Complete text -- "#353.ともに心のはたらき"

19 February

#353.ともに心のはたらき

先日、新宿へ映画を観に行った。イタリアの女流監督リリアーナ・カヴァーニの作品『フランチェスコ』で、そのついでに初台まで歩いて東京オペラシティアートギャラリーの『池田満寿夫 知られざる全貌展』を観た。

リリアーナ・カヴァーニは大好きな監督で、『愛の嵐』や『ルー・サロメ 善悪の彼岸』で知られているが、その手加減ナシのエロスの表現は拍手喝采の物凄さがある。一方池田満寿夫だが、これもエロスに関しては自他ともに認める旗手のひとりだろう。
この二人を観に行った訳だが、今回のリリアーナ・カヴァーニはフランチェスコという禁欲に徹した信仰者の話で、対する池田満寿夫の後半生はナント般若心境などに身を寄せた祈りの世界が展開していた。ネットで調べたときの気持ちに期待通りで、今までとは逆の裏面の芸を見せていただいたようだった。

この二人のエロスの表現は真面目に向き合っているからこそのものだろう。これが少しでも逡巡や躊躇いがあったらこうは行かない。確固たる意志の強さがあって、エロスの表現は成立する。いい加減な気持ちでのエロスの表現は低俗で醜劣なものでしかない。ふたりの厳しい信仰の世界を見ながら考えた事はなぜかエロスだった。


00:38:44 | datesui | |
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