Archive for May 2008

29 May

#406.さあ、ダービーだ

迎えて75回目のダービーだ。第1回は、昭和7年というから1932年になるが、目黒競馬場で開催され、雨の中ワカタカが優勝したそうである。2分45秒もかかった走破タイムだが、初めてのことだ、よく完走したというべきか。
今年も18頭が揃った。皐月賞馬のキャプテントゥーレの離脱が残念だが、メンバーとしてはベストメンバーで最強者決定戦になるだろう。検討でじっくり楽しんで、レース鑑賞でしっかり楽しんで、当り馬券でさらに楽しめるわけで、3回も楽しみがあることなど滅多にお目に掛かれるものではない。

【 Wscランキング:ダービー 】
◆Wsc: 67.3 アドマイヤコマンド  R= 54、 RR= 75、 RT= 61、 D= 0.9、 A= 0.8、 H= 1.2
◆Wsc: 64.9 ディープスカイ    R= 35、 RR= 74、 RT= 61、 D= 2.0、 A= -0.7、 H= 3.7
◆Wsc: 63.5 サクセスブロッケン   R= 26、 RR= 58、 RT= 61、 D= 4.4、 A= 1.2、 H= 0.5
◆Wsc: 58.2 クリスタルウイング  R= 50、 RR= 64、 RT= 48、 D= 0.6、 A= 1.5、 H= 0.9
◆Wsc: 56.9 マイネルチャールズ  R= 48、 RR= 74、 RT= 38、 D= 0.3、 A= 0.4、 H= 1.7
◆Wsc: 55.4 タケミカヅチ     R= 36、 RR= 74、 RT= 43、 D= -0.6、 A= -0.1、 H= 2.0
◆Wsc: 55.3 ブラックシェル    R= 37、 RR= 72、 RT= 46、 D= -0.6、 A= -0.7、 H= 2.9
以上が、Wsc55以上の推奨馬。
◇Wsc: 54.3 モンテクリスエス   R= 53、 RR= 59、 RT= 53、 D= -1.8、 A= -0.2、 H= 2.0
◇Wsc: 51.1 レインボーペガサス  R= 35、 RR= 65、 RT= 39、 D= -1.1、 A= -0.2、 H= 3.1
◇Wsc: 47.9 メイショウクオリア  R= 43、 RR= 55、 RT= 36、 D= -0.4、 A= 1.3、 H= 1.9
◇Wsc: 46.6 スマイルジャック   R= 32、 RR= 60、 RT= 38、 D= -1.6、 A= 1.0、 H= 1.2
◇Wsc: 46.4 エーシンフォワード  R= 23、 RR= 61、 RT= 53、 D= -2.5、 A= 0.2、 H= 1.4
◇Wsc: 43.1 アグネススターチ   R= 27、 RR= 48、 RT= 43、 D= -1.6、 A= 1.8、 H= 0.1
◇Wsc: 43.0 ショウナンアルパ   R= 32、 RR= 57、 RT= 39、 D= -2.9、 A= 1.4、 H= -0.6
◇Wsc: 40.0 レッツゴーキリシマ  R= 26、 RR= 52、 RT= 42、 D= -4.1、 A= 0.8、 H= 0.2
◇Wsc: 38.5 ベンチャーナイン   R= 30、 RR= 46、 RT= 37、 D= -3.1、 A= -0.8、 H= 3.4
◇Wsc: 37.3 フローテーション   R= 32、 RR= 49、 RT= 37、 D= -3.8、 A= -0.4、 H= 0.4
◇Wsc: 30.4 サブジェクト     R= 27、 RR= 36、 RT= 42、 D= -5.6、 A= 0.4、 H= -0.7

   ・Wsc  :ウィニング・スコア→上位入着の可能性を示す総合指標で以下の指標から算出
   ・Rsc  :レースの実績→過去1年6か月を遡ったレースの実績を示す
   ・RRsc :最近の実績→6か月以内の直近3レースの実績を示す
   ・RTsc :タイム→最近のレースでの走破タイムを示すスコア
   ・DfWL :勝っぷり→勝った馬はどれだけ突き放したか、負けた馬はどこまで粘ったかを示す
   ・Asc :先行力→先行した実績を示すスコアで、高いほど先行している
   ・Hsc  :末脚→上り3ハロンの馬群の中で相対的に前に出たか後退したかを


【 展望 】
例年皐月賞組が強いのだが、その訳は厳しいG?レースを踏んできた馬とレベルの低いトライアルしか走っていない馬の差になるということらしい。そこで、今年の皐月賞がその基準に該当するかという評価をしてみると、どうも今年はまともな皐月賞とは言い難いのだ。上位入着馬のそれ以前の実績や安定性を見越した人気などを考えると「あの時はあの結果」と思わざるをえないのだ。その証拠は、安定した成績でG?に臨み好成績をあげた馬は、必ずWscに反映されてくるのが常だからである。

そこで、今年は別路線組から候補馬を推奨してみたい。青葉賞、NHKマイルCからアドマイヤコマンド、ディープスカイの2頭は当然で、クリスタルウイングまで候補にあげておきたい。さらに、今年はダート路線からも引き上げてみたい。サクセスブロッケンだが、デビューから無傷の4連勝。すべてダートだが、馬場が渋りそうなこともあり、芝ならではの要因が薄くなり、チャンスはある。皐月賞組はそのあとの評価で、相手探し程度の扱いで仕方ないだろう。


【 展開 】
強力な逃げや先行の馬が不在で、不安定なレース展開になりそうだ。
その中でスコア、実績、枠順から、アグネススターチが逃げそうだ。このあとに続く集団が異常に大きく、適当に前のポジションを取る馬が殺到する。メイショウクオリア、サクセスブロッケン、クリスタルウイング、ショウナンアルパ、スマイルジャック、アドマイヤコマンド、レッツゴーキリシマ、と7頭が先行集団としてひしめくことになる。
中段は、前の方にサブジェクト、マイネルチャールズ、エーシンフォワードの3頭で、チョイ後ろがタケミカヅチ、モンテクリスエス、レインボーペガサス、フローテーションの4頭になる。
後方に控えるのが、ディープスカイ、ブラックシェル、ベンチャーナインの3頭だ。

明快な逃げ馬のいないときはスローペースになるのが相場だが、大きな先行集団が黙っていないようだ。集団の大きさから、有利な位置取りでざわめくだけではなく、細かい出入りやゆさぶりもあるだろう。少し少しの軋轢が徐々にペースを押し上げることを想定しておきたい。つまり、傍から見ればスローだが、いつの間にかスローペースではなくなるのだ。サバイバル的な展開になることは必至で、メイショウサムソン的な馬向きのレースになりそうだ。


18:01:53 | datesui | No comments |

27 May

#405.サンドイッチと鉄火巻

「好物は何ですか」と聞かれたとき、答えるのがサンドイッチと鉄火巻になる。
飲むことや食べることに猛烈な執念がないこともあり、好物や今食べたいものを聞かれても困るとこがあるのだ。そこで、比較的食べる負荷が少なく、気楽に食べられるものとして浮上したのがこのサンドイッチと鉄火巻なのだ。
ところでこの2つの食べ物だが、コンセプトが見事に一致しているのだ。ともに博打の場の食事として開発された、いわば賭博食なのだ。なるほど、競馬好きにはもってこいの好物かもしれない。

18世紀の後半、カードゲームの好きなサンドイッチ伯爵は食事を摂る暇も惜しんでゲームに没頭していて、ゲームをしながら食事ができるように家来に申しつけたのだ。言いつけられた家臣はパンに肉や野菜を挟んで持ってきたが、実はこの食べ物がここで初めてという訳ではない。同じようなことは昔から行われていたのだが、この場面付きで知れ渡るようになり、サンドイッチという名称もついたという訳だ。
日本でも、同じように幕末の賭博場で、博打をしながら手を汚さないで摂れる食事として、マグロのズケを海苔で巻いたものが便利だった。賭博場は鉄火場と言われていたこともあり、鉄火巻という名になったそうだ。

そこで、大好きな競馬での食事話になるが、競馬場ではカツサンドをいただく。東京競馬場で、今の大スタンドの前の前のスタンドの中2階にキムラというひなびた洋食屋があった。そこのカツサンドは縁起がよくて食べていたが、スタンドが改装され小奇麗な店が並ぶようになってから店はなくなってしまった。だからという訳でもないが、それ以降どうも競馬場で食事をすると成績が振るわない。

これは中山でも同じで、モノを食べると馬券の買い方に緊張感がなくなるようだ。もう十数年も前だろうか、暮の中山で、肉マンを買おうと思ったら、そこのおばちゃんが「ああ、これ中身あんですよ」と言ったようだが、よく聞かないで買ってしまった。一口食べたものの甘くて棄ててしまったのだが、食べ物のバチが当たったか、メインレースは完敗だった。勝ったのはナカミアンデス。おばちゃんの言ったことをしっかり聞いておけば、食べ物を無駄にもせず、ひょっとしたら馬券も取れたのではないかと思っている。
そのときのナカミアンデスはレコード勝ちで、新聞を見るといつまでもコースレコードの欄にナカミアンデスの名前があって、そのたびに「食べ物は大切に」と言われているような気がしてならなかった。


23:48:00 | datesui | No comments |

25 May

#404.アマゾン遊び

アマゾンで本を買うと、アマゾンのサイトの中にマイストアというタブがあって、関連図書のお奨めをしている。「**を買われた方は次の△△も買われています」という但し書きがついて、関連図書がいくつか画像付きで紹介されるのだ。

初めはどうでもいいことと思っていたが、いろいろ想像しながら見ていくと、これが結構おもしろい。今、マイストアの先頭は、菊澤研宗著『組織の不条理−なぜ企業は日本陸軍の轍を踏み続けるのか−』という本が出ている。総務省統計局の『世界の統計』2006年度版の購入された方という但し書きがついている。『世界の統計』などという本を見るヤツは何で組織の不条理を考えたのだろうか。世界の鉱工業生産指数が133に対して日本は106ということを読んで、日本の企業の組織は旧軍部さながらの状態なのかも知れないとでも思ったのだろうか。

岩波新書の『神仏習合』や『中世神話』という2冊のお奨めが出たときは『日本史リブレット 中世の神と仏』を買ったことによるもので、バックスミンスター・フラーの『宇宙船地球号の操縦マニュアル』を買ってみたところ、同じフラーの『宇宙エコロジー』のお奨めがマイストアに載った。

そこで、松井今朝子の『仲蔵狂乱』と、D・オシアの『ポアンカレ予想を解いた数学者』を注文してみた。同梱で届いたので、マイストアにはお奨めの本でどんなモザイクができるのか楽しみになった。待ち望んだ翌日にマイストアが更新された。
トップは相変わらず『組織の不条理』だったが、2位以下に『奴の小万と呼ばれた女』や『東州しゃらくさし』などの松井今朝子の著作がズラーっと並んだ。これはさもありなんというところだが、ポアンカレを買った人の本の登場はなく、期待していたモザイクにはならなかったのだ。やはり、数学の本なぞ買う人は変わり者でモザイクにもならない少数派なのだろう。

以前『こんなに役立つ高校数学』を買ったとき、重村智計著『朝鮮半島核外交−北朝鮮の戦術と経済力−』が出てきたときはさすがに唖然とした。


00:10:02 | datesui | No comments |

23 May

#403.樫も桜つながり

オークスは数えて69回になる。2400mという牝馬にとっては長いレースだが、よく短縮もされず生き延びてきたものだと感心したい。今年も健気に18頭が揃った。本番当日は雨模様かも知れないが、全馬無事に走り終えて、行く行くは日本の次世代を支える肌馬になって欲しいと願うばかりである。

【 Wscランキング:オークス 】
◆Wsc: 69.0 レッドアゲート    R= 42、 RR= 73、 RT= 45、 D= 1.2、 A= .4、 H= 2.8
◆Wsc: 63.4 ソーマジック     R= 27、 RR= 64、 RT= 50、 D= 1、 A= -.1、 H= 2.1
◆Wsc: 61.8 レジネッタ      R= 27、 RR= 72、 RT= 47、 D= -.7、 A= .1、 H= 1.2
◆Wsc: 59.5 トールポピー     R= 29、 RR= 62、 RT= 52、 D= -1.2、 A= -.2、 H= 2
◆Wsc: 58.0 リトルアマポーラ   R= 31、 RR= 65、 RT= 42、 D= -1、 A= -.1、 H= 3
◆Wsc: 55.4 ブラックエンブレム  R= 26、 RR= 53、 RT= 45、 D= .4、 A= .8、 H= 1.1
以上がWsc55以上の推奨馬
◇Wsc: 52.9 マイネレーツェル   R= 20、 RR= 64、 RT= 46、 D= -2、 A= -.3、 H= 1.3
◇Wsc: 51.8 エアパスカル     R= 24、 RR= 57、 RT= 45、 D= -1.5、 A= .9、 H= .1
◇Wsc: 51.0 オディール      R= 25、 RR= 55、 RT= 50、 D= -2.9、 A= .3、 H= 1.7
◇Wsc: 49.6 エフティマイア    R= 21、 RR= 59、 RT= 45、 D= -2.7、 A= .1、 H= -.5
◇Wsc: 48.8 ムードインディゴ   R= 33、 RR= 59、 RT= 37、 D= -2.4、 A= -.1、 H= 2.9
◇Wsc: 48.0 カレイジャスミン   R= 28、 RR= 56、 RT= 41、 D= -2.9、 A= 1.1、 H= -.7
◇Wsc: 42.7 スペルバインド    R= 26、 RR= 52、 RT= 38、 D= -3.2、 A= .1、 H= -.3
◇Wsc: 41.9 シャランジュ     R= 22、 RR= 43、 RT= 45、 D= -3.8、 A= -.4、 H= 2
◇Wsc: 41.5 アロマキャンドル   R= 22、 RR= 45、 RT= 40、 D= -3.1、 A= .2、 H= 1.1
◇Wsc: 38.6 ライムキャンディ   R= 21、 RR= 46、 RT= 40、 D= -3.7、 A= .6、 H= -.9
◇Wsc: 36.9 ハートオブクィーン  R= 17、 RR= 45、 RT= 44、 D= -4.5、 A= .7、 H= -.7
◇Wsc: 29.3 ジョイフルスマイル  R= 18、 RR= 38、 RT= 35、 D= -5.2、 A= -.2、 H= 1.2

   ・Wsc  :ウィニング・スコア→上位入着の可能性を示す総合指標で以下の指標から算出
   ・Rsc  :レースの実績→過去1年6か月を遡ったレースの実績を示す
   ・RRsc :最近の実績→6か月以内の直近3レースの実績を示す
   ・RTsc :タイム→最近のレースでの走破タイムを示すスコア
   ・DfWL :勝っぷり→勝った馬はどれだけ突き放したか、負けた馬はどこまで粘ったかを示す
   ・Asc :先行力→先行した実績を示すスコアで、高いほど先行している
   ・Hsc  :末脚→上り3ハロンの馬群の中で相対的に前に出たか後退したかを示す


【 展望 】
例年桜花賞組が優勢だが、今年は桜花賞のレースがそれまでの実績や人気を反映したものではなかったので今年こそは桜花賞路線以外の馬の台頭を期待していた。検討データを見て、チョイト当てが外れてしまった。Wsc69.0というダントツのレッドアゲートこそトップだが、2位以下はズラッと桜花賞組が並んでしまった。やはりオークスは距離が大きく違えども桜花賞というか、クラシックつながりは無視できないのだ。

そこで、今回はレッドアゲートがスコアの高さから中心であることには違いないが、相手選びでは桜花賞組のソーマジック、レジネッタ、トールポピー、リトルアマポーラ、ブラックエンブレムの5頭となり、実にデータそのままの判断となる。しかもこの5頭はスコアの間隔も広いので各馬の差も大きいことがわかる。つまり、上位になるほど確度が高いということが歴然というデータになっている。


【 展開 】
ハッキリとした逃げ馬がいないのと逃げて好成績の馬も少ないので、フルーラSを逃げて好走したカレイジャスミンの逃げの再現とみた。以下、先行集団には、エアパスカル、ブラックエンブレム、ハートオブクィーン、ライムキャンディが続きくが、外枠のエアパスカルは無理してまでの先行策はとるまい。
中段には、レッドアゲート、オディール、アロマキャンドル、エフティマイア、スペルバインド、レジネッタがつけ、ゆっくりと進む。
後方は、ムードインディゴ、ソーマジック、リトルアマポーラ、トールポピー、ジョイフルスマイル、マイネレーツェル、シャランジュ、が控える。

ペースはスローになることは必至で、4コーナーの手前では先行集団めがけて大きな塊になることが考えられる。そこで、先行集団の中から1頭でも引き離しにかかる馬が出るとレースはおもしろくなるが、実際オークスでは追い込みの馬が強く、スローペースであっても後方の馬が優位で、今回もソーマジック、リトルアマポーラは目が離せまい。また、先行集団の近くにいるレッドアゲートは早く先頭立たないことが勝つ要因になるだろう。


01:55:37 | datesui | No comments |

22 May

#403.谷中七福神巡り? −大黒天・寿老人−

不忍池を後にして、不忍池と上野の山の間の道を進むと森鴎外が住んでいた建物の中庭が残っているという水月ホテルがあり、その前を抜け曲がりくねった坂道を上がると、大黒天を祀る護国院がある。その大黒天の隣が45年前に通っていた母校の高校だ。懐かしさの匂いはあるが、姿はさすがに変わっている。
その大黒天は近所だったので、何度も気楽に踏み込んでいたのだが、今の印象は当時の印象よりずうっと良い。お堂も立派だし、なにより能楽堂もあるのだが、当時はあまりスゴイとは思わなかった。

護国院大黒天から次の寿老人を祀る長安寺へは、谷中のお寺、お寺、お寺の道だ。静かなはずの道だが、ウォーキングの出で立ちの方々と出会う。手に手にマップを持ち七福神巡りなのか、深川と同じよう光景だ。
細い道に面して長安寺はある。小さなお寺で目立ちにくいが、七福神巡りのコースであることも隠しているような静かで控え眼な趣である。狭い境内は全くしもた屋然としていて、参拝もどうしていいのかわからなかった。結局、お賽銭をあげるでもなく出てくるところだったが、狩野芳崖のお墓をみて退散とした。

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意外と立派な大黒天のお堂。それから能舞台。いや、なかなか。

 
寿老人の長安寺。由緒があるらしくメモを取っている人がいた。もっと、やる気を出せばいいのにと思う。不謹慎な言い方だが、お寺は水商売に近いのだ。


14:44:29 | datesui | No comments |