Complete text -- "#478.京都へ行ってきました? −洛南・宇治上神社と橋姫神社−"

27 October

#478.京都へ行ってきました? −洛南・宇治上神社と橋姫神社−

今、宇治は源氏物語一色だ。紫式部が源氏物語を書き上げてから千年が経ったそうで、源氏物語ミレニアムということだ。平日の昼間で紅葉には少し早い時期だが、人通りはかなりなものがあった。その宇治を代表する源氏物語ゆかりの神社は宇治上神社と橋姫神社となろう。

源氏物語の最終章を飾る宇治十帖では、源氏はとうに他界し息子の薫大将と孫の匂宮の話になる。幕開けは『橋姫』で、源氏の異母弟にあたる桐壺帝の八の宮が宇治で寂しく暮らしているところからである。薫はこの八の宮のことを聞きつけ、宇治を訪ねると互いの不運な身の上を共鳴し合った。薫は何度となく宇治に八の宮を訪ねるが、八の宮には二人の美しい姫君がいて、ある月夜の晩、二人の姫君が琵琶と琴を合奏しているところを垣間見た。月の光に映し出された美しい姫君の姿に心を惹かれるのである。薫は「橋姫の心をくみて高瀬さす 棹の雫に袖ぞぬれぬる」と詠んで、姉の大君に贈った。その後、薫が宇治を訪れると八の宮は出家を望んでいることを薫に告げ、合わせて姫君たちの将来も薫に頼むことになった。


この八の宮の屋敷があったのが宇治上神社のあたりらしい。ただ、神社の成り立ちと源氏物語との関係はないようだ。神社のパンフレットには由緒正しきことが綿々と綴られていたが、知らない固有名詞が並んでいてさっと読んでわかるシロモノとは思えなかった。お社は立派で世界遺産とのことだが、平安時代後期に建てられ現存する最古の神社建築だそうだ。

橋姫神社は宇治橋のたもとにある小さな神社だ。瀬織津姫(せおりつひめ)を祀った橋姫神社は橋の守り神だったそうだ。水陸の交通の要所であった宇治にとって宇治橋は極めて重要で、橋姫をめぐる多くの伝説もあるようだ。宇治十帖のゆかりの名称でもあり、小さな神社で何があるわけでもないが訪ねる人は多かった。


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宇治上神社の本殿。檜皮葺きの屋根を始め、その存在感にに圧倒される。右は橋姫神社。本当に名ばかりの神社。


00:19:25 | datesui | |
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