Archive for 07 November 2008

07 November

#484.長距離スターの登竜門

先週は素晴らしいレースを堪能した。まさに10年に一度という作品かも知れない。勝ったウオッカは騎乗の武豊ともども必死のレースだっただけに、判定の出たときは嬉しかったというより安堵といった方が当たっていたと思う。同着という粋な計らいも選択肢にはなかったのかなと思うとともに、負けたとはいえダイワスカーレットのゴール前の差し返しは超一流の証しを示した。

さて、今週はアレゼンチン共和国杯。古馬の長距離のハンデ戦、骨太のレースで長い歴史があり、古豪という感じのレースだ。開設は昭和38年で当時はアルゼンチン・ジョキー・クラブ・カップと言っていたが、昭和49年にアレゼンチンの競馬がジョキー・クラブから国へ移管されたため、アルゼンチン共和国杯と改称された。古いファンの中には今だに「アルゼンチン・ジョッキー」と呼ぶ方もいらっしゃるようだ。

このレースは冬の長距離シリーズの初戦で、このあとのステイヤーズ・ステークス、年が明けて万葉ステークス、ダイヤモンド・ステークス、と続く3000m級のレースの試金石になる。出走16頭には常連も多いが、新しいメンバーも力のあるところが加わってステイヤーの地図が塗り替わる様相もある。微妙なハンデも利いてきそうで深い楽しみのあるレースだ。


【 Wscランキング:アルゼンチン共和国杯 】
◆Wsc: 63.4 トウショウシロッコ  R= 36、 RR= 70、 RT= 67、 D= -1.1、 A= 0.5、 H= 0.2
◆Wsc: 63.2 アルナスライン    R= 59、 RR= 61、 RT= 52、 D= -2.1、 A= 0、 H= 2.3
◆Wsc: 62.0 ジャガーメイル    R= 43、 RR= 56、 RT= 57、 D= 1.3、 A= -1.1、 H= 4.8
◆Wsc: 59.3 スクリーンヒーロー  R= 40、 RR= 60、 RT= 49、 D= 0.2、 A= 1.0、 H= 0.4
◆Wsc: 58.8 ダンスアジョイ    R= 43、 RR= 56、 RT= 57、 D= -1.3、 A= -1.3、 H= 4
◆Wsc: 55.0 エアジパング     R= 46、 RR= 56、 RT= 48、 D= -1.9、 A= 0.4、 H= 1.7
◆Wsc: 51.9 マンハッタンスカイ  R= 39、 RR= 57、 RT= 53、 D= -2.9、 A= 1.6、 H= -1.1
◆Wsc: 51.3 キングアーサー    R= 29、 RR= 51、 RT= 57、 D= -2.0、 A= -0.3、 H= 1.7
◆Wsc: 50.5 トウカイトリック   R= 40、 RR= 50、 RT= 40、 D= -2.7、 A= 0.2、 H= 0.1
◆Wsc: 49.1 メイショウカチドキ  R= 32、 RR= 56、 RT= 54、 D= -3.1、 A= -1.1、 H= 2.8
◆Wsc: 48.1 ネヴァブション    R= 34、 RR= 44、 RT= 45、 D= -2.5、 A= -0.6、 H= 0.1
◆Wsc: 42.6 マキハタサイボーグ  R= 41、 RR= 40、 RT= 41、 D= -4.9、 A= -0.7、 H= -2
◆Wsc: 40.2 ゴーウィズウィンド  R= 33、 RR= 43、 RT= 43、 D= -4.9、 A= 1.0、 H= -4.2
◆Wsc: 39.9 セタガヤフラッグ   R= 30、 RR= 34、 RT= 38、 D= -3.0、 A= 2.1、 H= -1.9
◆Wsc: 36.0 ヤマニンアラバスタ  R= 25、 RR= 31、 RT= 59、 D= -6.3、 A= -0.4、 H= 1.0
◆Wsc: 28.7 テイエムプリキュア  R= 25、 RR= 26、 RT= 45、 D= -6.9、 A= 0.6、 H= -1.8

   ・Wsc  :ウィニング・スコア→上位入着の可能性を示す総合指標で以下の指標から算出
   ・Rsc  :レースの実績→過去1年6か月を遡ったレースの実績を示す
   ・RRsc :最近の実績→6か月以内の直近3レースの実績を示す
   ・RTsc :タイム→最近のレースでの走破タイムを示すスコア
   ・DfWL :勝っぷり→勝った馬はどれだけ突き放したか、負けた馬はどこまで粘ったかを示す
   ・Asc :先行力→先行した実績を示すスコアで、高いほど先行している
   ・Hsc  :末脚→上り3ハロンの馬群の中で相対的に前に出たか後退したかを示す


【 展望 】
古豪のレースには古豪が相応しいが、古豪たちは不調か、それとも衰えか、一昨年大暴れのトウカイトリックやマンハッタンンスカイなど、気を吐いて欲しいものだ。古手ではトウショウシロッコが元気だが長距離での場数は決して多くない。それより生きの良い若手の挑戦が楽しみだ。アルナスライン、ジャガーメイル、スクリーンヒーローの4歳勢で、新しいステヤーの旗手の登場もありうるだろう。

本線はトウショウシロッコだ。夏から2000m級のレースを連続して安定した成績を重ねている。この距離なら心配もなく、勝機は十分だろう。2番手はアルナスラインだが、ほとんど差はない。トウショウシロッコの勝ち味の遅いところを考えれば、勝つのはアルナスラインかもしれない。次いで3番手はジャガーメイルだ。直近の3戦、全て2400mを3連勝し、鋭い上昇力でオープン入りをした勢いがあり、大いに期待したい。そしてスクリーンヒーローだが、ジャガーメイルと同じような軌跡で勝ち上がったが、勝ち味が遅くジャガーメイルに一歩後れをとってしまった。ダンスアジョイは当レースの経験馬だが、長距離での実績は少ない。最近は成績こそ安定だが抜け出す力が足りない。
このレースを長距離シリーズの試金石と見るならば、4歳の3頭に期待をしてみたい。


【 展開 】
長距離なので妙な団子状態も考えられるが、逃げるのは、セタガヤフラッグとみる。追走が、マンハッタンスカイとなるだろう。そのあとの先行集団は、スクリーンヒーロー、ゴーウィズウィンドとなろう。
中段の前の方に、テイエムプリキュア、トウショウシロッコ、エアジパング、トウカイトリック、アルナスラインがつけ、中段の後ろは、キングアーサー、ヤマニンアラバスタ、ネヴァブション、マキハタサイボーグ、ということが想定される。
後方は、ジャガーメイル、メイショウカチドキ、ダンスアジョイの3頭だ。

動きはトウショウシロッコとアルナスラインからか、人気から早めに動くかも知れないが、長距離は動かずに済んだ馬に勝機が巡ってくることが多いので、動かない伏兵になれる馬が最後に笑いそうだ。


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