Complete text -- "#180.いじめと加害者 −振り返れば2006?−"

26 December

#180.いじめと加害者 −振り返れば2006?−

教育基本法の審議と平行して、いじめの問題が盛んになってきた。議論自体が盛んになることは大いに結構だが、初めのころは対処療法に終始したようで結末が心配された。というのも、「死のうとする前に」や「いじめられたら」というへの対処ばかりで、肝心のいじめのもとに眼が向かなかったからである。

朝日新聞の朝刊の一面にも、毎日各界の選りすぐりの人たちによる、いじめへの連載があったが、「いじめられたら」という論調ばかりで、「いじめをやめよう」とか「いじめは悪い」という論調はなかなか現われなかった。さすがに、「いじめられる方も悪い」という論調はなかったが、以前はこれで事を済ましていた乱暴な先生もいたそうだから驚きだ。新聞の記事も、いじめられるタイプなどと、いじめられる側の話が多く、これではいじめる側に情報提供をしていることにもなりかなねない。連載の終わりの頃になって、宮本亜門のカエルをいじめてしまった話は心打たれる良い話で、いじめる側に立った数少ないいじめの話だった。

日本の社会は加害者に甘く感じられるようで、いじめに限らず、自動車事故、そして少年犯罪と、刑罰を重くすることが世論の方向になっている。というのも、加害者には人権というものがあって、物申せないような雰囲気があるようだが、その引き換えに刑罰が重くなるのでは議論が噛み合っていないようだ。


06:00:00 | datesui | |
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