Complete text -- "#414.大きな単位"

18 June

#414.大きな単位

将棋の羽生善治が名人位を奪取し、十九世名人の資格を得たそうだ。中学生のころから末は名人と言われ、確かに名人位を始め7つのタイトル戦を完全制覇してきた。最後に残ってしまったのが永世名人という最高峰で、名人位を5期取れば永世名人、つまり十九世名人になれるのだが、羽生にも足踏みがあった。

この将棋の永世名人と言うのは、江戸時代初めの初代名人大橋宗桂から始まるもので、昭和の初めの13代の関根金次郎まで世襲制で継がれてきた。これを昭和12年の1937年から実力名人制に変わり、将棋史の残る死闘の結果、十四世名人として木村義雄が就いた。以後、大山康晴十五世、中原誠十六世、谷川浩司十七世と続き、十八世は羽生の時間の問題と思われていたが、小学生のころからのライバル森内俊之に先を越されてしまっていたのである。

羽生の強さは今更このような場所で申し上げることもないが、一言で言えば大きく先を見ることだと思う。10手先にはこの戦闘の中心はこちらに向きそうだとか、20手先にはどこで戦闘が起きそうだというようなことだ。また一方で、普段の研究はITの技術も巧みに使いこなしながら10手単位で先を見通す力をつけるようなトレーニングを積んでいるようにも思える。精緻な読みの積み重ねも当然あるだろうが、大きな単位で先を見通す力は羽生の将棋に限らずいつでもどこでも考えておきたいことと考える。

00:50:53 | datesui | |
Comments
コメントがありません
Add Comments
:

:

トラックバック
DISALLOWED (TrackBack)