Archive for September 2008

29 September

#458.ドブに捨てる金

アメリカで金融不安が起きているが、公的資金を注入することが決定しそうである。一昔前の日本をまるで倣うようなことが起きている。日本はそのとき30兆を超える公的資金を注ぎ込み、結局10兆余りは回収できていない。アメリカの必要な額は日本円で75兆円だが、取り返せるのは果たしてどれくらいだろうか。連日、国民に向かって理解を求めているが、国民の支持や関心を失ったブッシュには荷の重いことであろう。

ブッシュが大統領に就任したころ、京都議定書の批准の問題があった。ブッシュはその時、経済損失が4000億ドルになると言って批准を拒否した。日本円に換算すれば40兆円余りである。確かに大きい額だが、その見返りはかけがえのない大きなものだが、今の金融不安に注入する公的資金はドブに消えてしまうことになるだろう。

ブッシュはテレビを通じて神妙な顔して国民に訴えているが、京都議定書の批准を拒否したときもこのような申し訳ない顔をして欲しかった。「どうだ4000億ドルだ、だれも反対できまい」とでも言いたげの品のない顔を今でも思い出す。

10:16:00 | datesui | No comments |

26 September

#457.国際標準三冠馬

先週のセントライト記念に続く菊花賞への登竜門の第2弾は神戸新聞杯だ。このところの超西高東低現象で、地盤沈下のセントライトを裏腹に菊花賞への距離を縮めてきた。さらに阪神競馬場の改修により距離も2400mに延長され菊花賞への距離は指呼の間となってきた。

そこへ王者ディープスカイが出馬してきた。あくまで本番へ向けての足慣らしもあるだろうが、ここは予定の走りを見せて欲しいものだ。1600mのNHKマイル、2400mのダービーと経ての菊花賞制覇は変則三冠だが、本場英国の三冠の距離体系にはこの方が近いので国際標準の三冠候補だ。また、ダービーの2着3着馬も無事な姿を見せているのは競馬ファンにはありがたいことだ。加えて、夏の上昇馬も何頭かいてレースに彩りを添えている。楽しいレースを期待して良さそうだ。
(神戸新聞杯は10Rですので、ご注意ください)

【 Wscランキング:神戸新聞杯 】
◆Wsc: 72.8 ディープスカイ     R= 48、 RR= 76、 RT= 55、 D= 1.9、 A= -.7、 H= 6.4
◆Wsc: 64.3 オウケンブルースリ   R= 45、 RR= 51、 RT= 58、 D= 1.5、 A= -1.6、 H= 5
◆Wsc: 60.5 ブラックシェル     R= 44、 RR= 71、 RT= 48、 D= -1.1、 A= -.7、 H= 4.1
◆Wsc: 57.7 ヤマニンリュパン    R= 19、 RR= 50、 RT= 65、 D= .3、 A= .5、 H= .3
◆Wsc: 56.5 スマイルジャック    R= 40、 RR= 65、 RT= 42、 D= -1.1、 A= 1.3、 H= 1.8
◆Wsc: 54.7 エイシンブイダンス   R= 32、 RR= 52、 RT= 63、 D= -1.7、 A= 0、 H= 2.5
◆Wsc: 52.0 ミッキーチアフル    R= 32、 RR= 52、 RT= 42、 D= -.4、 A= .5、 H= 1.3
◆Wsc: 51.4 ナムラクレセント    R= 30、 RR= 46、 RT= 47、 D= .1、 A= -.7、 H= 3.3
◆Wsc: 50.6 ヤマニンキングリー   R= 29、 RR= 59、 RT= 41、 D= -1.8、 A= -.1、 H= .7
◆Wsc: 47.2 ロードアリエス     R= 34、 RR= 60、 RT= 30、 D= -2.2、 A= 1.2、 H= -1
◆Wsc: 46.6 メイショウクオリア   R= 42、 RR= 49、 RT= 36、 D= -2、 A= .9、 H= 2.1
◆Wsc: 45.1 モンテクリスエス    R= 44、 RR= 47、 RT= 47、 D= -5、 A= -.2、 H= 1
◆Wsc: 43.9 アインラクス      R= 36、 RR= 51、 RT= 26、 D= -1.7、 A= -.8、 H= 2.7
◆Wsc: 43.5 フローテーション    R= 34、 RR= 48、 RT= 40、 D= -3.4、 A= -.4、 H= 1.7
◆Wsc: 42.6 ハンターキリシマ    R= 18、 RR= 44、 RT= 47、 D= -2.3、 A= -.3、 H= 1.1
◆Wsc: 41.9 ベンチャーナイン    R= 32、 RR= 44、 RT= 39、 D= -3.4、 A= -.8、 H= 3.9
◆Wsc: 41.6 スエズ         R= 16、 RR= 35、 RT= 54、 D= -2.5、 A= 0、 H= 1
◆Wsc: 27.2 ヒルノラディアン    R= 23、 RR= 33、 RT= 21、 D= -5.6、 A= -.2、 H= -3.4

   ・Wsc  :ウィニング・スコア→上位入着の可能性を示す総合指標で以下の指標から算出
   ・Rsc  :レースの実績→過去1年6か月を遡ったレースの実績を示す
   ・RRsc :最近の実績→6か月以内の直近3レースの実績を示す
   ・RTsc :タイム→最近のレースでの走破タイムを示すスコア
   ・DfWL :勝っぷり→勝った馬はどれだけ突き放したか、負けた馬はどこまで粘ったかを示す
   ・Asc :先行力→先行した実績を示すスコアで、高いほど先行している
   ・Hsc  :末脚→上り3ハロンの馬群の中で相対的に前に出たか後退したかを示す


【 展望 】
ディープスカイが完勝して菊花賞へ駒を進める。多くの競馬ファンが描く夢だろう。たとえ馬券に魅力がなくとも強いスターの誕生を待っているのだ。ディープスカイはその期待に応えられる星の下に生まれているに違いないのだ。少し心情的な期待が強すぎるようだが、データを見ても十分である。次いでダービー2、3着のスマイルジャック、ブラクシェルも顔を見せているが、ここでもディープスカイに次ぐ存在であることは確かだ。

夏の成長株はオウケンブルースリだ。6月の未勝利から前走の1000万特別まで一気に3連勝だ。距離も長めのところでの勝利で大いに期待できる。もう1頭上げれば、ダート路線からだが1000万特別を勝ち上がったヤマニンリュパンだ。意外な大駆けがあるかもしれない。


【 展開 】
強力な逃げ馬が不在だ。しかも2400mの長めの距離なので、どの馬も先頭には立ちたくないだろう。
そこで、先行しそうなのが、スマイルジャックかロードアリエスで、追走がメイショウクオリアで、この3頭が先頭グループになりそうだ。またすぐ背後には、ヤマニンリュパン、ミッキーチアフルがつけて、ここまでが先行集団になる。
中段が、エイシンブイダンス、スエズ、ヤマニンキングリー、ヒルノラディアン、モンテクリスエス、ハンターキリシマ、フローテーションがかたまったタイトな集団を構成するだろう。
後方が大きな集団になり、ディープスカイのあとに、ブラックシェル、ナムラクレセント、ベンチャーナイン、アインラクスかたまり、ポツンと離れてオウケンブルースリという態勢だろう。

レースの見どころはディープスカイがどこで仕掛け、どんな勝ちっぷりをご披露するかだろう。直銭まで待っての仕掛けか、それとも力余って四角先頭か、まさかの3角まくりということもないわけではない。


08:45:00 | datesui | No comments |

24 September

#456.江戸六地蔵めぐり? −深川・永代寺−

霊岸寺を出て、さすがに暑さで喉が渇く。この界隈は喫茶店が数店あるのだが、月曜日で深川江戸資料館の門前店は資料館の休みに合わせて悉く閉店だ。霊岸寺に向かう地下鉄の中で思い描いていた休憩で、これで勢いをつけて次の永代寺までは歩くつもりだった。どこか喉を潤すところと思いながら清澄通りを門前仲町へ向かって歩き続けた。結局、20分ほど歩いただろうか、門前仲町に到達してしまった。ここまで来れば、喉の渇きは何の心配もいらない。お店は山ほどある。

永代寺は門前仲町からすぐのところにある。お不動さまの参道の横に付録のように構えている。だが、この永代寺に実は江戸六地蔵はないのだ。当然だが、村尾嘉陵が訪ねたころはあったのだ。

江戸時代、まだ神仏習合が許されていたころ、別当寺といって神社に付属しておかれる寺があった。永代寺も富岡八幡宮の別当寺として大きな勢力を誇っていた。ところが、明治の新政府がまだ明治になる前の慶応4年3月13日、1868年4月5日に出した神仏分離令により廃寺とされてしまったのだ。そのときお地蔵さまも一緒に廃されてしまったそうだ。もっともお寺の方は、1896年(明治29年)に旧永代寺の塔頭(たっちゅう)の吉祥院が永代寺の名を引き継ぎ再興され、現在の永代寺になっている。

いわゆる廃仏毀釈が行われた訳で、寺院そのものに始まり、仏像や経典も廃毀された訳だが、僧侶までこの憂き目にあっている。永代寺の僧侶はなんと富岡八幡宮の神官にされてしまったそうだ。いかに神仏習合のうまくいっている国とはいえ、キリスト教の牧師がケルトのドルイド僧になれというようなもので、こんな無茶が通ったとは呆れるばかりである。

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永代寺の全貌。昔の権勢を聞くと寂しいばかりである。この狭さではお地蔵さまも居場所がない。


23:18:40 | datesui | No comments |

22 September

#455.江戸六地蔵めぐり? −深川・霊岸寺−

道端のお地蔵さんにしては立派過ぎるが、そんな感じの東禅寺を出て、深川の霊岸寺に向かう。なにしろ東禅寺は東浅草という微妙なロケーションなので、結局また都バスに乗ることになる。南千住発のバスに乗って南下して、花川戸、雷門を抜け、蔵前で降りる。ここで地下鉄大江戸線の乗り換え、清澄白河まで行くことにする。

清澄庭園の向かいの道を入り、この道は深川江戸資料館通りとでもいうのだろうか、深川江戸資料館と書かれた灯篭や幟が並んでいた。その資料館の手前の左側に霊岸寺がある。地元のお寺なので初めてではないが、入ってみると意外にも名刹と思しき雰囲気があった。それもそのはず、あの松平定信の菩提寺である。松平定信は八代将軍吉宗の孫で奥州白河藩主であったため、霊岸寺のあたりの地名を白河という由来になっている。

境内に入ってすぐ左右を見渡したがお地蔵さまは見えない。門から少し入った本堂の左側に木立に囲まれて鎮座していた。このお地蔵さまは幸せなことに、他のものより扱いが良く入口や外に追いやられることはなかった。お地蔵さまのお顔も心なしか和やかに見えたが、逆光でよく見えなかったのかも知れない。

外へ出ると、通りは富岡八幡のお祭りモードで盛り上がっていた。次の日曜が55基の神輿を連ねた大連合渡御が行われるのである。この通りは最初の休憩に当たるので、通りには各神輿を止める場所の表示が出ていた。「一番三好、二番白河、三番平泉・・」という具合に、神輿の町会名を書いたお札を貼った棒杭が並んでいたが、神輿と神輿の間隔を20mとしても55基も揃えば1kmを超える長さだ。いや〜、実に壮観。

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逆光のお地蔵さまというのも神々しく見えて良いものだ。霊岸寺のお地蔵さんは小さい木立に囲まれ安らかなご様子だ。


よく見ると名刹の雰囲気たっぷりの境内だ。下町のお寺にしては広く、造りも立派だ。お地蔵さまは左側の石灯籠の少し先の左手にある。


12:09:17 | datesui | No comments |

19 September

#454.腐っても鯛

秋のクラシックの前哨戦に入った。その昔は菊花賞への道の定番だったセントライト記念だが、最近は菊花賞馬の輩出はとんと御無沙汰だ。少なくともこの10年、1頭も出ていない。だが、レースの格はG?、やはりメンバーはそれなりの馬が出揃っている。いいレースが期待できそうだ。

3歳の秋のクラシックは夏の越し方に注目が集まる。有力馬は無事、変化なく夏を越したいだろうし、春は力不足だった馬は夏の成長を期待するだろう。また、夏のレースは4歳以上の古馬と一緒に走ることになるので、力量の比較や推量には丁度良いのかもしれない。

その基準だが、例年1000万クラスが目安になる。1000万クラスの特別を勝てるようなら、秋のクラシックは大いに期待できると判断したい。同じように1000万特別を好走なら、本番での入着も期待できよう。もっとも1000万以上のクラスでの勝利や好走なら言うこともあるまい。
判断の難しいのは500万クラスでの成績だ。特別の優勝はそれなりの評価をしたいが、それでも1000万クラスに名を連ねただけのことだ。ところが、夏になる前に500万クラス入りしていた馬は3歳同士のレースでの勝ち上がりなので、夏の古馬混合レースの成績との比較では割引が必要だろう。

そのへんの難しさにもかかわらず、データベースは味のある数字を弾いてきた。


【 Wscランキング:セントライト記念 】
◆Wsc: 63.8 マイネルチャールズ  R= 58、 RR= 68、 RT= 49、 D= -2.8、 A= .5、 H= 2.7
◆Wsc: 61.3 シルクマンハッタン   R= 41、 RR= 50、 RT= 57、 D= .7、 A= 3、 H= 2
◆Wsc: 60.6 クリスタルウイング  R= 50、 RR= 57、 RT= 43、 D= -.8、 A= 1、 H= 2.3
◆Wsc: 60.0 ダイバーシティ    R= 36、 RR= 56、 RT= 47、 D= .7、 A= 0、 H= 2.9
◆Wsc: 58.0 キングオブカルト   R= 44、 RR= 51、 RT= 45、 D= -.2、 A= 1.5、 H= .6
◆Wsc: 57.5 ナリタダイコク    R= 45、 RR= 52、 RT= 44、 D= -.5、 A= -.9、 H= 2.4
ここまでがWsc55以上の推奨馬
◇Wsc: 53.9 タケミカヅチ     R= 43、 RR= 59、 RT= 39、 D= -2.4、 A= -.2、 H= 2.6
◇Wsc: 53.0 ノットアローン    R= 40、 RR= 57、 RT= 42、 D= -2.3、 A= 1.5、 H= .4
◇Wsc: 52.4 キングスエンブレム  R= 52、 RR= 55、 RT= 34、 D= -1.8、 A= 1.5、 H= -2.4
◇Wsc: 52.0 リノーンリーズン   R= 30、 RR= 45、 RT= 43、 D= 1.5、 A= -1、 H= 3.2
◇Wsc: 50.4 ダイワワイルドボア  R= 41、 RR= 48、 RT= 45、 D= -2.7、 A= .2、 H= 1.8
◇Wsc: 48.7 フサイチアソート   R= 38、 RR= 47、 RT= 54、 D= -4.1、 A= -.4、 H= 1.5
◇Wsc: 45.7 コンベンション    R= 29、 RR= 42、 RT= 33、 D= 1.4、 A= .8、 H= 1.1
◇Wsc: 45.6 ロードニュースター  R= 33、 RR= 46、 RT= 39、 D= -2.2、 A= -1.3、 H= 4.4
◇Wsc: 40.8 ネオスピリッツ    R= 35、 RR= 43、 RT= 27、 D= -1.1、 A= 2.2、 H= -2.1
◇Wsc: 36.2 フジヤマラムセス   R= 28、 RR= 39、 RT= 43、 D= -3.6、 A= -.3、 H= -1.7
◇Wsc: 31.2 アイティトップ    R= 35、 RR= 34、 RT= 37、 D= -5.3、 A= -1.1、 H= 2.6
◇Wsc: 28.9 ドットコム      R= 31、 RR= 30、 RT= 48、 D= -6.6、 A= -.2、 H= -2

   ・Wsc  :ウィニング・スコア→上位入着の可能性を示す総合指標で以下の指標から算出
   ・Rsc  :レースの実績→過去1年6か月を遡ったレースの実績を示す
   ・RRsc :最近の実績→6か月以内の直近3レースの実績を示す
   ・RTsc :タイム→最近のレースでの走破タイムを示すスコア
   ・DfWL :勝っぷり→勝った馬はどれだけ突き放したか、負けた馬はどこまで粘ったかを示す
   ・Asc :先行力→先行した実績を示すスコアで、高いほど先行している
   ・Hsc  :末脚→上り3ハロンの馬群の中で相対的に前に出たか後退したかを示す


【 展望 】
中心はマイネルチャールズで動くまい。前走札幌記念では6着という微妙な結果だったが、評価を下げることにはならないと思われる。逆に上げることはできなかったので、このセントライト記念に賭ける期待は大きい。

マイネルチャールズを追う存在が、シルクマンハッタン、クリスタルウイング、ダイバーシティ、キングオブカルト、ナリタダイコクの5頭だろう。クリスタルウイングやダイバーシティは春からの実績のある馬で、評価はしやすいが、1000万クラスの優勝、好走組であるキングオブカルト、ナリタダイコクの評価は微妙である。キングオブカルトはラジオNIKKEI6着のあとの1000万特勝ちと別成長の過程が良くわかり、ナリタダイコクは未勝利から???のあとの1000万特別4着と好走の前の上昇力も評価できよう。
500万特別の勝ち上がり組であるシルクマンハッタンの評価はもっと難しいが、2200mの前走は自らレースを作っての好タイム勝ちを完成度とみたい。


【 展開 】
逃げるのは、シルクマンハッタンとみるのが妥当だろう。これを追走するのが、ネオスピリッツとなるだろう。この2頭に追随する先行集団が、キングオブカルト、キングスエンブレム、ノットアローンの3頭とみられる。
中段はだらしなく広がりそうだが、前の方には、クリスタルウイング、コンベンション、マイネルチャールズは占め、中ほどに、ダイワワイルドボア、ダイバーシティが続き、そのあとに、タケミカヅチ、ドットコム、フジヤマラムセス、フサイチアソートが控えて進むことになる。
後方は、ナリタダイコク、リノーンリーズン、アイティトップ、ロードニュースターの4頭がひと塊りになることが考えられる。
前走、正攻法で古馬に力負けをしたマイネルチャールズだが、今回は相手も変わるので前にも増して正攻法で来るだろう。4角先頭、力でねじ伏せるところを今度こそ見せてほしい。


15:17:10 | datesui | No comments |