Complete text -- "#231.魔が潜む桜花賞"
06 April
#231.魔が潜む桜花賞
いよいよというか、もうというか、クラシックの第1戦桜花賞だ。準備はよろしいだろうか。勝負勘、データ、体調、気合などの準備に加え、なにより大切なのは軍資金だ。今年からの桜花賞は大きく様変わりで、例年言われ続けた桜花賞独特という魔の存在のいくつかが解消されるかも知れないのだ。その魔は大きく3つあって、第一はスタート直後の急カーブ、第二はハイペース、そして第三は牝馬特有の体調である。
なんと言っても最大の魔はスタート直後の急カーブだが、去年の阪神競馬場の大改修で解消されると思いたい。阪神の新1600mは、向う正面からスタートして、直線が続いたあと3コーナーに入るという、全国でも珍しい緩やかなコースになった。去年まではポジション取りのため、スタートするやコーナーめがけて先行馬が殺到し、波乱や危険のもとになっていたが、今年からはそれもなくなるだろう。この殺到がなくなれば、桜花賞ペースといわれる異常なペースもなくなるかもしれない。亡くなったあの大川慶次郎も、阪神の1600mの異常性はG?の資格がない、新潟で実施すべきだなどとまで言っていたが、今は天国でどう思っているだろうか。
どうやら、魔の2つは解消できそうだ。3つ目の魔はフケと呼ばれる牝馬の発情であるが、最近は調教技術の向上か、深刻なものは少なくなったようだ。だが、今年は異常な暖冬、忘れていたものが思い出されるかもしれない。当日のパドックでの様子を入念にチェックしておく必要が今年は特にありそうだ。
今年の桜花賞は横綱がいる。それどころか、大関も関脇もいる。はっきり三強の様相で、ウオッカ、アストンマーチャン、ダイワスカーレトの力比べが楽しみである。特に、ウオッカの力が頭ひとつリードしている状況といえよう。ただ、3頭ははっきり力上位だが、揃って1着2着3着を占めることは稀と思いたい。
では、データベースの見解を質そう。
Wsc RRs RTs DfWL Asc Hsc L3Ts
◎ ウオッカ 71.0 69.2 63.7 2.4 1.1 3.3 69.8
○ アストンマーチャン 69.7 69.5 60.7 3.5 2.6 1.9 50.8
▲ ダイワスカーレット 61.3 64.6 53.1 1.3 1.8 2.9 66.7
△ カタマチボタン 55.2 57.3 52.8 0.8 2.0 4.7 60.5
イクスキューズ 54.7 61.9 53.3 −1.0 1.3 1.4 56.0
ショウナンタレント 53.8 58.8 45.7 0.8 3.8 −0.2 50.8
アマノチェリーラン 52.1 61.7 51.2 0.3 2.1 −0.4 38.1
フローラルカーヴ 51.6 58.9 47.7 0.0 −1.4 3.3 57.6
エミーズスマイル 48.5 57.5 35.4 1.9 0.1 3.2 48.9
ローブデコルテ 48.5 60.6 53.8 −3.6 −0.5 0.5 53.3
カノヤザクラ 46.5 52.2 53.6 −1.8 0.6 1.0 43.7
ピンクカメオ 45.8 47.9 48.6 −1.5 0.0 1.8 53.6
ニシノチャーミー 45.2 56.7 35.1 1.5 −0.3 2.2 36.1
レインダンス 43.8 66.5 56.1 −5.9 −0.2 −2.1 67.2
ハギノルチェーレ 43.6 53.0 54.7 −3.5 −1.2 0.8 52.6
ベリーベリナイス 43.0 47.0 36.5 1.5 2.3 −0.4 33.1
クーヴェルチュール 34.9 47.5 37.5 −2.9 0.8 −0.5 36.0
アポロティアラ 31.0 37.5 43.7 −3.8 0.5 −1.0 45.7
・Wsc :ウィニング・スコア→上位入着の可能性を示す総合指標で以下の指標から算出
・RRsc :最近の実績→6か月以内の直近3レースの実績を示す
・RTsc :タイム→最近のレースでの走破タイムを示すスコア
・DfWL :勝っぷり→勝った馬はどれだけ突き放したか、負けた馬はどこまで粘ったかを示す
・Asc :先行力→先行した実績を示すスコアで、高いほど先行している
・Hsc :末脚→上り3ハロンの馬群の中で相対的に前に出たか後退したかを示す
・L3Tsc:末脚?→上り3ハロンタイムのスコア
三強の競演というのが今年の桜花賞だろう。美しいレースを期待したい。第4勢力として、データベースはカタマチボタンを指名してきた。しっかりとした末脚への期待もあるだろうが、一線級との対戦が少なく不安もある反面、未知数の魅力を評価したものと思われる。
展開だが、今年は予想の立てやすい展開を期待してよさそうだ。まず、ショウナンタレントが行きそうだ。1枠1番という絶好の枠順が生きそうだ。去年までは両刃の剣になりそうな枠だったが、今年からその心配は杞憂に変ると思われる。2番手の先行グループは、アストンマーチャン、ベリーベリナイス、アマノチェリーラン、カタマチボタン、ダイワスカーレット、が構成しそうだ。
中段には、イクスキューズ、ウオッカ、クーヴェルチュール、カノヤザクラ、アポロティアラ、がつけることになる。
後方は、エミーズスマイル、ピンクカメオ、レインダンス、ニシノチャーミー、ローブデコルテ、ハギノルチェーレ、フローラルカーブ、が控える展開になりそうだ。
コースが変わって、スローペースが心配だったが、実力のある先行馬が揃って、おもしろいレースになると考えられる。
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