Complete text -- "#405.サンドイッチと鉄火巻"

27 May

#405.サンドイッチと鉄火巻

「好物は何ですか」と聞かれたとき、答えるのがサンドイッチと鉄火巻になる。
飲むことや食べることに猛烈な執念がないこともあり、好物や今食べたいものを聞かれても困るとこがあるのだ。そこで、比較的食べる負荷が少なく、気楽に食べられるものとして浮上したのがこのサンドイッチと鉄火巻なのだ。
ところでこの2つの食べ物だが、コンセプトが見事に一致しているのだ。ともに博打の場の食事として開発された、いわば賭博食なのだ。なるほど、競馬好きにはもってこいの好物かもしれない。

18世紀の後半、カードゲームの好きなサンドイッチ伯爵は食事を摂る暇も惜しんでゲームに没頭していて、ゲームをしながら食事ができるように家来に申しつけたのだ。言いつけられた家臣はパンに肉や野菜を挟んで持ってきたが、実はこの食べ物がここで初めてという訳ではない。同じようなことは昔から行われていたのだが、この場面付きで知れ渡るようになり、サンドイッチという名称もついたという訳だ。
日本でも、同じように幕末の賭博場で、博打をしながら手を汚さないで摂れる食事として、マグロのズケを海苔で巻いたものが便利だった。賭博場は鉄火場と言われていたこともあり、鉄火巻という名になったそうだ。

そこで、大好きな競馬での食事話になるが、競馬場ではカツサンドをいただく。東京競馬場で、今の大スタンドの前の前のスタンドの中2階にキムラというひなびた洋食屋があった。そこのカツサンドは縁起がよくて食べていたが、スタンドが改装され小奇麗な店が並ぶようになってから店はなくなってしまった。だからという訳でもないが、それ以降どうも競馬場で食事をすると成績が振るわない。

これは中山でも同じで、モノを食べると馬券の買い方に緊張感がなくなるようだ。もう十数年も前だろうか、暮の中山で、肉マンを買おうと思ったら、そこのおばちゃんが「ああ、これ中身あんですよ」と言ったようだが、よく聞かないで買ってしまった。一口食べたものの甘くて棄ててしまったのだが、食べ物のバチが当たったか、メインレースは完敗だった。勝ったのはナカミアンデス。おばちゃんの言ったことをしっかり聞いておけば、食べ物を無駄にもせず、ひょっとしたら馬券も取れたのではないかと思っている。
そのときのナカミアンデスはレコード勝ちで、新聞を見るといつまでもコースレコードの欄にナカミアンデスの名前があって、そのたびに「食べ物は大切に」と言われているような気がしてならなかった。


23:48:00 | datesui | |
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