Complete text -- "#237.半分を掛ける"
17 April
#237.半分を掛ける
1に、−1を掛けてみると、−1になる。もう一度、−1を掛けると元の1になる。これを数直線状にベクトルで表すと、最初の1は、中心のゼロから右へ1のところまでの矢印になる。これに−1を掛けるとゼロを中心にして今度は左に向いて−1までの矢印になる。もう一度、−1を掛けると右向きの矢印に戻る。この−1を掛ける操作を繰り返すと、矢印は右を向いたり左を向いたりを繰り返すことになる。これは、長さ1のベクトルがゼロを中心にしてグルグル回っているように見える。もし見えないようななら、回転しているように見て欲しい。−1を掛けるということは、ベクトルである矢印を180度回転することなのだと思って欲しいのだ。そこで、−1の半分を掛けてみよう。つまり、2回掛けると−1になる数を掛けることだ。ベクトルの回転でいえば90度回転することになる。とうことは、ベクトルの矢印は数直線の上にゼロから直立することになるのだ。その長さ1の矢印の先が、1に−1の半分を掛けたものにあることになる。2回掛けると−1になるのだから、ご存知iとなるわけだが、1と−1の位置関係では直行する位置にあところが興味の湧くところだ。ちなみに、このiにiを掛けると−1になり、90度ずつ2回回転させたことに等しいので、180度の回転になる。
高校時代に複素平面なるものを習った人もいるかと思うが、x軸上に複素数の実部、y軸上に虚部をとるということを天下り的に教わったと思われるが、実部と虚部が直行する理由までは教えてもらわなかったと思う。こうして考えてみると、複素平面というものは単に実部をx軸、虚部をy軸に置いたようなものではなく、実に遠慮深謀の果ての産物であることがわかる。ちなみにiの半分もあるかというと、45度回転した数も当然存在して、計算上でも見事に一致するのだ。当たり前かもしれないが、計算した数と45度のベクトルの先との一致が確かめられたとき、嬉しくて結構興奮したのを今でも思い出す。
Comments
アマデウス wrote:
ちょっと話は変りますが、高校生の頃に
「何故マイナスにマイナスを掛けるとプラスになる」
ことが不思議で、
「負の負だから正」
と勝手に解釈し、納得していました。
今にしてみれば、先生に質問すれば良かったと思っています。
ちょうどその頃は、
「iの二乗は−1」
と念仏のように唱えていた頃ですね。
「何故マイナスにマイナスを掛けるとプラスになる」
ことが不思議で、
「負の負だから正」
と勝手に解釈し、納得していました。
今にしてみれば、先生に質問すれば良かったと思っています。
ちょうどその頃は、
「iの二乗は−1」
と念仏のように唱えていた頃ですね。
04/22/07 04:47:28
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