Archive for August 2006

31 August

#138.冥王星

冥王星が惑星ではなくなったそうだ。議論の果てに、自らが冥土に行ってしまったようだ。ただ、この議論は科学的な面からだけではなく文化的な意味もあっておもしろかった。だが、ここでも発見者が米国人であったことから、米国は無意味な横車を押しかけたようだった。こんなことだから、米国産牛肉への安心感は拭いたくたって拭えなくなってしまう。

そんなことより、やはり冥王星はちょっと変だった。もともと水星から土星までの6つの惑星は太古の昔から知られていて、それは文化的にも確定したことだった。そこへ、1781年天王星が発見され、1846年に海王星も発見された。その延長のつもりだろうか、1930年に冥王星が発見された。ところが、この惑星の小ささはともかく、軌道は他の惑星とはずいぶん異なっていて、20年程前海王星より内側に入ってしまう時期もあった。どっかのテレビCMに、「水、金、地、火、木、土、天、冥、海」というのがあったのを憶えているだろうか。その他、冥王星の小ささからくるデータの異質感はどうも受け入れ難いものが多い。

でも、ひとつだけ惑星だというもがある。それは衛星があることだ。1つだが、堂々冥王星には月がある。でも、これも1978年の発見で、本体の発見から50年も経っていて、何か不完全さを感じてならない。海王星の衛星は本体の発見と同時だし、18世紀の発見の天王星にしても7年後には衛星が発見されているのだ。

そんな具合で、どこから見ても冥王星は惑星とは異なるものらしいが、何も議論までして格下げが必要なことなのだろうか。ご愛嬌で残しておいてもいいと思うのだが。


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30 August

#137.虫視的ということば

鳥瞰図とか俯瞰図ということばがあって、「瞰」という字は高いところから見下すという意味らしい。物事の全体を見通すということは大切なことで、小学校以来なるべく全体を見渡すような視点をもつことが教え込まれてきた。ところが、あまりにも「木を見て、森を見ず」の排斥に偏重したため、森が木から成り立っていることすら知らない状況になっているようだ。そこで、鳥瞰に対抗するする意味で、鳥の逆、虫を考えてみた。鳥瞰が鳥の眼とするならば、虫の眼はなんだろう。そこで、瞰に対する見る意味のことばを調べた。
見、看、視、観、など見ることの字はたくさんある。見は目を大きく開いて見ている様子を示しているそうだ。看は目の上に手があることから、かざし見る様子だそうだ。こんな具合に調べていくと、さすがに漢字は中国4000年の重みのあるもので、実におもしろいし奥も深い。その中で目についたのが「視」だった。視点を止めて、しっかり見ることだそうだ。これだと思って、「虫視」ということばを考えた。これなら、鳥瞰的に対して虫視的ということばで対抗できそうだ。
小学校のころ、「りんご、もも、なし」というと先生に「果物」となおされ、「いぬ、たぬき、くま」は「どうぶつ」とか「けもの」となおされたが、その逆のことは教わったことがない。映像文化の蔓延で、現実のものとの距離がますます遠くなっている。手元に鳥瞰的なことがあったら、逆に辿って虫視的に翻訳してみるのもおもしろいだろう。


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29 August

#136.人間形成

先日、検査で入院をしたのだが、検査の後遺症になるのだろうか、手首に内出血が生じて左腕が使えない状態が続いている。担当の医者に見せたのだが、やはりしばらくは我慢ということだった。でも、これ以上悪くはならないということを言ってもらったので少しは安心ができて、気のせいか改善の兆しがみえてきたのは、性格だろうか。

でも、日常の生活は甚だ不便だ。思わぬところで左手の役割の重要さを再認識している。例えば、歯を磨くとき、左手はどうしていたかというと、洗面台に手をついていたのだ。初日は知らずについた左手の痛みで飛び上がったしまった。今は左手を洗面台につくことはないが、左手をぶらぶらさせている不自然なフォームに馴染めなくて困っている。以前にもこんなことはあったと思うが、たぶん喉元過ぎればというように、あっさり忘れているのだろう。できないことは家内にやってもらう訳だが、できないのだから潔くお願いしてしまえば良いのだが、なんとなく後ろめたさを感じてならないのが困ったところだ。結局はできないのだから、やってもらうのだが、何とも馬鹿な性格で自分ながら呆れている。

会社にいたころ、ずーっと得をするより、少しばかり損な立場の方が、居心地が良かったことを思い出す。そんなことが今に至るまで影響しているとは、これも30何年にわたる人間形成なんだろうか。


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28 August

#135.専業主婦

秋のパリで開催される競馬の世界選手権レースである凱旋門賞に、日本からディープインパクトが挑戦する。相手もアイルランド産のハリケーンランを始め錚々たるメンバーが集まるので、ディープインパクトでさえ本命とはいかないだろう。
その2002年の凱旋門賞優勝馬のマリエンバードが日本で来て、種牡馬として初めての産駒がデビューしている。この初年度のことをファーストクロップというのだが、今後の活躍を占うこともあり非常に興味が湧くのだ。あのサンデーサイレンスはファーストクロップで30勝もして、先が大いに期待されたが、さすがに期待以上の活躍で応えた。マリエンバードは日本の競馬には向かないのではないかという危惧もあり、早く1勝とやきもきしていたところへ、7月29日の新潟の第1レースで勝ち名乗りが上がった。
勝ったのは牝馬の2歳馬、馬名はこともあろうに「センギョウシュフ」だ。名前をつけるのはオーナーの専権事項なので、どんな名前をつけようと勝手だが、今か今かと固唾を呑んでいただけに些かビックリした。どういう訳でこの名前にしたのかオーナーに聞いてみたいが、逆に親しまれる名前かもしれないし、図々しく強くなりそうな名前でもある。勝っぷりは、芝のマイル戦で、8番人気だったが後方を進み直線で一気に追い込んで堂々と勝ったもので見応えのある内容だった。タイムも1分36秒1で、2歳の未勝利戦としては立派なもので、今後の成長を見守りたい。
実は、マリエンバードの最初の勝ち馬も、センギョウシュフという馬名でなかったら、気がつかなかったかもしれないのだ。妙な名前なので血統を見たら、父がマリエンバードだったという訳だ。マリエンバードも、2歳の処女馬が専業主婦だったとは驚いているだろう。


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25 August

#134.新企画のフィナーレ

今年の新企画、サマー2000シリーズの最終戦は新潟記念だ。この新潟記念で初代チャンピオンが決まるのだが、22頭が登録してきた。この22頭のうちチャンピオン候補は、13点のエリモハリアー、10点のスウィフトカレント、5点のヴィータローザというところか。1着は10点なので、この3頭はチャンピオンになるチャンスがある。

さて、新企画は大いに結構だが、盛り上がりはどうだったろうか。イマイチという評価は免れないと思うがいかがだろう。よく考えてみると誰に向けての企画だったのだろう。どうも馬券を買ってくれるお客さま向けの企画ではなかったようだ。石川喬司が久しぶりにおもしろいことを言っていたが、「シリーズ馬券を売れ」ということだった。こうすれば少しは盛り上がったかもしれない。実際の馬券運営は極めて難しそうだが、馬券を買うお客向けに何かできないのか、来年の企画の改良を期待したい。

さて、新潟記念。データ・ベースは夏負けなどしないが、でも丈夫だけが取り柄では本当は困るのだ。

 ◎ スウィフトカレント 67.5→最近の実績、タイム、勝っぷり、末脚
 ○ サンレイジャスパー 60.9→最近の実績、タイム、末脚
 ▲ エリモハリアー   60.2→最近の実績、
 △ ヤマニンメルベイユ 59.1→タイム、先行力
 △ エイシンニーザン  58.4→タイム
 △ トップガンジョー  58.1→最近の実績
 △ ヴィータローザ   57.8→タイム


スウィフトカレントがここを勝って、サマー2000シリーズ初代チャンピオンになる。これに、エリモハリアーが絡むわけだが、全てのスコアでスウィフトカレントの優位は傾かないだろう。

展開だが、ヤマニンメルベイユが単独でハナをきるだろう。続いてナイキゲルマン、シャーディーバナイス、が続き、少し遅れてエイシンニーザン、トリリオンカット、タガノマイバッハ、トップガンジョーまでが一塊で先行グループを形成する。
中段は混み合うが、ダイワレイダース、ロードフラッグ、ソーユアフロスト、が固まり、そのあとにエリモハリアー、サンレイジャスパー、メイショウオウテ、オースミグラスワン、ヤマニンアラバスタ、マチカネリュウセイあたりがゴチャついた中段をつくる。
後方は、アサクサキニナル、サイドワインダー、ヴィータローザ、ニシノナースコール、オールピュールが控える形で進むことになろう。

夏は牝馬ということで、サンレイジャスパーとヤマニンメルベイユを注目してみたい。自分のレースができればおもしろい存在だ。


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