Archive for August 2008

29 August

#445.今年はシリーズ優勝と雨が鍵

今週の新潟記念は芝2000m、サマー2000シリーズの最終戦になる。シリーズ優勝には当然のことの褒賞があり、馬主に4000万円、厩舎に1000万円である。現在のところのポイントランキングではタスカータソルテが13点でトップだが、1着になれば10点で、2着以下も5点から1点ずつ下がる点が入る。新潟記念の出走馬で優勝の可能性のあるのが、ミヤビランベリ(現在12点)、ミストラルクルーズ(同6点)、ダイシングロウ(同5点)の3頭で、ミヤビランベリは2点で優勝なので5着でいいことになる。

新潟の芝2000mは高速コースで例年好タイムでの決着が続いているが、今年は雨の影響でタイムの期待はもとより、展開も微妙に変わりそうだ。一方、夏競馬を通じて新しいヒーローも育ってきているので、この新潟記念で本物かどうかの試金石にもなろう。


【 Wscランキング:新潟記念 】
◆Wsc: 77.6 ダイシングロウ    R= 47、 RR= 63、 RT= 66、 D= 3.2、 A= 2.2、 H= -.5
◆Wsc: 66.8 マイネルキッツ    R= 47、 RR= 63、 RT= 56、 D= .3、 A= -.1、 H= 2.9
◆Wsc: 58.6 バトルバニヤン    R= 41、 RR= 52、 RT= 60、 D= -1.6、 A= 1.3、 H= -.8
◆Wsc: 57.5 トウショウヴォイス  R= 38、 RR= 56、 RT= 61、 D= -2.9、 A= -.9、 H= 2.2
以上がWsc55超の推奨馬
◇Wsc: 54.6 ミヤビランベリ    R= 44、 RR= 54、 RT= 59、 D= -3.5、 A= 3.2、 H= -2.3
◇Wsc: 54.0 コスモプラチナ    R= 37、 RR= 44、 RT= 59、 D= -1.9、 A= 1.7、 H= -1.1
◇Wsc: 52.1 ミストラルクルーズ  R= 42、 RR= 54、 RT= 51、 D= -2.6、 A= .6、 H= 2.1
◇Wsc: 49.1 キャッチータイトル  R= 38、 RR= 43、 RT= 48、 D= -1.9、 A= 2.4、 H= -1.6
◇Wsc: 48.2 エリモハリアー    R= 50、 RR= 45、 RT= 44、 D= -4.9、 A= -1.1、 H= .4
◇Wsc: 47.7 タマモサポート    R= 43、 RR= 44、 RT= 52、 D= -5、 A= 1.7、 H= -1.2
◇Wsc: 44.9 トウショウシロッコ  R= 42、 RR= 41、 RT= 43、 D= -3.7、 A= .9、 H= -.5
◇Wsc: 44.2 サンレイジャスパー  R= 47、 RR= 43、 RT= 38、 D= -5.1、 A= -.2、 H= 1.3
◇Wsc: 41.8 ヤマニンアラバスタ  R= 36、 RR= 34、 RT= 45、 D= -4.6、 A= -.8、 H= 2.3
◇Wsc: 41.8 アルコセニョーラ   R= 43、 RR= 42、 RT= 50、 D= -6.5、 A= -.9、 H= 1.9
◇Wsc: 40.8 ブラックカフェ    R= 36、 RR= 34、 RT= 45、 D= -4.5、 A= -1、 H= 3.9
◇Wsc: 40.6 フサイチアソート   R= 40、 RR= 37、 RT= 40、 D= -4.5、 A= -.5、 H= 2.2
◇Wsc: 40.2 チョウサン      R= 40、 RR= 34、 RT= 41、 D= -5.6、 A= .6、 H= .9
◇Wsc: 39.5 スクールボーイ    R= 27、 RR= 39、 RT= 56、 D= -5.4、 A= .1、 H= -1.6

   ・Wsc  :ウィニング・スコア→上位入着の可能性を示す総合指標で以下の指標から算出
   ・Rsc  :レースの実績→過去1年6か月を遡ったレースの実績を示す
   ・RRsc :最近の実績→6か月以内の直近3レースの実績を示す
   ・RTsc :タイム→最近のレースでの走破タイムを示すスコア
   ・DfWL :勝っぷり→勝った馬はどれだけ突き放したか、負けた馬はどこまで粘ったかを示す
   ・Asc :先行力→先行した実績を示すスコアで、高いほど先行している
   ・Hsc  :末脚→上り3ハロンの馬群の中で相対的に前に出たか後退したかを示す


【 展望 】
新潟の芝2000mは長い直線が特徴である。ゴール前の659mの直線は良く知られているが、スタートしてからの向正面にも1000m近い直線があり、他の競馬場には見られない特徴である。ここでの折合いで失敗する馬や騎手もいる。ところが、今年は少し条件が異なる。サマー2000シリーズの動向と、お天気の具合いだ。サマー2000は冒頭で述べたとおり、勝ちを狙う馬、5着を確保した馬がいることも確かだ。また、8月の中旬から北陸・東北は雨が多く、さすがの新潟の馬場もパンパンの高速馬場とはいかないだろう。

中心はダイシングロウだ。直近のレースでは夏の新ヒーローの誕生とも思える活躍だ。前走の小倉記念こそ2着に甘んじたが、その前の2連勝は素晴らしい勝ちっぷりで上昇力の強さが伺える。ここを勝って秋は重賞の常連になって欲しいものだ。2番手はマイネルキッツだ。成績が安定しないメンバーの中では重賞での善戦を続けている。大崩れしないのが狙いだ。あとは、バトルバニヤンとトウショウヴォイスぐらいか。


【 展開 】
18頭と賑やかで脚質も多彩に揃った。まず逃げるのが、ミヤビランベリだ。これを追走するのが、キャッチータイトルとダイシングロウだろう。この3頭で先頭集団をつくる。次いで先行集団だが、コスモプラチナ、タマモサポート、バトルバニヤンの3頭だ。
中段は、前の方にトウショウシロッコ、チョウサン、ミストラルクルーズ、スクールボーイがつけ、後ろの方にマイネルキッツ、サンレイジャスパー、フサイチアソートが控えるだろう。
後方は、ヤマニンアラバスタ、アルコセニョーラ、トウショウヴォイス、ブラックカフェ、エリモハリアーが長い直線を生かした追い込みに賭けることになるだろう。

前半の長い直線がカギだ。ここで焦れてしまうようでは勝負にはならない。淡々としたレース模様になるだろうが、ペースの速い遅いで先行・追い込みの運命が分かれる。1000m59秒が分かれ道か。


21:01:31 | datesui | No comments |

27 August

#444.江戸六地蔵めぐり?  −品川寺−

今から187年前の8月11日、清水家の家臣村尾嘉陵が江戸の六地蔵を歩いて回ったそうだ。当時村尾は62歳だったので、こちらも同じ年恰好なので六地蔵めぐりをしてみた訳だ。こちらは歩くのは勘弁してもらって、できるだけ楽をさせていただいた。11日のブログでは概要を述べただけになっていたので、その続きを案内する。

京浜急行の青物市場駅を降りると、ジュネーヴ平和通りという変わった名前の通りに出る。その通りを東に向かい、1本目の通りを左に折れると旧東海道に入る。50mほど進むと、右側に品川寺(ほんせんじ)が現れる。短い参道があり、その奥にしっかりした門があるが、左手を見るとかなり大きな銅像が鎮座している。なんと門の手前だが、そばにあった品川区作成の「しながわ百景」の案内板を読むと、これが品川寺の六地蔵だった。
品川寺は瀟洒な門のあるお寺だが、お目当ての六地蔵が境内の外にあるとは思わなかった。

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品川寺の六地蔵。優しいご様子は思っていたとおりだが、思っていたより大きく、立派だ。外に曝されていたわりには、痛みも少ない。さすが、お地蔵様、日頃の信心が良ろしいようだ。


品川寺の門。大きくはないがしっかりとした造りの良い門だ。門だけでも見る価値がある。


21:57:00 | datesui | No comments |

24 August

#443.選手がかわいそう

北京オリンピックの野球は三位決定戦にも米国に敗れ、4位で終わった。東京でテレビの前で応援していただけだが、かなり打ちのめされた気持になった。だが、夜の決勝戦での韓国チームの戦う姿をみて、少しはいい気持になれてきた。やはり優勝するチームは違う、常に上目づかいで上を見て、石垣でも登るように這いつくばい、食らいついていく戦い方は大いに見習うところがある。

とこころで日本チームだが、状況はかなり深刻だ。9試合で4勝5敗の負け越しで過去最低である。同じ相手に2度負けているが、それも1例だけではない。韓国に、米国に、それぞれリーグ戦で敗れ、決勝トーナメントでも返り討ちにあっているのだ。しかも、韓国には2回とも若いキムの前に抑えられているのだ。短い期間とはいえ、何らかの対策を講じたようなフシが見られないのが辛いところだ。

前回のアテネでのことを思い出してみると、銅メダルは獲ったものの、今回と同じようにオーストラリアに2度負けてしまったのだ。しかも、2度ともジェフ・ウィリアムスに捻られたのだ。こんな鮮明な前例があるのに、またしても轍を踏んでしまったのだが、それも北京ではご丁寧に2度も踏んでいるのだ。どうも今回の首脳陣には危機管理能力とか状況打開力といった意識が全く欠如しているとしか思えないようだ。

WBCのときの王監督の周辺には、辻や弘田といった野球を知りつくし苦労をし続けたスタッフが甲斐甲斐しく動き回っていたが、今回のベンチにはそんな様子は見当たらなかった。準決勝で韓国に逆転されたとき、解説の野村謙二郎が「ベンチは沈まないで、次の攻撃に備えてバットを振るべき」と指摘していたが、それを指示するコーチもいなかった。それなのに星野はカナダ戦を1対0で終わったとき、「俺を殺す気か」とほざいた。一体、どこの誰様と思っているのだろうか。この一言で人心の離散はさらに加速したろう。


14:48:04 | datesui | 2 comments |

22 August

#442.楽しさ満載、北のG?

夏はいわゆるローカル競馬で大きなレースの開催は少なくなる。重賞競走は週に1レースのときもあり、その重賞もG?である。ただ一つの例外が今週の札幌記念でG?の格付けである。それだけにいつもの夏競馬とはメンバー構成が大いに異なることになる。秋の天皇賞を視野に入れている馬もいれば、芝2000mであるからサマー2000シリーズの第4戦として点数稼ぎの馬もいるだろう。

昨年の有馬記念優勝馬マツリダゴッホが始動してきた。そこへ3歳のクラシックで活躍したマイネルチャールズも果敢に挑んできた。フィールドベアー、マンハッタンスカイ、ヴィータローザなど好調馬、堅実な馬、曲者とわき役も多士済々、さらに脚質も逃げから追い込みまで個性派が揃い、2000mキッチリ楽しめそうだ。


【 Wscランキング:札幌記念 】
◆Wsc: 65.0 マイネルチャールズ   R= 69、 RR= 73、 RT= 41、 D= -.4、 A= .5、 H= 3.3
◆Wsc: 64.4 フィールドベアー    R= 45、 RR= 70、 RT= 55、 D= .1、 A= .3、 H= 2
◆Wsc: 56.6 マンハッタンスカイ   R= 41、 RR= 66、 RT= 51、 D= -1.5、 A= 1.8、 H= -.6
◆Wsc: 56.5 マツリダゴッホ     R= 46、 RR= 56、 RT= 46、 D= -1.2、 A= .7、 H= 0
◆Wsc: 52.3 ヴィータローザ     R= 56、 RR= 53、 RT= 55、 D= -4.8、 A= .9、 H= -.8
◆Wsc: 48.4 コンゴウリキシオー    R= 43、 RR= 46、 RT= 52、 D= -4.2、 A= 3.4、 H= -3.5
◆Wsc: 47.8 アドマイヤタイトル   R= 37、 RR= 45、 RT= 43、 D= -2.5、 A= -.5、 H= .9
◆Wsc: 45.2 タスカータソルテ    R= 45、 RR= 44、 RT= 49、 D= -4.6、 A= -.3、 H= .4
◆Wsc: 43.0 メイショウレガーロ   R= 46、 RR= 41、 RT= 46、 D= -4.1、 A= 2.1、 H= -1.3
◆Wsc: 41.4 シルクフェイマス    R= 38、 RR= 46、 RT= 41、 D= -4、 A= 2.5、 H= -3.8
◆Wsc: 29.4 オリエンタルロック   R= 35、 RR= 32、 RT= 36、 D= -5.8、 A= -1.3、 H= -.6

   ・Wsc  :ウィニング・スコア→上位入着の可能性を示す総合指標で以下の指標から算出
   ・Rsc  :レースの実績→過去1年6か月を遡ったレースの実績を示す
   ・RRsc :最近の実績→6か月以内の直近3レースの実績を示す
   ・RTsc :タイム→最近のレースでの走破タイムを示すスコア
   ・DfWL :勝っぷり→勝った馬はどれだけ突き放したか、負けた馬はどこまで粘ったかを示す
   ・Asc :先行力→先行した実績を示すスコアで、高いほど先行している
   ・Hsc  :末脚→上り3ハロンの馬群の中で相対的に前に出たか後退したかを示す


【 展望 】
この札幌記念は秋のG?戦線をパースペクティブの睨んでのファースト・ステップと見た方が楽しそうだ。
すると自動的に、マツリダゴッホとマイネルチャールズに目が行くことになる。この2頭は勝つことはもとより、内容が重要でG?戦線で通用するかが問われることになる。だから、着は外せないし、ましてや掲示板に馬番が載らないようなことにでもなれば、秋のことなど考えられなくなるだろう。マツリダゴッホは少なくとも連に絡み、マイネルチャールズも着に入ることが至上命題だろう。
ここへ割って入るのが、フィールドベアーとマンハッタンスカイだ。ともに今季好調で、しかも巴賞、函館記念と好走していて迎え撃つ体制は完ぺきだ。ともに中心馬を負かす力は十分ある。また、曲者のヴィータローザも不気味だ。ここへ来て成績が上向いてきているのだ。


【 展開 】
久しぶりに逃げ、先行、中段差し、後方追い込みという脚質がきれいに揃ったレースが見られそうだ。しかも11頭立てなので、枠順の影響も少なくて済む。
さて、逃げるのはコンゴウリキシオーだ。それを追走する先行馬は、シルクフェイマスとメイショウレガーロの2頭だ。
中段のグループは、マンハッタンスカイ、ヴィータローザ、マツリダゴッホ、マイネルチャールズ、フィールドベアーと有力どころがひしめくことになる。
後方は、タスカータソルテ、アドマイヤタイトル、オリエンタルロックが虎視眈々と控えることになろう。

このレースはマツリダゴッホがレースを作るだろう。4コーナーの手前から早めに先行集団を自ら捕まえに行くはずだ。それを見て、マイネルチャールズ、フィールドベアー、マンハッタンスカイも遅れずに動き出すだろう。曲者のヴィータローザだが、有力馬に一泡吹かすなら、3コーナーから仕掛けて4角先頭もおもしろいかもしれない。


00:35:53 | datesui | No comments |

19 August

#441.本当のプロ

先週は押井守の映画を2本観た。1本は新作の『スカイ・クロア』、もう1本は『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊2.0』で、出世作を押井守自ら手掛けたリニューアル版だ。『スカイ・クロア』は元々観る予定だったが、『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊2.0』は友人の奨めがあり、観ることになった。

前作の『イノセント』から気になることがあった。それは意識だけがコンピュータにメモリーとして残っていて、いわば死ぬことのできない人間の存在だった。「意識だけ残って死ねない」、さぞかし辛いことだろと思ったが、考えれば考えるほど気持ちの悪くなることだった。

『スカイ・クロア』では案の定、死ぬことのできない人間が登場してきたが、意識のメモリーはリセットされるように思えたので少しは安心できた反面、死ぬことのできない気持ち悪さは持ち越されてしまった。
押井守は相変わらず考えさせてくれてありがたいのだが、疑心暗鬼になってしまって、少々ついていけないときもある。例えば、『スカイ・クロア』で指揮官の水素と優一がテーブルを挟んでワインを飲む場面があるが、このテーブルの向こうの壁に掛かっていた絵が宮本武蔵の『枯木鳴鵙図』だった。真剣勝負でも意味しているのだろうか。

『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊2.0』は押井の世界観の起点のようなものがあったように思われる。人工知能、ネット社会などの先見性には目を見張るものがあった。それに加えてアニメの表現力の可能性の追求も素晴らしかった。あとで知ったことだが、押井はコストと納期を守れるクリエイターだそうで、これには頭が下がる。まさしくプロだ。


22:28:28 | datesui | No comments |