Archive for April 2009

30 April

#553.今年を背負う馬

しばらくお休みをいただきました。復帰の初戦はこともあろうに、G?中のG?、天皇賞・春です。
G?は強い馬が集まり力を競います。そのG?の中でも春の天皇賞と言えば、強いだけではなく格式や品格も備えた完成域に近い馬の競演というイメージを感じます。

さて、出走の18頭、いずれも精鋭のハズですが、中心馬が見当たらず混戦です。18頭揃って、格式どころか強さもおぼつかない馬ばかりで、ちょっと心配な天皇賞になりそうです。中心馬は不在と見るより、このレースから育っていくと見た方が良さそうです。
下のデータを見ると、トウカイトリック、ポップロック、デルタブルースという往年の長距離ランナーも寄る年波か、スコアの低さが目立ちます。反対に、Wsc55を超えた面々は歳も若く、中心馬になって欲しい存在ですが、イマイチ信頼が置けません。去年1年間、オス馬どもはダイワスカーレットを始めとする牝馬に頼りきりで、いわば髪結いの亭主状態で過ごしました。いま、ダイワスカーレット亡き後、突き放されたぐうたら亭主が独り立ちできるかが問われています。
このレースをしっかり勝って、この1年を支えていく存在になって欲しいものです。とは言っても、顔ぶれをみると改めて頼りないですな。

【 Wscランキング:天皇賞・春 】
◆Wsc: 62.3 アルナスライン   R= 35、 RR= 68、 RT= 62、 D= -1.7、 A= .2、 H= 2
◆Wsc: 61.1 モンテクリスエス   R= 25、 RR= 70、 RT= 56、 D= .1、 A= -.4、 H= 1.2
◆Wsc: 59.7 マイネルキッツ   R= 19、 RR= 72、 RT= 63、 D= -1.1、 A= -.2、 H= .8
◆Wsc: 59.5 ジャガーメイル   R= 23、 RR= 60、 RT= 56、 D= .9、 A= -.5、 H= 3.2
◆Wsc: 57.6 スクリーンヒーロー R= 38、 RR= 75、 RT= 39、 D= -2.8、 A= .7、 H= 2.7
◆Wsc: 56.8 アサクサキングス  R= 40、 RR= 67、 RT= 34、 D= -1.9、 A= .8、 H= .9
◆Wsc: 56.6 ホクトスルタン   R= 44、 RR= 60、 RT= 52、 D= -2.9、 A= 3、 H= -2.3
◆Wsc: 55.9 ゼンノグッドウッド R= 8、 RR= 63、 RT= 44、 D= 1.8、 A= -.2、 H= 1
以上がWsc55を超えた推奨馬
◇Wsc: 54.8 ネヴァブション   R= 29、 RR= 62、 RT= 60、 D= -2.7、 A= .3、 H= .8
◇Wsc: 54.7 ヒカルカザブエ   R= 31、 RR= 67、 RT= 29、 D= -.5、 A= .2、 H= 3.7
◇Wsc: 53.4 ドリームジャーニー R= 21、 RR= 66、 RT= 47、 D= -2、 A= -.4、 H= 1.3
◇Wsc: 44.6 サンライズマックス R= 14、 RR= 50、 RT= 60、 D= -3.8、 A= -.2、 H= .5
◇Wsc: 42.3 トウカイトリック  R= 40、 RR= 51、 RT= 28、 D= -5.2、 A= .1、 H= .9
◇Wsc: 40.5 ポップロック    R= 34、 RR= 36、 RT= 45、 D= -4.5、 A= .4、 H= -1.6
◇Wsc: 38.1 デルタブルース   R= 28、 RR= 50、 RT= 25、 D= -4.5、 A= 1.1、 H= -.7
◇Wsc: 37.0 テイエムプリキュア R= 21、 RR= 49、 RT= 25、 D= -4.6、 A= 1、 H= -1.9
◇Wsc: 33.4 コスモバルク    R= 21、 RR= 36、 RT= 55、 D= -6.4、 A= .7、 H= -2.9
◇Wsc: 31.7 シルクフェイマス  R= 18、 RR= 41、 RT= 50、 D= -6.6、 A= .6、 H= -2.3

   ・Wsc  :ウィニング・スコア→上位入着の可能性を示す総合指標で以下の指標から算出
   ・Rsc  :レースの実績→過去1年6か月を遡ったレースの実績を示す
   ・RRsc :最近の実績→6か月以内の直近3レースの実績を示す
   ・RTsc :タイム→最近のレースでの走破タイムを示すスコア
   ・DfWL :勝っぷり→勝った馬はどれだけ突き放したか、負けた馬はどこまで粘ったかを示す
   ・Asc :先行力→先行した実績を示すスコアで、高いほど先行している
   ・Hsc  :末脚→上り3ハロンの馬群の中で相対的に前に出たか後退したかを示す


【 展望 】
候補馬を挙げていくと、出走馬は18頭なのに10頭を超えてしまうのだ。それだけ期待しなければいけない馬に信頼がもてないのだ。それだけにスコアに忠実になることも必要かもしれない。それでもWsc55超え65以下に8頭も入ること自体、異常と言える。統計理論的には4〜5頭しか入らないハズなのだ。
そこで一応この8頭を1次スクーリニングとして次を考えると、まず最近の実績からは、スクリーンヒーロー、マイネルキッツ、モンテクリスエス、アルナスライン、アサクサキングスとなろう。内容を示すタイムは、マイネルキッツ、アルナスラインとなる。すると、マイネルキッツ、アルナスラインとなる。アルナスラインは周囲も認めるところだろうが、マイネルキッツはこの4戦G?G?で????というしぶとい成績を維持している。不安なのは長距離の経験だが、BMSがサッカーボーイでむしろ期待がもてる。そこで長距離の適性だが、アサクサキングスが抜群の実績を誇る。3000m以上のレースで3戦して1着2回3着1回である。去年の天皇賞・春は3着だが、菊花賞と阪神大賞典は優勝している。

結論は、マイネルキッツ、アルナスライン、アサクサキングスが第1候補群、スクリーンヒーロー、モンテクリエスが第2候補群、ジャガーメイル、ホクトスルタン、ゼンノグッドウッドが第3候補群となるが、第1、第2の候補群の5頭で勝負したい。


【 展開 】
果敢に先頭を切るのがホクトスルタンだ。明確な逃げ馬がいるとレースが締まる。好レースの期待さえもててくる。これに追走して先頭グループを形成するのが、デルタブルース、テイエムプリキュアだ。そのあとの先行集団には、アサクサキングス、スクリーンヒーロー、コスモバルク、シルクフェイマスが入り、中段には、ポップロック、ネヴァブション、ヒカルカザブエ、アルナスライン、トウカイトリックが静かに勝負の時を待ちながら進むことになる。後方は、マイネルキッツ、サンライズマックス、ゼンノグッドウッド、が前の方で、最後方に控えるのは、モンテクリスエス、ドリームジャーニー、ジャガーメイルとなろう。

このレースの主役は調子さえ良ければホクトスルタンだ。淀みのないペースでレースを引っ張れば、レース自体に緊張感が湧き、おもしろくなるばかりかレースの品格も出てくる。先行集団のアサクサキングスとスクリーンヒーロー、中段のアルナスライン、後方のマイネルキッツとモンテクリスエス、それぞれがマークをし合いながらも自分のペースで仕掛ける。直線でホクトスルタンを後方の馬が交わしたとき、有力5頭が横一線で叩き合いに入るのが最高のレースとなる筈だ。


23:31:18 | datesui | No comments |

21 April

#552.休業のおしらせ

1週間ほど家を空けます。このブログも少しばかり休ませていただきます。



12:08:18 | datesui | No comments |

19 April

#551.隅田川七福神巡り? −補遺・言問団子と長命寺桜もち−

この界隈の眼福ならぬ舌福、美味しいものにも触れておこう。忘れてはいけないのが言問団子と長命寺桜もちがある。ともに美味しいものが溢れている現在では飛切り美味しいものとは言えないかも知れないが、文化的な味覚をご賞味していただければよろしいかと思う。

言問団子は小豆・白・味噌餡の三色セットだ。小豆と白餡はお米の粉を餅状にしたもの。味噌餡は手間が込んでいて、白玉粉を餅状にしたものだそうだ。言問の名は言問橋の袂に位置することからで、伊勢物語の東下りで「名にしおはばいざ言問はむ都鳥 わが思ふ人はありやなしやと」と詠まれたことによるものだ。

一方、長命寺桜もちは、享保2年(1717)山本新六が隅田川土手の桜の葉を塩漬けにして桜餅を考案したことによる。この桜もちを長命寺の門前で売り始めたのが始まり。桜餅は桜の葉はふつう1枚だが、ここの桜もちはなんと3枚ついている。

言問団子は火曜日が休みで、長命寺の山本屋は月曜日が休みだ。言問橋の袂まで来なくても両国駅そばの江戸東京博物館にはショップがあり買い求めることができる。また曜日限定だが、浅草松屋の地下にも売り場がある。

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左は言問団子。向こうの赤い幕には「名にしおばは・・」の伊勢物語の歌が書いてある。右は長命寺桜もちの山本屋だが、この日は月曜日ではなかったが臨時休業だった。ご夫婦だろうか、この二人連れにはかわいそうなことだ。


23:54:00 | datesui | No comments |

17 April

#550.淡々と強さを証明

先週、予想以上の強さを発揮して栄冠を勝ち取ったブエナビスタは、歴史に残る名馬の1頭になりうる切符を手にしたようだ。もっとも切符の使い方は今後にかかっている。今週は皐月賞だが、それにやや近い状況になっていることは確かで、2週連続でワクワクするシーンが楽しめるかもしれない。
中心馬がいる。それだけではなく適当なライバルもいるので、今年の皐月賞は魅力が一杯だ。レースの芯となる馬のいないレースはおもしろくないが、圧倒的に強すぎても興ざめだ。今年の中心馬はここまでの経過は申し分なく、問題なく中心の1頭だ。だが、2番手、3番手に控える馬も決して凡なる馬ではなく、ひとつ間違えれば逆転もあるだろう。今年のおもしろさはそこにある。

【 Wscランキング:皐月賞 】
◆Wsc: 68.1 ロジユニヴァース  R= 67、 RR= 67、 RT= 33、 D= 3.1、 A= 1.8、 H= 2.3
◆Wsc: 62.9 リーチザクラウン  R= 53、 RR= 60、 RT= 41、 D= 2.5、 A= 2.6、 H= -1.5
◆Wsc: 58.5 アンライバルド   R= 63、 RR= 63、 RT= 33、 D= 1.2、 A= -1.3、 H= 3.8
◆Wsc: 57.9 ナカヤマフェスタ  R= 58、 RR= 64、 RT= 39、 D= 0.2、 A= 0.2、 H= 3.1
◆Wsc: 56.0 ゴールデンチケット R= 46、 RR= 70、 RT= 47、 D= 0、 A= 2.9、 H= 1.1
◆Wsc: 55.3 アントニオバローズ R= 38、 RR= 68、 RT= 48、 D= 0.6、 A= 1.2、 H= 3.1
以上がWsc55を超えた推奨馬
◇Wsc: 54.9 トライアンフマーチ R= 52、 RR= 64、 RT= 41、 D= 0.8、 A= 1.7、 H= 2
◇Wsc: 54.0 ベストメンバー     R= 56、 RR= 58、 RT= 41、 D= 0、 A= -0.4、 H= 4.8
◇Wsc: 53.7 フィフスペトル   R= 45、 RR= 70、 RT= 39、 D= -0.6、 A= -0.3、 H= 2.9
◇Wsc: 51.3 ミッキーペトラ   R= 62、 RR= 76、 RT= 21、 D= 0、 A= 2、 H= -2
◇Wsc: 48.0 セイウンワンダー  R= 47、 RR= 56、 RT= 38、 D= -1.6、 A= -0.5、 H= 2.3
◇Wsc: 47.9 アーリーロブスト  R= 61、 RR= 57、 RT= 27、 D= 0、 A= 2、 H= 0.2
◇Wsc: 47.6 サトノロマネ     R= 26、 RR= 48、 RT= 51、 D= 2.5、 A= 3.1、 H= 0
◇Wsc: 44.6 シェーンヴァルト  R= 43、 RR= 56、 RT= 49、 D= -3.2、 A= -1、 H= 4.1
◇Wsc: 41.9 リクエストソング  R= 49、 RR= 54、 RT= 34、 D= -1.2、 A= -0.6、 H= 1.6
◇Wsc: 34.6 モエレエキスパート R= 46、 RR= 57、 RT= 27、 D= -3.4、 A= 0.1、 H= -0.1
◇Wsc: 33.9 メイショウドンタク R= 42、 RR= 51、 RT= 28、 D= -1.9、 A= 0.6、 H= -2.5
◇Wsc: 28.9 イグゼキュティヴ  R= 45、 RR= 47、 RT= 29、 D= -3.1、 A= 0.1、 H= -0.4

   ・Wsc  :ウィニング・スコア→上位入着の可能性を示す総合指標で以下の指標から算出
   ・Rsc  :レースの実績→過去1年6か月を遡ったレースの実績を示す
   ・RRsc :最近の実績→6か月以内の直近3レースの実績を示す
   ・RTsc :タイム→最近のレースでの走破タイムを示すスコア
   ・DfWL :勝っぷり→勝った馬はどれだけ突き放したか、負けた馬はどこまで粘ったかを示す
   ・Asc :先行力→先行した実績を示すスコアで、高いほど先行している
   ・Hsc  :末脚→上り3ハロンの馬群の中で相対的に前に出たか後退したかを示す


【 展望 】
ロジユニヴァースに強い勝ち方を期待したい。ビエナビスタに続く存在を期待しているのだ。戦績からは何の問題もないのだが、データ上での気懸りはタイムが良くないことだ。勝ちタイムの全てが平均以下なのである。ジョッキーの横山典の乗り方かもあるが、もし速いタイムの決着になったときが心配だ。だが、この現象は毎年の3歳馬にはよくあることなので、杞憂としておきたい。
これに続く勢力としてはリーチザクラウンとアンライバルドがあげられる。リーチザクラウンは戦績こそ十分だが、ロジユニヴァースとは暮のラジオNIKKEIで勝負付けが終わってしまっている感がある。あれから4か月だが逆転するだけの成長は難しく、また枠順も武豊といえども脚質的に不利だ。すると、アンライバルドに注目が行くが、こちらは少しは期待できそうだ。若駒S、スプリングSと実力馬は踏んできたレースをこなしてきているところに好感がもてる。だが、勝ちっぷりなどの力の幅を考えるとロジユニヴァースとの差はありそうだ。
そのあとは連下の域を出ないだろう。だが、上位の3頭が揃って3着までを占めることも難しいのがレースというものだ。必ずや1頭は勝ちに行って負かされる馬が出るのだ。そこへ食い込むことができるのがどの馬かということになる。上り馬で底を見せていない馬か、それとも大崩れしない実績のある馬と言うことになるが、前者ならアントニオバローズ、後者ならナカヤマフェスタか。

かなりの線でロジユニヴァースの勝利が近いようだが、死角はないのか。強いていえば1番の枠順とも思えるが、そんなに心配はいらないだろう。それ以上に心配なのはロジユニヴァースが関東馬であること、これだけだ。


【 展開 】
先行する馬から後方待機の馬までほど良く揃い、レース展開としては真っ当な流れが期待できそうだ。ペースも速くもなくスローでもなく、規格にあったレースが楽しめそうだ。
先頭切るのは、サトノロマネ、ゴールデンチケット、リーチザクラウンの3頭が考えられるが、枠順からサトノロマネが行きそうだ。このあとにつける先行集団は、ミッキーペトラ、アーリーロブスト、ロジユニヴァース、トライアンフマーチ、アントニオバローズという有力馬の多い集団になる。
中段には、メイショウドンタク、ナカヤマフェスタ、イグゼキュティヴ、モエレエキスパートが進み、後方に、フィフスペトル、ベストメンバー、セイウンワンダー、リクエストソング、シェーンヴァルト、アンライバルドが控えることになる。

レース自体は王道のレースで、入り乱れた乱戦にはならないどろう。3、4コーナーの中間から有力馬が進出して、直線ではしっかりとコース取りをしてから追い出すというレースになりそうだ。意表を突くような芸のある馬も見当たらないので強い馬がそのまま勝ってしまうレースになりそうだ。大外18番からリーチザクラウンが大逃げでも打てばおもしろいのだが。


16:12:00 | datesui | No comments |

14 April

#549.隅田川七福神巡り? −大国神と恵比寿神・三囲神社−

隅田川七福神も6つ目の三囲神社(みめぐりじんじゃ)に来た。これで最後だ。というのは、この三囲神社には大国さまと恵比寿さまが祀られているので1つで済む。どうも、この七福神は出来が良くないように思えて仕方がない。白髭神社のこじつけがあり、この三囲神社が2つ一遍と横着で、江戸の昔に向島を愛する文人墨客によって定められたそうだが、この先生方は相当いい加減な人たちだったようだ。

三囲神社は中世の頃の創建といわれる。そのころ三井寺の僧源慶(げんけい)がこの牛島のあたりに差し掛かり、荒れ果てた祠が眼に入り近くの農夫に由来を尋ねた。すると、弘法大師のご創建された祠と言うではないか。源慶はその荒れように心を痛め、自ら再建をしようと地面を掘ったところ、白いキツネに跨った神様の像が納められた壺が出てきた。そしてその時、どこからとなく白いキツネが現れ神様の像の周りを三度巡って消え去ってしまった。この出来事から、みめぐり神社となったそうだ。

時は下って元禄のころ、干ばつで困っている村人が雨乞いの祈願をしているところへ参詣に来た宝井其角(たからいきかく)が、「夕立や田をみめぐりの神ならば」と発句をしたところ、翌日に雨が降ったという。また、江戸時代の初期に江戸へ進出をした越後屋の三井家は、三囲にあやかって篤く信仰をしたそうだ。ここに祀られている大国神と恵比寿神は、越後屋に祀られていた本像を奉納したものだ。ご承知のことだろうが越後屋は現在の三越で、境内には丸に越の紋を刻した石材があちこちに見られる。

境内には宝井其角の句碑や朱楽管江(あけらかんこう)の辞世碑など、意外と多くの文化財があるので、下調べと時間を十分にとっての参詣もお勧めだ。


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三囲神社の正面。特徴も奇抜もない小さな神社にしか見えない。突き当りの本殿の左奥に大黒神と恵比寿神の祠がある。
右は大黒神と恵比寿神を祀った祠。2神の同居だが、七福神の祠にしては立派だ。


23:37:00 | datesui | No comments |