Complete text -- "#232.耳福に眼福"

09 April

#232.耳福に眼福

一昨日の土曜日、長唄を聞く機会に恵まれた。仕事仲間の奥様の発表会とのことで、紀尾井ホールまで出掛けた。奥様は大活躍で、出番も多かったが、いいところでのソロもあり、日頃の修練の賜物を披露していただいた。特に、『横笛』などという出し物は初めてで嬉しかったが、鑑賞力もないくせに妙な顔をして聞いていたのだろうと思うと、お恥ずかしい限りである。このところ三味線の音が、津軽や沖縄に押されて、澄んだ音を聞くことがなくなっていたので、ホッとした気分にもなれた。ひとつひとつの音を丁寧に凝縮した、引き算文化の象徴のような三味線の音色をもっと大切にしたものだ。

その紀尾井ホールへの行き帰りに眼福があった。ひとつは桜で、上智大学前の土手には見事な桜並木が満開で、ところどころでお花見の宴が開かれていた。少し歩くと珍しいものに出会った。「尾張名古屋藩屋敷跡」という碑だ。紀尾井町という地名は、この地に紀州の徳川様、尾張の徳川様の屋敷に、彦根藩の井伊家の屋敷があったことから、紀・尾・井となったわけである。その前に、弁慶橋のそばで紀州徳川様の屋敷跡の碑を見てきたので、同じ道を辿ってもう一度確認してみた。すると、もうひとつ、井伊家の屋敷跡の碑を見つけなければと思ったが、長唄を聞きに来たのが目的なので次の楽しみとして帰ってきた。耳への至福あとは眼福と幸せな一日だった。



上智大学前の土手、真田堀の上は桜が満開。お花見客もいたが、桜の下で宴会も絶好調だった。



紀尾井町のもととなった紀伊、尾張の2つ屋敷の跡を示すの碑。尾張の碑よりも、その後に控えた「福田家」の看板の方が威厳が感じられる。
もう1つの井伊家の碑を捜さなくては。


06:00:00 | datesui | |
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