Archive for November 2006

29 November

#166.東福寺 −東山の紅葉徘徊?−

嵯峨野と東山の紅葉を連載で案内しているが、去年2005年に巡ったものである。連載を始めた10月の中ごろは、まだ紅葉の季節には早かったので、それなりの案内になったが、紅葉の見ごろになってくると、いささかピンボケの感は免れないようだ。なにしろ、錦秋織りなす東福寺へ3万人という記事が、紅葉の写真とともにリアルタイムで報じられているのだ。

紅葉狩りは桜見物と同様、時期が難しい。去年も宿の予約で8月の下旬に決心しなくてはならなかった。良い宿、良い部屋は早く埋まってしまうので、仕方のないことだ。そして、決めた日が11月15日からの3日間。平日で、近くに連休がなく、当然のことながら紅葉の時期、まっ、良い判断だと思ったが、アメリカのブッシュがあとから11月15日に訪日を決めた。しかも、京都へ来るという。あと出しジャンケンも甚だしい。


銀閣を出て、次は東福寺だ。変な順路だと思われるが、銀閣の東求堂と東福寺の後に行く永観堂の拝観時間を考慮すると、こんなコースになってしまった。銀閣寺道から京阪電車の出町柳まで市バスに乗り、今出川通りを進んだ。ところが渋滞か、バスが止まった。前を見ると警察の警備車両が列をなしている。こんなところへブッシュが、と思ったが、あとでわかったことだがブッシュの奥様が同志社の中学へ行ったそうだ。今出川にあるので、規制に遭うのはやもえないか.



東福寺で、まず目に入るのは通天橋だ。京都の紅葉案内で、ガイドブックや旅行のパンフレットでよく見かける超有名スポットだ。紅葉の色づきは毎年異なるだろうから、パンフレットなどに紹介されている真っ赤に燃える通天橋はいつの紅葉なのだろう。





おそらく京都でも最も大きな伽藍をもつと思われる東福寺の境内は山あり川ありだが、どこを見ても紅葉で埋め尽くされていた。





東福寺の紅葉は、量に関しては数ある紅葉名所でもトップクラスだろう。この前年、紅葉の季節が終ったころ訪れたが、散った落ち葉の厚みを見て、紅葉のスケールを想像したものだった。今ここに、その想像に違わぬ分厚い紅葉を観ることになる。




06:00:00 | datesui | 12 comments |

27 November

#165.法然院と銀閣 −東山の紅葉徘徊?−

真如堂から歩いて法然院に向かう、白川道をよぎって哲学の道へ出る道は、我慢できないほど殺風景だ。見慣れた哲学の道へ出るとホッとする思いだ。

さて、法然院だが紅葉はまだ早かったようだ。白い盛砂は紅葉の絵柄を描いて準備万端だが、肝心の紅葉は顔をみせていない。この法然院は紅葉と並んで著名人のお墓があるので知られているが、中でも文豪谷崎潤一郎が有名だ。早速、捜してみたのだがなかなか見つからない。先ほどまで墓地のお掃除をしていた人に聞こうと思ったが、どこかに消えてしまった。それなら早くギブアップをして聞いておけばよかったが、後の祭りだ。自力で捜そうなんて思ったのがいけなかったようだ。

紅葉はまだ早かったようだ。この雰囲気なら美しさは相当期待できそうだ。紅葉の絵柄を描いた盛砂。


それでも、九鬼周造のお墓が見つかったりして、それなりの収穫はあったのだが、本命の谷崎が見つからないのは何とも恰好がつかない。もう一度、九鬼周造あたりから見直してみると、今度は河上肇のお墓が現れた。河上肇では耽美的な谷崎には遠いかなと思っていたが、歩き回っていると、「寂」という字が見えた。谷崎の墓だ。見れば、この墓地で一番いい場所ではないか、一体どこを探し回っていたのだろう。



哲学の道を北へ歩いて銀閣へ向かう。銀閣は特に紅葉で有名という訳ではないが、春・秋の季節でないと公開していないものがある。そのお目当てを東京から携えて来たのだ。

銀閣に着いた。総門から中門までの間の道は、両側を生垣で囲まれた空間である。銀閣寺垣と言うそうだが、外界とのけじめのような気がして気持ちが高まってくる。お目当ては国宝の東求堂で、本堂の隣りに建てられた阿弥陀堂であったが、堂内の四畳半の書院、同仁斎が茶室の源流として有名なのだ。東求堂への案内は、田舎のバスではないが30分に一度なので少し待つことになる。

銀閣の庭は夢想国師によるもので、錦鏡池を中心とした広い庭を一望できる展望台が裏山にある。時間待ちを兼ねて狭い道を登って展望台を目指すと、思いがけないところに紅葉が現われる。少し離れて銀閣を見ると、いや〜、とても渋い。金閣と比べても仕方ないが、北山文化と東山文化の違いは、はっきり言って義満と義政の財力の差であったとしか思えない。だが、後世への影響は東山の方が大きいようだから、財力だけでは中味は決らないようだ。というと金閣の否定に聞こえるが、この前日にブッシュ米国大統領が訪れたのは金閣だ。

渋めの銀閣。ブッシュさん向きではないようだ。庭内は針葉樹が多いせいか緑深いイメージだが、少しばかりの紅葉もあった。


いよいよ東求堂へ案内の時刻になった。めずらしく胸の高鳴りのような興奮を覚えた。まずは、本堂というか方丈の襖絵からだ。前座で時間を潰すのかと思ったら、与謝蕪村や池大雅の作品だった。特に、大雅の絵は肩の力の抜けた気持ちの良い作品で、思わぬ儲けものであった。

細い渡り廊下を過ぎて東求堂に入る。国宝に触ることは一般人には許されないことだろうが、ここでは足を踏み入れることができるのだ。その東求堂には四つの部屋があり、北東の一室が四畳半の書院になっていて、ここが同仁斎である。座って説明を聞くが、上の空で障子から洩れてくる光を東山時代と同じものだと思って眺めていた。南面する部屋は阿弥陀仏を祀った持仏堂であるが、この北側の書院はごく日常的な空間だったのだろう。お茶室の原点がハレの空間ではなく、ケの空間にあったのは興味深いことである。

方丈の前廊下からの銀沙灘鑑賞は特等席だ。この奥が夢に見た東求堂。



06:00:00 | datesui | No comments |

24 November

#164.裏番組をのぞいたら

今週はジャパンカップだが、相応しいニュースが飛び込んできた。日本がパート?国に昇格したことだ。世界の競馬開催国はパート?〜?の格付があるが、日本は国際化が遅れているため長いことパート?に甘んじてきた。それが今回パート?国になったわけだが、なんと16番目の国である。日本より格付の上位の国がそんなにあるかと思うが、天皇賞やダービーなど国際解放が遅れている以上、失礼な言い方になるがペルーやチリなどよりの下位の評価になっていたのは当然なのかもしれない。

さて、そのジャパンカップ、当データベースは国際化が遅れていて、海外のデータは全く取り込んでいない。そこで、日本馬だけの評価にさせていただき、データのない馬の評価は一切しないことにする。と思ってジャパンカップ・ダートもそのつもりでいたら、日本馬だけのレースになってしまった。

【ジャパンカップ】26日東京10R(レース番号に注意)

 ◎ ディープインパクト 60.2→勝っぷり、末脚
 ○ ハーツクライ    55.6→末脚、持ちタイム

このあとは、スウィフトカレント、ディアデラノビア、コスモバルク、と続くが圏外という評価になる。展開も外国馬2頭の動向が不明のため自重させていただく。


【JCダート】25日東京11R
 
 ◎ シーキングザダイヤ 63.0→最近の実績、勝っぷり、先行力
 ○ フィールドルージュ 61.4→最近の実績、勝っぷり
 ▲ メイショウバトラー 59.5→タイム
 △ アロンダイト    56.1→勝ちっぷり
 △ オースミヘネシー  55.9→タイム
 △ ハードクリスタル  55.8→末脚

期待していたのに出てこない馬や、地方の交流競馬で活躍した馬などがいて難しいが、データベースの結論はこうなった。当データベースは、国際化はおろか国内網羅も進んでなく、中央競馬のデータのみの扱いが現状である。
展開だが、シーキングザダイヤ、アルファフォーレス、フサイチリシャールが先頭集団になるだろう。そのあとに、マイソールサウンド、メイショウバトラー、ヴァーミリアン、ジンクライシス、ピットファイターが先行集団になる。
中段以降は、アロンダイト、ハードクリスタル、ドンクール、ブルーコンコルド、フィールドルージュ、が続く。
後方に控えるのは、オースミヘネシー、サンライズバッカスということになる。


どうも、ジャパンカップもジャパンカップ・ダートも、ひとつ冴えない。そこで、JC、JCダートの裏番組として、京阪杯を楽しんでみてはいかがだろう。

【京阪杯】

 ◎ フサイチホクトセイ 63.0→タイム、先行力、上りタイム
 ○ アンバージャック  62.7→タイム、勝っぷり
 ▲ リミットレスビッド 58.8→最近の実績
 △ イースター     57.5→最近の実績
 △ モンローブロンド  56.0→取り柄ナシ
 △ タマモホットプレイ 55.8→末脚

例年は1800mに重賞ということで、またジャパンカップの陰に隠れて、なかなか味のあるレースが展開されていたが、今年から1200mの変更された。また、裏番組の渋い歴史がはじまるのだろう。

展開は、フサイチホクトセイがハナを切るだろう。このあとには、タニノマティーニ、コパニフウジン、ツルガオカハヤテがかたまる。
中段の前の方が、ロードダルメシアン、リミットレスビッド、モンローブロンド、ダブルタイトルとなって、中段の後の方に、アンバージャック、デンシャミチ、カネツテンビー、エムエスワールド、タガノバスティーユ、がつけることになる。
後方には、ワンダフルデイズ、イースター、タマモホットプレイ、が控える展開だ。

先行力があって上りタイムが抜群、といったら独走ということになろうか。まさにフサイチホクトセイのデータがそうなのだ。裏番組での痛快な独走を想像しても楽しい。


06:00:00 | datesui | No comments |

22 November

#163.真如堂 −東山の紅葉徘徊?−

真如堂は真正極楽寺いう古刹である。JR東海のCMで紅葉のきれいな画像が紹介されていたので、ぜひ紅葉を見に行きたいと思っていたお寺なのだ。この日は京阪三条から47番の市バスに乗って真如堂前で降りることにした。バスの車中で一日乗車券を買ったご利益か、降りるときバスの運転手が丁寧に道順を教えてくれた。「ここ降りますな。進んだら右曲がらんで、坂登ってください。左側に階段ありますから」と言ってくれたが、聞いておいて助かった。何も聞いていなかったら、行き着くのには相当苦戦したろう。


Y字路を左に進むと、申し訳程度の案内があった。そして、この階段も目立たない。運転手さま、サマサマだ。
 


その真如堂、千年もの歴史のあるお寺だそうだ。ご本尊は阿弥陀如来で、ご利益は極楽往生、長寿、冤罪晴らしとなっている。紅葉を見るだけで本堂へ上がらなければ500円の拝観料は不要なので、ご利益はないが眼への栄養は十分いただけた。


最初に観た紅葉は時期尚早という感じだったが、少し進むうちに色づき具合も良くなってきた。
 


バスの運転手が教えてくれた坂を登ると、裏門から入ることになるようだ。このあたりの紅葉はまだ若く、折角の真如堂も次回の楽しみかと思っていたところ、少し進むと色づきの良い紅葉が表われた。真如堂の紅葉は色が濃く、満面の紅葉になったらさぞかし「燃える真如堂」となるのだろう。

JR東海のCMやガイドブックに近い紅葉も現れてきた。
 


06:00:00 | datesui | No comments |

20 November

#162.天竜寺 −紅葉の嵯峨野?−

嵯峨野めぐりも、最後のスポット天竜寺に到達した。天竜寺は京都五山のひとつ、足利尊氏によって造営された嵯峨野を代表する名刹である。逆賊といわれた足利尊氏だが、後醍醐天皇の菩提を弔うために創建したことは案外知られていない。尊氏から命を受けた開山の夢窓国師は、建立の資金調達のために天竜寺船による元との貿易を進言し、その甲斐あって雄大な伽藍が完成した。


天竜寺は後醍醐天皇の慰霊のために尊氏によって建立された。尊氏が逆賊呼ばれされるようになったのは、後世江戸時代のことだ。



方丈の前庭から方丈の向うの曹源池に向かって見ると、丁度見ごろの紅葉が眼に飛び込んだ。


さて、天竜寺は広いので本堂には上がらず、庭園だけ歩くことにした。夢窓国師による曹源池をめぐる回遊式の広い庭園の紅葉は、全体としてはまだ色づき始めだが、ところどころ見ごろのものもあって、十分楽しむことができた。


 
広い境内は、どこかしら見ごろの紅葉があって、歩き回るのも楽しかった。


天竜寺のあとは東京へ帰るだけになった。京都駅に向かうのだが、今回は阪急嵐山線経由で京都駅を目指すことにした。天竜寺を出て、渡月橋の方へ向かったが、京福嵐山線の嵐山駅のあたりは、人、人、人の大変な賑わいだった。
同じ嵐山かと思うほど静かな阪急の嵐山駅から南行きの電車に乗る。洛西の南の方はなじみが薄く、松尾、桂などを通ると次回の楽しみのようなものが湧いてきた。


京福電鉄の嵐山駅前は、すごい人出。紅葉の季節とはいえ平日の午後、まるで渋谷センター街のようだ。


06:00:00 | datesui | No comments |