Complete text -- "#462.知らぬ世界"

08 October

#462.知らぬ世界

先日『おくりびと』という映画を観た。納棺師という普段ほとんど意識したことのない職業を取り上げた作品だが、なかなかの秀作だった。ひとが死ぬ、すると葬儀が人生の最後の舞台になる訳だ。その舞台へ出るための晴れ姿に仕立てるお手伝いをする仕事である。死装束、死化粧、言葉では聞いたこともあるものの、よくわからないのが素直なところで、できる限りのことはしてあげたい気持ちはあるだろう。

この作品を通じて納棺師という職業の素晴らしさはよくわかった。ということで、この作品は大成功といえよう。逆に物語の中では、わかりにくい職業だけに誤解や曲解があり、主人公が職業の尊厳との葛藤に悩むところがおもしろかった。また、山崎努や木本雅弘の見せる納棺技術も見せ場があって、これは見事なものだった。

だが、物語はほんの数か月の話だ。こんな短い時間で納棺技術は会得できてしまうものなのか。また、死化粧を遺族から感謝される場面があるが、化粧がこんなに簡単なものとは思えない。少なくとも美容業界、化粧品業界に身を置いた者からみれば首を傾げたくなる。


15:27:15 | datesui | |
Comments

やまもと wrote:

長編作品ですね。とっても興味深い内容です。時間を掛けてじっくりと読ませて戴きます。
10/10/08 07:33:37

datesui wrote:

ご高覧いただき、ありがとうございます。
ご多用の御身、ご無理をなさらぬようお願いします。
10/12/08 16:53:23
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