Archive for 08 May 2009
08 May
#554.作戦を楽しむ
新緑の美しい競馬の季節になった。10日の日曜日はNHKマイルカップだ。G?というと長距離が相場だが、短い距離のレースも見所がある。とりわけマイル戦はおもしろい。名伯楽尾形藤吉も時計はマイルが基本と言っていたように、競馬の基本はマイル戦なのだ。このNHKマイルカップは、クラシックへ対する2大不満である長距離偏重と外国産馬締め出しへの対策として1996年創設された。日本の皐月賞が2000mであるため3歳のマイル戦がG?にないことと、クラシックが内国産馬に出走を限定していることが問題だった訳だ。問題の本質は、?クラシックを外国産馬に開放すること、?クラシックの体系にマイル戦の取り込み、ということだった。本質的な解決はJRAの体質から無理として、皐月賞をマイル戦にして、従来のNHK杯は2000mの距離はそのままで外国産馬も出走できる3歳のカップ戦にすれば、全体のバランスはもう少し良くなるような気がする。現状では、外国産の3歳馬は2000m以上のG?レースには出走できないのだ。
とはいえ、現在は3歳のG?マイル戦として定着してきたNHKマイルカップだ。とにかく続けて新しい伝統を造っていくことが肝要だろう。それには一戦、一戦、感動のレースを積み上げることだ。
【 Wscランキング:NHKマイルC 】
◆Wsc: 67.3 サンカルロ R= 61、 RR= 70、 RT= 44、 D= .9、 A= -1、 H= 3.8
◆Wsc: 63.1 ブレイクランアウト R= 60、 RR= 65、 RT= 47、 D= .3、 A= -.4、 H= 5.4
◆Wsc: 62.0 ジョーカプチーノ R= 47、 RR= 65、 RT= 56、 D= .6、 A= 1.8、 H= -.2
◆Wsc: 57.4 アイアンルック R= 58、 RR= 65、 RT= 45、 D= -.6、 A= -1.7、 H= 7.2
以上がWsc55を超えた推奨馬
◇Wsc: 53.8 グランプリエンゼル R= 29、 RR= 57、 RT= 54、 D= .9、 A= 1.2、 H= .9
◇Wsc: 53.5 タイガーストーン R= 51、 RR= 60、 RT= 49、 D= -1.2、 A= -1.2、 H= 3.5
◇Wsc: 53.1 マイネルエルフ R= 53、 RR= 65、 RT= 43、 D= -1.8、 A= 2.2、 H= -.3
◇Wsc: 53.0 フィフスペトル R= 55、 RR= 66、 RT= 41、 D= -2.3、 A= -.4、 H= 3.1
◇Wsc: 52.8 レッドスパーダ R= 50、 RR= 57、 RT= 41、 D= .1、 A= 3.5、 H= 1.7
◇Wsc: 52.5 ミッキーパンプキン R= 59、 RR= 62、 RT= 44、 D= -2.3、 A= 1.7、 H= 1
◇Wsc: 51.8 ティアップゴールド R= 49、 RR= 53、 RT= 45、 D= -.5、 A= .6、 H= 1
◇Wsc: 50.0 スガノメダリスト R= 46、 RR= 57、 RT= 49、 D= -1.9、 A= .7、 H= -.4
◇Wsc: 47.5 ワンカラット R= 48、 RR= 53、 RT= 39、 D= -1.7、 A= 1.1、 H= -.9
◇Wsc: 42.6 アドバンスヘイロー R= 48、 RR= 49、 RT= 49、 D= -3.2、 A= -.5、 H= 1.5
◇Wsc: 40.4 ダイワプリベール R= 48、 RR= 48、 RT= 46、 D= -3.7、 A= -1.1、 H= 1
◇Wsc: 39.7 ラインブラッド R= 34、 RR= 48、 RT= 43、 D= -1.5、 A= -.6、 H= .3
◇Wsc: 30.1 ツクバホクトオー R= 45、 RR= 39、 RT= 39、 D= -5.5、 A= .5、 H= .2
◇Wsc: 29.7 ゲットフルマークス R= 35、 RR= 41、 RT= 41、 D= -4.1、 A= 3.5、 H= -3.4
・Wsc :ウィニング・スコア→上位入着の可能性を示す総合指標で以下の指標から算出
・Rsc :レースの実績→過去1年6か月を遡ったレースの実績を示す
・RRsc :最近の実績→6か月以内の直近3レースの実績を示す
・RTsc :タイム→最近のレースでの走破タイムを示すスコア
・DfWL :勝っぷり→勝った馬はどれだけ突き放したか、負けた馬はどこまで粘ったかを示す
・Asc :先行力→先行した実績を示すスコアで、高いほど先行している
・Hsc :末脚→上り3ハロンの馬群の中で相対的に前に出たか後退したかを示す
【 展望 】
Wscのランキングは非常にわかりやすい。Wsc55を超えた上位の4頭の存在が顕著で、55以下とは明快に峻別されている。つまり、NHKマイルCは、サンカルロ、ブレイクランアウト、ジョーカプチーノ、アイアンルク、この4頭の争いと見る。
4頭の比較では、勝ちっぷりを評価したいサンカルロ、タイムの良いジョーカプチーノの2頭はトライアルのニュージーランドTでともに好成績をあげての参戦だ。ブレイクランアウトとアイアンルックはクラシックの重要レースを踏んでの登場で、揉まれ方からくる地力に期待がもてる。さらにこの2頭、末脚の強靭さは並みのレベルをはるかに超えるものがあり、イチオシはブレイクランアウトとし、以下サンカルロ、ジョーカプチーノ、アイアンルックとしたい。
Wsc55以下では、マイネルエルフ、フィフスペトル、ミッキーパンプキンという歴戦の勇士がいるが、どうやらここまでという上積みのない感じだ。そこで、ここへきて2連勝のグンプリエンゼルとラインブラッドが浮かび上がってくるが、その前までのトンネルがあまりにも長く大きな期待はできない。
【 展開 】
マイル戦で逃げから追い込みまでの脚質が揃ったレースは見応えが期待できそうだ。G?でなくても滅多にみられない好レースが必至の様相だ。
さて、レッドスパーダとゲットフルマークスが逃げそうだ。枠順と人気からゲットフルマークがハナを切ると思える。そのあとに続く先行組は、マイネルエルフ、ジョーカプチーノ、ミッキーパンプキンの3頭になる。次は中段で少し頭数が増え、グランプリエンゼル、ワンカラット、スガノメダリスト、ティアップゴールド、ツクバホクトオーの5頭だ。レースの中心は大集団となる後方待機組だ。後方でもやや前の方に、フィフスペトル、ブレイクランアウト、アドバンスヘイロー、ラインブラッドが位置取り、後ろめに、サンカルロ、ダイワプリベール、タイガーストーン、アイアンルックとなる。
見どころは、前にいるジョーカプチーノと後方の馬群の中にいるブレイクランアウト、サンカルロ、アイアンンルックの駆け引きだろう。特に目を凝らしたいのはサンカロルで、意外と早めに動くと思われるからだ。後方に待機するが、4コーナーでは好位につける作戦を取りそうなことだ。これに対しブレイクランアウトとアイアンルックは4コーナーを回ってからが勝負という作戦なので、このかね合いを見るのがレースの醍醐味で、加えて、それを承知で前で待つジョーカプチーノの仕掛けのタイミングもおもしろさになる筈だ。
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