Archive for June 2008

27 June

#419.世代交代の起きる日

今年の宝塚記念は世代交代を意識して観てみたいと思っている。注目は4歳勢だ。牝馬の方ではいち早く4歳天下が確立している状況が明瞭だ。ダイワスカーレットとウオッカという2強が君臨し、それに続く存在としてエイジアンウインズも短距離系で台頭して、さらにダート路線でもスリープレスナイトが着実に成長を遂げいずれ大きなところを獲りそうだ。
これに牡馬の方も少し遅れるが4歳勢の攻勢が兆しではなく、現実の状況になってきた。アサクサキングス、ロックドゥカンプ、アルナスライン、ホクトスルタン、アドマイヤオーラなどが少しずつだが競馬を覚えてきたようで、今度こそエイシンデピュティ、メイショウサムソンの既成勢力を打ち破れそうな気配だ。

秋の勢力図を4歳中心で考えると、牝馬は夏さえ無事に越せば現状の延長だろう。牡馬は楽しみにつながることが占われるのがこの宝塚記念になるだろう。4歳牡馬、頑張れ!

【 Wscランキング:宝塚記念 】
◆Wsc: 72.1 アルナスライン    R= 52、 RR= 73、 RT= 68、 D= 2.9、 A= -.1、 H= 2.6
◆Wsc: 61.6 カンパニー      R= 48、 RR= 73、 RT= 59、 D= 0.1、 A= 0.1、 H= 3.2
◆Wsc: 55.3 エアシェイディ    R= 44、 RR= 75、 RT= 54、 D= -0.7、 A= -0.6、 H= 3.5
以上がWsc55以上の推奨馬
◇Wsc: 54.8 エイシンデピュティ  R= 39、 RR= 71、 RT= 62、 D= -0.2、 A= 1.8、 H= 0.8
◇Wsc: 54.7 アサクサキングス   R= 46、 RR= 77、 RT= 60、 D= -1.4、 A= 1.8、 H= -1.3
◇Wsc: 54.0 アドマイヤオーラ    R= 54、 RR= 68、 RT= 54、 D= -0.8、 A= -0.4、 H= 4.4
◇Wsc: 51.1 ロックドゥカンプ    R= 53、 RR= 74、 RT= 56、 D= -3、 A= 1.2、 H= 0.9
◇Wsc: 49.1 ドリームパスポート  R= 49、 RR= 65、 RT= 57、 D= -1.7、 A= -0.4、 H= 0.9
◇Wsc: 48.4 サクラメガワンダー  R= 46、 RR= 67、 RT= 54、 D= -1.9、 A= 0.8、 H= 1.3
◇Wsc: 48.3 アドマイヤフジ    R= 47、 RR= 70、 RT= 48、 D= -1.8、 A= 0.4、 H= 1.2
◇Wsc: 45.1 メイショウサムソン  R= 57、 RR= 59、 RT= 56、 D= -3.7、 A= 0.1、 H= 0.7
◇Wsc: 36.0 フォルテベリーニ   R= 41、 RR= 56、 RT= 58、 D= -4.3、 A= -0.1、 H= 1.2
◇Wsc: 35.9 アサカディフィート  R= 41、 RR= 56、 RT= 47、 D= -3、 A= -1.2、 H= 2.1
◇Wsc: 33.7 インティライミ    R= 50、 RR= 48、 RT= 53、 D= -4.7、 A= -0.3、 H= -0.9
 
   ・Wsc  :ウィニング・スコア→上位入着の可能性を示す総合指標で以下の指標から算出
   ・Rsc  :レースの実績→過去1年6か月を遡ったレースの実績を示す
   ・RRsc :最近の実績→6か月以内の直近3レースの実績を示す
   ・RTsc :タイム→最近のレースでの走破タイムを示すスコア
   ・DfWL :勝っぷり→勝った馬はどれだけ突き放したか、負けた馬はどこまで粘ったかを示す
   ・Asc :先行力→先行した実績を示すスコアで、高いほど先行している
   ・Hsc  :末脚→上り3ハロンの馬群の中で相対的に前に出たか後退したかを示す


【 展望 】
宝塚記念はG?の大レースだが、それ以上に今年の競馬の展開を占う重要な一戦になるだろう。4歳牡馬が秋の主導権を獲るか、それとも中心勢力不在のまま秋の混戦路線になるかの瀬戸際の状況だ。
そこで注目は4歳勢だ。なかでもアルナスラインにフォーカスを当てたい。3歳の春からそこそこの成績は上げていたが、秋のクラシック路線で人気以上の好走を連発した。年が明けてからは人気を背負って人気に応える走りもできるようになり、大きいところも指呼の間というところに来た。
加えて、アサクサキングス、アドマイヤオーラ、ロックドゥカンンプの4歳の3頭は、本来なら主役のはずで、それぞれに確実な充実度を身につけているところを評価したい。ここで、それぞれにおいて最終仕上げの好走があれば秋は中心馬の1頭になることが約束されるだろう。
既成勢力ではエイシンデピュティは信頼できそうだが、メイショウサムソンの不安定さには全面的な信用はできかねるので、ここはカンパニー、エアシェイディの曲者系の方がおもしろいかもしれない。

アルナスライン中心、相手としてカンパニーとエアシェイディ、あとはWsc50以上からエイシンデピュティ、アサクサキングス、アドマイヤオーラ、ロックドゥカンプをどう絡ませるかだろう。


【 展開 】
金鯱賞の走りっぷりから、エイシンデピュティ逃げそうだ。成績不振のインティライミの玉砕も考えられるが、ここはエイシンデピュティの逃げ、アサクサキングスの追走が自然と思われる。
そのあとの先行集団は、ロックドゥカンプが前の位置を占め、サクラメガワンダー、アドマイヤフジ、メイショウサムソン、カンパニーが続くだろう。
中段から後方にかけては、フォルテベリーニ、アルナスライン、インティライミがやや前の方で、後方には"アドマイヤオーラ、ドリームパスポート、エアシェイディ、アサカディフィートが控えることになるだろう。

動きは、メイショウサムソンがつくることになるだろう。中途半端な仕掛けで追いづめになるパターンがメイショウサムソンには向いているので、3コーナーからなし崩し的なスパートが始まるだろう。4角先頭、力で押し切りというレースができる馬が栄冠に近そうだ。


12:34:08 | datesui | No comments |

26 June

#418.明るい夜

夜は暗いものだが、真っ暗な夜というものは想像することすら難しくなっている。電灯のおかげで闇から解放されたのは結構なことだが、明るい夜が当たり前になってしまったようだ。明かりが十分でない時代は、夕食の後は寝るしかなかっただろう。ところが明かりは寝るだけの夜から、そうでない夜をつくりあげたようだ。

室町時代に荏胡麻などを原料とする灯油が広まり、夕食後という自由な時間が発生した。これにより文化の担い手が広まったそうである。それ以前の文化の担い手は昼間から文化活動に専念できるお公家様や僧侶などに限られていた訳だが、それ以外の人たちが昼間の仕事の後、文化活動にも参加できるようになった。武士を始め、商人や農民までも参加するようになり、文化の担い手の広がりは文化の多様性をもたらすことになった。武士の好みと思われる水墨画、町衆の芸事と思われる茶道、田楽・猿楽は農民の芸能だ。

このような植物由来の灯油は仄かな明かりで、真っ暗闇から人間を解放し安らぎを与えることから、人はもてる時間を文化活動に費やすことになった。ところが近代の電灯の明かりは、明るいが優しさがなく、ただ夜を無くしただけの昼間の延長を作っただけのようだ。文明的な光は生産活動に空しく消費されてしまうが、文化的な光を取り戻すことにも力を注ぎたいものである。


10:57:32 | datesui | No comments |

25 June

#417.歳をとって

歴史の本を読むと、1970年ごろから現代ということらしい。それより前は現代ではなく、正真正銘の歴史の中ということになる。お蔭さまで長生きをさせていただくと、実際に生きてきたことが歴史になっていて、なんとなく恥ずかしい気持ちになることがある。

例えば、キューバ危機などは実際に新聞で読んだりしたが、当時の中学校では先生がこんな事件が起きていると簡単な説明をしてくれてもいた。ところが、今もう一度思い返すと、第3次世界大戦の心配もあったという実に恐ろしいことだった訳だが、緊急体制などは別にとりもしなかった。マスコミも騒がなかったようだが、当時の自分には巨人が勝った負けたことより価値の低い話だった。
さすがに、サンフランシスコ平和条約や朝鮮戦争には体感がないが、ベトナム戦争や中国の文化大革命は生意気な意見を述べていたように思える。だが、今、体感したと言える歴史上のことは、唯一、高度成長ぐらいだろうか。テレビを見ることができるようになったからだろうか。

こうして今起きていることを考えると、実に無責任に生きているように思えてならない。漫然と歴史をやり過ごしてしまうのではなく、少なくとも自分の目の前で起きたことは、後世に伝える責任があるとして生きなきゃならないだろう。


23:49:14 | datesui | No comments |

23 June

#416.梅雨時は鎌倉へ

少し前の6月4日、鎌倉に出掛けた。関東地方が梅雨に入ったと思われるとの発表が気象庁からあったからだ。鎌倉は何故か梅雨の季節が良く似合いそうだ。明月院のイメージだろうか。
鎌倉の遊山コースはいろいろあるが、ここは渋く『五山巡り』としてみた。鎌倉五山は中国の五山・十刹に倣ったもので、建長寺を1位におき、2位に円覚寺、以下寿福寺、浄智寺、浄妙寺となっている。北鎌倉から入ったので、格式の順ではなく円覚寺、浄智寺、建長寺、浄妙寺、寿福寺という順で回ることにした。折から梅雨の合間で、強い日差しに雨後の緑が冴え、古都鎌倉のイメージを盛り上げてくれた。

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◆円覚寺の境内はとても広く、しかも山腹に展開しているので長い石段や山道を登り降りすることになる。門前の緑の美しさでその疲れは癒やされた。◆◆浄智寺は震災で建物が倒壊したため、再建された建物はやはり新しさがめだった。渋沢龍彦のお墓があることを後で知って、明日にでも行かねばと思った。


 
◆建長寺はランクづけ1位のことだけある立派な伽藍だ。◆◆浄妙寺は4つのお寺から離れた金沢街道沿いにある。歩いてみたが、かなりの道のりだった。帰りはさすがに京急バスのご厄介になった。



◆寿福寺は公開されていないが、素晴らしい佇まいのお寺だ。非公開だと栞などがないので、由緒などを知るには不都合だ。


23:19:00 | datesui | No comments |

21 June

#415.牝馬の季節

21日からの競馬は夏モードだ。函館にも開催が移り、3か月あまりの北海道競馬が始まることになる。また、福島競馬も開催され、このあとは新潟、小倉そして北海道の2会場が夏の主戦場になる。一方、宝塚記念のある阪神の1開催を除いて中央場所は長い休みに入る。

この夏競馬の始まりを告げる重賞レースが今週のマーメイドステークスなのだが少々影が薄い。来週が宝塚記念ということもあろうが、夏はオフシーズンという感覚や牝馬限定ということもあり、関心がイマイチなのだろうか。
マーメイドSは1996年に創設された比較的新しいレースだ。芝の2000mに、前述したように3歳以上の牝馬によるハンデキャップ戦だ。開設当初は別定戦だったが、2年前からハンデキャップ戦に変更され、格下の馬の挑戦もしやすくなったものと思われる。逆に言えば、夏期の重賞の出走頭数減対策かも知れない。

だが、本来は出走ラッシュがあってもおかしくないはずで、なんとなれば夏は牝馬の季節なのだ。「牝馬は夏に強い」という俗説もあるが、データを辿ると、6〜8月、3か月の牝馬の勝率は通年の勝率と比べて高くなっていて、特に8月は統計的有意差の出るほど顕著な結果になっているのだ。この事実を競馬関係者がとらえていれば、この時期に牝馬のレースで出走頭数減など心配する方が不思議なことなのだが、競馬界での「牝馬と夏」についてはどんな認識なのだろうか。

さて、G?の余韻がまだ残っている気持ちでのハンデ戦の検討は調子が出にくいのだが、ハンデの影響が出る出ないの判断が難しい。概してハンデの重い方はマイネスとして出るようだが、軽い方がはっきりしない。特に、極端に軽い方は、いくら軽くしてもらってもそれ以上速く走れる訳がないのだから、当然と言えば当然だ。ただ、この辺りはデータを精緻に検討して申し上げることがらなので、データ分析をして場を改めてお知らせしたい。

【 Wscランキング : マーメイドS 】<阪神10レース>
◆Wsc: 60.7 ベッラレイア     R= 57、 RR= 62、 RT= 51、 D= -2.7、 A= -.4、 H= 3.9
◆Wsc: 60.2 ザレマ        R= 44、 RR= 64、 RT= 53、 D= -1.6、 A= 1.4、 H= .6
◆Wsc: 59.2 ブローオブサンダー R= 30、 RR= 41、 RT= 48、 D= 4.1、 A= 2.8、 H= 0
◆Wsc: 58.6 サンレイジャスパー R= 48、 RR= 52、 RT= 48、 D= -.7、 A= -.7、 H= 3.4
◆Wsc: 55.9 ウインシンシア   R= 47、 RR= 49、 RT= 48、 D= .1、 A= -1.5、 H= 5.5
以上が、Wsc55以上のデータベースの推奨馬。
◇Wsc: 54.7 ソリッドプラチナム R= 41、 RR= 47、 RT= 52、 D= -1、 A= -1、 H= 3.3
◇Wsc: 52.7 ブリトマルティス  R= 41、 RR= 50、 RT= 47、 D= -1、 A= .7、 H= -.4
◇Wsc: 51.0 ホウショウループ  R= 37、 RR= 50、 RT= 47、 D= -.6、 A= -.4、 H= 2.4
◇Wsc: 42.6 トウカイルナ    R= 29、  RR= 37、 RT= 50、 D= -2.4、 A= -.8、 H= 4.2
◇Wsc: 37.3 ピースオブラヴ   R= 36、 RR= 41、 RT= 51、 D= -5.3、 A= 1.7、 H= -.5
◇Wsc: 34.6 トーホウシャイン  R= 35、 RR= 40、 RT= 44、 D= -5.7、 A= -1.9、 H= 3.7
◇Wsc: 32.5 レインダンス    R= 43、 RR= 33、 RT= 42、 D= -6.5、 A= .7、 H= .7

   ・Wsc  :ウィニング・スコア→上位入着の可能性を示す総合指標で以下の指標から算出
   ・Rsc  :レースの実績→過去1年6か月を遡ったレースの実績を示す
   ・RRsc :最近の実績→6か月以内の直近3レースの実績を示す
   ・RTsc :タイム→最近のレースでの走破タイムを示すスコア
   ・DfWL :勝っぷり→勝った馬はどれだけ突き放したか、負けた馬はどこまで粘ったかを示す
   ・Asc :先行力→先行した実績を示すスコアで、高いほど先行している
   ・Hsc  :末脚→上り3ハロンの馬群の中で相対的に前に出たか後退したかを示す


【 展望 】
実績からベッラレイアがイチオシだ。去年のクラシック戦線での活躍から大いに期待できそうだ。前走はヴィクトリアCで8着という結果だったが、これは去年の秋以来の久々だったので、このレースでは力が発揮できそうだ。2番手はザレマというにしたい。牝馬路線での堅実な好走が光るので、ここでも牝馬内での安定性が望めそうだ。3番手に抜擢がブローオブサンダーだ。現在2連勝。いずれも500万下だが、完勝、圧勝の内容だ。だが、ダート戦だったことを考えるとハンデを貰っても一抹の不安はある。
以下、サンンレイジャスパーは、前走は小倉記念勝ちだが、約1年の久々であること、またウインシンシアも前走は1000万下の有松特別快勝だが戦績は乱高下状態で安定を欠き、両馬とも注目はしたいが中心には据えられない。
Wsc下位の中からはブリトマルティスが2連勝で要注意かも知れない。だが、勝負に脆いところがあり、負けると着にも残らないので相手探しに向かないと思われる。

【 展開 】
逃げるのはブローオブサンダーだろう。次いでの追走組は、ピースオブラヴ、ザレマ、の2頭だろう。
中段は、レインダンス、ブリトマルティス、ベッラレイア、ホウショウループの4頭が占めると思われる。
そして、後方は、サンレイジャスパー、トウカイルナ、ソリッドプラチナム、ウインシンシア、トーホウシャインが控えることになるだろう。
12頭と頭数も手ごろなので、まとまった集団で動くことになり、決め手勝負というレースになりそうだ。


14:58:41 | datesui | No comments |