Complete text -- "#468.お鉢が回ってきた"
23 October
#468.お鉢が回ってきた
いよいよ今年のクラシックの総決算、菊花賞だ。その総決算を前にして大本命と思われたディープスカイが天皇賞・秋へ転進して菊花賞には出走しないことになった。ディープスカイは言わずと知れたダービー馬で、その前にマイルのG?NHKマイルを快勝している。ここで菊花賞を獲れば変則だが三冠の達成であり、内容も1600mのNHK、2400mのダービー、そして3000mの菊花賞となれば、本場英国のクラシックの体系に近く、本物の三冠馬のはずだった。それを天皇賞に進路を変えたのだ。しかも天皇賞は歴戦の古馬と手合わせになる。どう見ても3歳同士の菊花賞より辛い勝負になることは明白である。敢えて厳しい道を選んだディープスカイの陣営に拍手を送りたい。この背景には世界の競馬が距離の短縮化傾向にあることが明白だろう。菊花賞や天皇賞・春のようなレースはもはや時代遅れなのかもしれない。NHKマイルC、ダービー、天皇賞という路線が3歳馬の中心的なキャリアコースなることを願っているのだが、早計だろうか。
伝統のレースに水を差すようなことを述べてしまったが、菊花賞はやはり菊花賞として淀の坂越え3000mをきっちり走って欲しい。だが、ディープスカイの転進に加えてダービー2着のブラックシェルも屈腱炎で回避となって、急に中心が怪しくなった。すると急浮上が夏の上昇馬だ。ダークホースのはずが中心馬に、穴中の穴の馬が対抗や単穴に格上げされてのレースになった。いささかインフレ気味のレースではあるが、それでも優勝馬は菊花賞馬だ。クラシックの総決算を見事に飾って欲しい。
【 Wscランキング:菊花賞 】
◆Wsc: 67.9 オウケンブルースリ R= 30、 RR= 58、 RT= 60、 D= 0.5、 A= -0.7、 H= 3.2
◆Wsc: 60.1 シゲルフセルト R= 16、 RR= 55、 RT= 60、 D= 0.3、 A= -0.1、 H= 1.6
◆Wsc: 59.5 スマートギア R= 17、 RR= 54、 RT= 57、 D= 0.3、 A= -0.6、 H= 2.1
◆Wsc: 58.5 マイネルチャールズ R= 28、 RR= 69、 RT= 53、 D= -2.4、 A= 0.4、 H= 1.3
◆Wsc: 58.1 ダイワワイルドボア R= 21、 RR= 60、 RT= 52、 D= -0.6、 A= 0.1、 H= 1.1
◆Wsc: 57.5 ノットアローン R= 19、 RR= 66、 RT= 49、 D= -0.9、 A= 0.7、 H= 0.2
◆Wsc: 55.7 ダイシンプラン R= 17、 RR= 49、 RT= 50、 D= 1.2、 A= -0.6、 H= 1.8
以上がWsc55を超えた推奨馬
◇Wsc: 54.4 ナムラクレセント R= 20、 RR= 53、 RT= 56、 D= -1.2、 A= -0.4、 H= 1.8
◇Wsc: 52.2 ロードアリエス R= 24、 RR= 62、 RT= 46、 D= -2.8、 A= 1.1、 H= -0.4
◇Wsc: 49.2 ミッキーチアフル R= 18、 RR= 50、 RT= 50、 D= -1.8、 A= 0.6、 H= 0.2
◇Wsc: 47.9 スマイルジャック R= 21、 RR= 53、 RT= 50、 D= -3.0、 A= 0.9、 H= 0.5
◇Wsc: 47.9 ベンチャーナイン R= 19、 RR= 56、 RT= 50、 D= -3.1、 A= -0.4、 H= 2.2
◇Wsc: 47.1 アグネススターチ R= 18、 RR= 50、 RT= 43、 D= -1.7、 A= 1.3、 H= -0.2
◇Wsc: 44.6 ヤマニンキングリー R= 16、 RR= 52、 RT= 47、 D= -3.1、 A= 0.0、 H= 0.4
◇Wsc: 42.2 ホワイトピルグリム R= 19、 RR= 45、 RT= 51、 D= -3.5、 A= -0.1、 H= 0.8
◇Wsc: 32.7 フローテーション R= 18、 RR= 38、 RT= 47、 D= -5.2、 A= -0.3、 H= 0.8
◇Wsc: 32.6 メイショウクオリア R= 21、 RR= 44、 RT= 39、 D= -5.3、 A= 0.6、 H= 0.1
◇Wsc: 32.1 ドットコム R= 16、 RR= 40、 RT= 39、 D= -5.4、 A= -0.2、 H= -0.6
・Wsc :ウィニング・スコア→上位入着の可能性を示す総合指標で以下の指標から算出
・Rsc :レースの実績→過去1年6か月を遡ったレースの実績を示す
・RRsc :最近の実績→6か月以内の直近3レースの実績を示す
・RTsc :タイム→最近のレースでの走破タイムを示すスコア
・DfWL :勝っぷり→勝った馬はどれだけ突き放したか、負けた馬はどこまで粘ったかを示す
・Asc :先行力→先行した実績を示すスコアで、高いほど先行している
・Hsc :末脚→上り3ハロンの馬群の中で相対的に前に出たか後退したかを示す
【 展望 】
オウケンブルースリを夏から密かに追いかけていた上がり馬狙いの御仁や、大穴狙いの方には悔しい菊花賞かも知れない。なにせ、穴中の穴のようなシゲルフセルトやスマートギアまでが中心馬になろうとしているのだ。そして、近年なら見捨てられるセントライト記念の上位馬が、我が場を得たりとばかりの顔をしているではないか。今年の菊花賞は何が起きるかわからない、面白いことになりそうだ。
そこで、王道的にオウケンブルースリ、シゲルフセルト、スマートギアを中心に据えよう。マイネルチャールズ、ダイワワイルドボア、ノットアローン、ダイシンプランをその間に割り込む勢力と考えてみたい。目移りする馬も当然多いが、ここまでにしておく。
【 展開 】
レースの中心が怪しくなっているばかりではなく、展開の中心も不在だ。強力な先行馬も見当たらず、ダンゴ状態のスローペースになるのは必至だろう。
その中で先頭を切りそうなのが、アグネススターチだろう。続いて、ロードアリエスとなり、そのあとの先行集団に、スマイルジャック、ノットアローン、ミッキーチアフル、メイショウクオリア、マイネルチャールズがかたまることになろう。
差のない中段に、ダイワワイルドボア、ヤマニンキングリー、シゲルフセルト、ホワイトピルグリム、ドットコム、フローテーション、ナムラクレセント、ベンチャーナインがひしめき合う状態になる。
後方、といっても差がないが、スマートギア、ダイシンプラン、オウケンブルースリが追走する展開になる。
どの有力馬も中心馬になるとは思っていないし、中心馬にもなったこともないので、自分から動くことはしまい。なおさら淡々とした展開が維持されてしまうことになり、4コーナーを一団で回ることも考えられることではなく、一番想定できるパターンかもしれないのだ。
中段にいる有力馬が一番難しいだろう。動くに動けず、なし崩しに脚を浪費して、結局勝負にならないことが予想されるので、先行集団から勇気をもって飛び出すか、計った追い込みを抜かりなくやり遂げることが栄冠への近道かもしれない。
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