の入り繰りはあるにしても全体が団子状態で3角までは進むだろう。ここれ焦れて行ってしまうか、スローペースを見込んで仕掛けるかは、遠くから見ている範囲では判断つきにくいが、ここが見どころだろう。
先行していると思われるマンハッタンスカイやマヤノライジンは波風が立つことなく4角へ進みたいだろうが、フィールドベアー、ピサノパテックは他の誰かが震源になってくれることを願っているだろう。
マンハッタンスカイ、マヤノライジンに3角4角の間で、フィールドベアー、ピサノパテックが仕掛ける展開になると、双方が避けたい展開だが観ている方からは一番おもしろい展開になる。


13:48:52 | datesui | No comments |